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スタートアップのデットファイナンスを可能にする男、現る|Vol.248 | M&A BANK

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2020.01.07

スタートアップのデットファイナンスを可能にする男、現る|Vol.248

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 目次 

1.  デット調達を支援する「令和の借金させる王」
2.  デットとエクイティ、どちらがいいのか問題
3.  デットとエクイティのうまい組み合わせ方
4.  デットのデメリットは「返さないといけないこと」ではない

 

デット調達を支援する「令和の借金させる王」

島袋
今日はなんと、OneWorldコンサルティング株式会社、代表取締役兼公認会計士・税理士でもある大野さんに来ていただきました!よろしくお願いします。

大野
よろしくお願いします。

島袋
大野さんは「令和の借金王」ということで。

大野
そうですね、始まったばかりですけどね。

実際は僕自身、借金はそんなにしていなくて、お客さんの融資の支援、資金調達の支援をずっとやっています。
なので、借金王と呼ばれることもありますが、正しくは「借金させる王」ですね。

島袋
なるほど、「させる王」ね。

事業にはヒト・モノ・カネが必要で、中でも資金はすごく重要です。
それをエクイティで引っ張るのかデットで引っ張るのかを考える必要がありますが、今は金が余っている時代とも言われるので、ベンチャーにとってエクイティの調達環境はそんなに悪くないそれでもデットを引っ張るべきなんでしょうか?
そのあたりのお話を聞いていきたいなと思います。

デットとエクイティ、どちらがいいのか問題

大野
まず、資金調達にはMM理論と言われる定理があります。
それによると、完全市場においてはデットかエクイティかといった調達方法で企業価値に影響が出ることはないと言われています。
つまり、どっちで調達してもいいよ、好きなようにしなさいねということです。

ただ、この現実社会は完全市場ではない。
まず1つ、税金があります。
デットで調達すると支払い利息を払うコストの分、税金は安くなります。
一方、エクイティでの調達の場合は配当になる。これはコストではないので、税金に対してインパクトがない。安くならないんです。

ならば、デットで調達した方が税金を安くできる分有利じゃないかと考えられます。
調達コストが安いなら、なるべくデットでの借り入れを増やした方がいいと言えます。

とはいえ、もう少し現実世界のことを考えてみると、お金を出す方からすれば、借り入れが膨らんでいる会社は、倒産リスクが高まっているようにも見えます
となると、今までは2%や3%で貸していても、利息を10%、いや、18%にしたいなと考えることもありえます。
そうなると、おそらくエクイティからの調達の方が有利になってきます。

なので、デットとエクイティの両方で資本構成をどうするか考えるべきであって、デットで借りるか、エクイティで借りるかの2つに1つじゃないんです。
どちらもバランスよく借りることが、これからの資金調達においてとても重要になるだろうと思っています。
特にスタートアップの人達は、デットでの調達がそもそもできるかもわからないところがあるので、僕らはずっとそのお手伝いをやっているんです。

島袋
なるほどね。
大野さん、喉大丈夫ですか?

大野
大丈夫です、すごい喋るんですよ僕。(笑)
昨日も4時間喋ってきて、今日もこの後2時間半とか喋る予定です。

島袋
家に帰ったらどんな感じになるんですか?抜け殻みたいな感じですか。

大野
そんなことないですよ。
僕はテレビを見るのが大好きなので、12時ぐらいに家に帰って、そこから2時間ぐらいずっとバラエティ番組を見て、朝7時に元気に起きます。

島袋
すごい元気だ。(笑)

デットとエクイティのうまい組み合わせ方

島袋
創業融資をある程度使った後は、設備融資を受けるか、運転資金として調達するかを考えることもできますが、融資だと使う用途が限られることがありますよね。
ベンチャーはそのタイミングでデットを検討すべきなんでしょうか?

それに、そもそも最初にエクイティを検討していいんでしょうか?デットで検討してダメだった時に、エクイティでいくべきなんでしょうか。

大野
そこは僕たちも難しいなと思っています。
いろいろな考え方がありますが、僕はデットの調達支援をずっと支援しているので、最初もやっぱりデットがいいんじゃないかなと思います。

実績がない状態でデットで借りられるのかについてはこのあと話すとして、まずはデットで1000万でも2000万でも借りて、それでミニマムバリューなプロダクト、動作するモックみたいなものを作って、それを使ってエクイティの調達を交渉するといいんじゃないかと思います。
おそらく放出する株数もある程度おさえられるし、アイデアだけじゃなく実際に動くものがあると見せられれば企業価値もある程度付くので、いわゆるエンジェルラウンド、ラウンドAの前でも調達しやすくなるんじゃないかなと思っていて、実際にそういう支援もやっています。

一方、すでにエンジェルからいくらか入っていたり、エクイティでの調達が終わった人がプラスアルファで資金を調達したいときに、その間で1回デットをかますのもありかなと思っています。

デットのデメリットは「返さないといけないこと」ではない

島袋
なるほどなあ~ ぜひうちのことも相談させてもらいたいですね。
生々しいけど分かりやすいですから。

僕がいくつか会社をやっている中のそのひとつが通販会社で、3年くらいでだいたい年商5億ぐらいあるんです。
広告費を積めば売上のトップラインが10億に届くのはわかっているんですが、そうするとPL上赤字になっちゃうんですね。
この事業もいつかは売却しようと思っているので、それに向けてたとえば企業価値を10億円くらいで評価してもらって、5%放出して5000万入ったとして、それを広告費に回してトップラインを上げていくべきなのか、または銀行から借りてやるべきなのか、どっちがいいのかちょっと悩んでいるんです。どっちがいいでしょうか?

大野
現段階のBSをよく見て、仮にデットが1円もないのであれば、おそらくデットがいいでしょうね。

島袋
1円もないです。

大野
それならデットで調達した方が株の放出も少なくて済みます。
それに、株を出してしまうと株主さんが増えますよね。その方たちが売却したいときにどう動かれるのか読めない部分も出てきます。
銀行からの借り入れなら議決権は渡さないですから、その方法で資金を調達して、ボリュームアップしてから会社を売却すると、シンプルなシナリオになるかなと思います。

島袋
なるほどね。確かに融資なら議決権はないですよね。

大野
そうなんですよ。
よくエクイティとデットのメリット・デメリットって話題になって、エクイティのメリットは返さなくていいこと、デメリットは議決権を渡すことと言われますが、デットはその裏返しなんですよね。

メリットは、持分を渡したり議決権を渡したりしなくてすむこと、その代わり返さないといけないのがデメリットと言われます。
でも、実はそんなことないですよ。デットはもちろん返すものですが、返した分また借りるんですよ。

島袋
どういうことですか?

大野
たとえば5000万借りて、1年くらいかけて1000万返したとします。それで1年後にまた1000万借りるんです。そうすると、5000万借りたままになりますよね。
つまり、資金がプールされるという意味では、エクイティで5千万調達するのと、借りて返した分また借りるのって同じなんです。

デットは返さなきゃダメなのがデメリットと言われますが、実は返した分借りられるんですよね。むしろ、成長している企業は返した額以上に借りることもあるんですよ。
たとえば1000万返して、次は1500万ぐらい借りる。企業が大きくなって必要資金も増えているので、より大きく借りる。

そうやって借り入れがどんどん増えていくと、1番怖いのは返したあとにまた本当に借りられるかどうかです。
だから、返すことがリスクなんじゃなくて、次借りられるかどうかわからないのが、実はデメリットなんです。

ここさえ借りられるとわかっていれば、エクイティでの調達した資金のプールと実はあまり変わりません。エクイティはずっと借りっぱなし、デットは返して借りて返して借りてなのでちょっとギザギザしますが、借りている金額は一定ある。

ただ確かにリスクはあって、借り入れがあまりに増えると、次返したときに借りさせてくれないかもしれません。
このリスクをどうやって下げていくかというところを、僕たちは支援しているんです。
返した分をちゃんと借りられるだけの金融機関との関係づくり情報の共有のお手伝いとか。

島袋
なるほどなあ~めちゃめちゃ勉強になります!
まだまだ聞きたいんですが、もうお時間になってしまったので続きは次回に譲ります。

ではみなさん、またM&A BANKでお会いしましょう!

【出演者情報】
■大野修平:OneWorldコンサルティング株式会社-代表取締役 兼 公認会計士・税理士
大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入所。金融インダストリーグループにて、主に銀行、証券、保険会社の監査に従事。トーマツ退所後は、OneWorld税理士法人にて開業支援、融資支援、税務顧問などの業務を行う。また、毎週、補助金と融資の勉強会を開催し、スタートアップの資金繰り支援にも力を入れている。

■島袋直樹:M&A BANK株式会社-取締役会長
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡し、2018年3月よりM&A BANKの運営を開始。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。

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