M&Aで買い手に自社のことを伝えるには、アドバイザーなどの第三者と一緒に「発掘」し、言語化していくと良いでしょう。発掘する対象は、①事業の全体像(取引の流れとお金の流れ)と、②強みと成長余地の2つです。
買い手は、会社のビジネスモデルや強み・弱みを大局的に理解して、買うかどうかを決めます。その点において、売り手が自社を客観的に伝える精度が低いと、買い手候補が検討に入れる範囲(入口)が、本来より狭まってしまいます。
強みや弱みも、実は取引とお金の流れを確かめて初めて正しく評価できるものです。例えば、入金までの期間(取引サイト)が長いと弱みに見えますが、相手が確実に支払ってくれるかどうかまで確かめると、必ずしもマイナスとは言えないことがあり、そういった見方ができることは第三者視点を入れる価値にもなります。
M&A BANKを運営する株式会社Wellness X Asiaの阿部俊介(代表取締役副社長)と小林正憲(同社 執行役員 兼 M&A部部長 兼 シニアアドバイザー)が、この2つの発掘の進め方を対談で語りました。
Profile
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小林正憲
株式会社Wellness X Asia 執行役員 兼 M&A部部長 兼 シニアアドバイザー
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阿部俊介
株式会社Wellness X Asia 代表取締役副社長
第1章 自社の事業は、自分では客観的に見にくい
小林正憲
阿部俊介
小林正憲
第2章 どこからいくつ仕入れ、どこにいくつ売るかを1枚の図に
取引の流れは、経営者が一人で書き出すのではなく、アドバイザーが聞き取りながら1枚の図にしていきます。
小林正憲
阿部俊介
小林正憲
第3章 お金の流れと売掛金の「質」
阿部俊介
小林正憲
阿部俊介
第4章 強みは当たり前の中に埋まっている
強みは、経営者本人には当たり前に見えて気づきにくいため、アドバイザーのような第三者と一緒に掘り起こします。
阿部俊介
小林正憲
阿部俊介
小林正憲
阿部俊介
小林正憲
阿部俊介
第5章 弱みは「成長余地」として先に出す
阿部俊介
小林正憲
阿部俊介
小林正憲
阿部俊介
構造化サマリー
| 発掘する対象 | 何を整理するか | 買い手にとっての意味 |
| ① 事業の全体像:取引の流れ | どこからいくつ仕入れ、どこにいくつ売るのか。仕入れ先・取引先の数と、どういう会社かを、1枚の図で表せるくらいまで、アドバイザーが聞き取る | 仕入れ先や取引先が、売り手の会社の価値につながる。取引先が1社か10社か、大手中心か中小中心かによって、価値の議論ができる |
| ① 事業の全体像:お金の流れ | どこに支払い、どこから受け取っているのか。売掛金のサイト(請求から入金までの期間)と、売掛金の質(代金の信頼性) | コストのかかる部分で、買い手と一緒になったときのスケールメリットの議論ができる。入金が遅い取引も、入金の確実性で見れば、必ずしもネガティブとは言えない |
| ② 強み | 当たり前にやってきたこと、地道に積み上げてきたものを、第三者と一緒に1つ1つ確認して浮き彫りにする | シナジー(事業を組み合わせる相乗効果)が出るかどうかを、買い手が判断する材料になる |
| ② 成長余地 | 弱みを、伸ばせば強みになる成長余地として、先に言語化して出す。リソースの問題で、分かっていても触れられていない部分も含める | 買い手が、一緒になれば自分たちが補完して大きく伸ばせる部分として、ポジティブに捉えられる。先に出しておけば、後からネガティブな情報が出ることもなく、誠実性も伝わる |
まとめ
M&Aで買い手に自社のことを伝えるには、自社の事業理解が重要です。経営者が当たり前と思っている部分も、第三者を入れて見つめ直すことで、分かりやすく言語化でき、魅力を伝えられるようになるからです。
発掘する対象は、事業の全体像(取引の流れとお金の流れ)と、強みと成長余地の2つです。取引とお金の流れを確かめると、入金の遅い取引のように一見マイナスに見えるものの評価が変わることがあります。強みと成長余地を言語化し、弱みを成長余地として先に伝えれば、誠実さも伝わります。
といったように、事業理解にはしっかりと時間をかけて取り組み、買い手に分かりやすく簡潔に伝えられるよう準備することが、M&Aを進めるうえで重要な論点の1つです。
M&A BANKは、経営者が自社の価値を言葉にして買い手に届けられるよう、これからも経営者の隣で情報を届けていきます。
Cross Talk Members
クロストークメンバー
小林正憲
株式会社Wellness X Asia 執行役員 兼 M&A部部長 兼 シニアアドバイザー
大学卒業後、株式会社エスプール(東証プライム上場)に入社し、HR事業において新規支店立ち上げ責任者、エリア長を務め、その後新卒初の同グループの子会社社長に就任。事業推進、人事制度策定をし事業を軌道に乗せ、5年間子会社社長を務めた後退任。
その後、エイチアンドピーイー株式会社(現任)を設立、代表就任し、世界最大級のフィットネスブランド「CLUB PILATES」に加盟し現在都内5店舗のFCオーナーを務める。
また、FCオーナーをしながら株式会社Wellness X Asiaに参画。CHROに就任し人事制度の導入、CLUB PILATESの直営店舗を運営する子会社Boutique Fitness社長を経て、現在は、これまでの会社経営のノウハウを活かしM&A事業本部(現任)で売手専属アドバイザーを務める。
阿部俊介
株式会社Wellness X Asia 代表取締役副社長
同社でのM&A事業部の責任者として参画し現在に至る。また、並行してメンズ向け育毛剤『REDEN』を展開する株式会社美元の取締役COOとして事業成長担当。