買収決定後の上場企業の動き｜Vol.030 | M&A BANK

DDでするのは調査だけではない

盛
前回に引き続き、シェアリングテクノロジー社の篠さんにお越しいただいています。
今回は、実際にM&Aを検討することなった後の流れについてお聞きしたいと思います。

篠
まずは、本当に売上利益をちゃんと上げられるかどうかという、事業DDの部分を見ます。「これはいけそうだ」となったら、その後は管理側の法務DD、財務DD、税務DDを見ていきます。それも大丈夫そうだとなったら、役員の方に説明をして、了承を得て、契約に向かう、という流れですね。

※「DD」について、こちらの回で解説しています。
『M&Aに欠かせない“DD”とは？｜Vol.006』

盛
私は（買い取っていただいたサービスである）「フランチャイズの窓口」の責任者だったので、事業DDのところは特にお聞きしてみたいです。どういったことが篠さんの「これはいける！」という判断につながるんでしょうか？

篠
事業DDでは、今までの利益や売上の推移はもちろん、今後のこと、例えば最低でも同じだけ（の成果を）保てるのか？あるいは、上げていくとしたらどうやって上がっていくのか？という点を中心に見ていきます。

当然リスクヘッジも、例えばサイトがグーグルからペナルティをくらってSEOが落ちるリスクがないか、といったことも見ています。

計画を立てるイメージに近いですかね。リスクヘッジも考えたうえで計画を立てる、というような作業になると思います。

盛
なるほど、ありがとうございます。

見込みがあると思った部分は？

盛
いろんな事業を見ていらっしゃると思いますが、「フランチャイズの窓口」に関してはどう思われましたか？

篠
当社が今までやってきているビジネスは、「フランチャイズの窓口」とはちょっと違うとはいえ、サイトで集客したユーザーと業者とのマッチングサイト、という点では似ているところがありました。なので、例えばどういうKPIを考え、どう売上が上がっていくか、といった絵を描きやすいところがありました。
その点は常に事業にしやすそうだな、という印象でしたね。

盛
そうなんですね、ありがとうございます。
（買い取っていただいた）もう一方の、クレジットカードの比較サイトについてはいかがでしたか？

篠
クレジットカードの比較サイトは、ウェブサイトの集客が大事です。そして、当社では１から作った既存のサイトの運営の中で、日々集客を上げるためのABテストなどをしてきていました。なので、（クレジットカードの比較サイトについても）集客の見通しについては計画を立てやすかったですね。

盛
なるほど。どうもありがとうございます！

では次回は、買っていただいた後のことについて詳しくお聞きしたいと思います。