2018.12.18
競合を振り切る急成長 支えたのは| Vol.114
前職でも売却を経験
島袋
今回もあしたのチーム・髙橋会長にお越しいただいています。
いや~、これまでお話を伺ってきて、すごく勉強になりますし、経営者の先生みたいな感じで、こうグサッとくるものがありました。
髙橋さんのファンがいるのがわかりますよね。
では、今回まず一つ目にお聞きしたいことは前職の時のことなんですが、ジュエリーのプリモ・ジャパンでは、29歳で副社長になられたということでしたが。
髙橋
はい、それから34歳になるまでですね。
島袋
たしか、プリモ・ジャパンさんはゴールドマン・サックスさんに買われたんですよね。その時のはどんな感じだったんでしょうか。
髙橋
ゴールドマンへ70%ぐらい売却しましたね。このとき、ものすごい高次元の融合があったと思っています。
ジュエリーの小売の会社はほとんどが同族で、コンサルティング会社の経営手法ですとか、MBA・経営学的な発想はないんです。
一方で、ゴールドマン・サックス社の戦略投資部の人たちは、直前にマッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループで働いていたり、ハーバード(大学出身)で金融機関にいたとか、そういう人たちばかりです。
こういう人たちに経営会議に入ってもらえるというのは、通常であれば数億円払わなければいけないような経営コンサルを、無料で受けているようなものです。
KPI・KGIという経営の指標の切り方だったり、デイリーでその数字を追っかけていくやり方が入ってきて、一気にものすごく筋肉質になっていきました。
それで競合を瞬く間に振り切って、100億円を超えたのも早かったです。今では200億円を超えてますけどね。償却前営業利益が40億とかです。わずか20年足らずで、宝飾小売業でここまで伸びた会社はないですよね。
オールドエコノミー に、 コンサルティングというか、頭脳集団が掛け合わさって、いい融合が起きたんです。そういう経験があるので、今回ベクトル社と手を組んだところはありますね。
ベクトルとも、高次元の融合ができてきた
髙橋
ベクトル社もBtoBに根を詰めて25年やってこられていますし、120社の投資先についても、当然ながらいろいろな知見を持たれてらっしゃいますから。
最新のPR技術だけではなく、様々な経営手法・人脈が高次元で融合していって、数ヶ月で成果として表れて来ています。
島袋
もう(成果が)出ているんですね。
髙橋
出てきていますね。
商店とまで言わないですが、ここまで10年、自分が創業オーナー社長でやってきていると、色がつくんですよね。創業者がいる会社は「創業者の匂いがする」とよく言われます。
それがいい匂いなのか臭い匂いなのかは別としても、(創業者の色が薄まっていくことで)発展性がある形になっていけるんじゃないかなと思います。
創業者の想い、事業としてのフィロソフィーは、創業者がいなくなっても数年間流れますしね。
CVO(チーフ・ビジョナリー・オフィサー)としての創業者の力と、ゴールドマンサックスと、私も含めた経営陣、この三権分立が早々と実現したからこそ、今のプリモ・ジャパンの経営の数字があるんじゃないかと思います。
「起業」をしたかった
島袋
なぜ、そんなプリモ・ジャパンを辞められたんでしょうか?
髙橋
そこはですね、1株も持っていなかったんですよ。
2008年の4月、監査役会を取りやめて、IPOイグジットのストーリーからファンド・トゥ・ファンドの売却に舵を切ったんですが、ブライダル系の上場事業会社に株式が移動したら、私は副社長から、課長になるわけですよね。会社がいち事業部になって、上司の社長は部長になるわけですから。
その時はギリギリ30代前半のタイミングで、周りにはITベンチャーを起業されて、名だたる上場企業の経営者となった、歳が前後ぐらいの人たちがいました。
この人たちと自分の違いは、やっぱり100%オーナーで起業しているかどうかだなと、考えが研ぎ澄まされました。
実は事業は後から考えました。まずは起業する、まずは走り始める、借金して人を雇って、逃げ場を作らない。これが成功への第1歩だと思います。——失敗の第1歩でもありますけど——リスクをとらないとリターンはないですから。
島袋
名言が出過ぎちゃって、なんか追いつきません。(笑)
ぜひ、今度M&Aサミットに来ていただきたいんですが…
髙橋
日程が合えば、ぜひよろしくお願いします。
島袋
まだまだたくさんお聞きしたいんですが、そうすると2ヶ月ぐらいずっと髙橋さんの動画になってしまいそうなので、髙橋さんの回はこれで終わりになります。
髙橋さん、どうもありがとうございました!
■髙橋恭介:株式会社あしたのチーム-代表取締役会長
興銀リース株式会社で2年従事したのち、設立間もなかったプリモ・ジャパンに入社。取締役副社長としてブライダルジュエリー業界シェアNo.1へと導き、人事にも深く関わる。2008年に株式会社あしたのチームを設立し、代表取締役社長に就任。2018年6月から現職。
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。尊敬するじげん社に倣い、「事業家集団IdeaLink」を目指す。
【株式会社あしたのチームのM&A概要】
より盤石でダイナミックな経営を可能にするために子会社化を検討。多数の買い手候補との交渉を経て、2018年7月、2015年から3%弱の出資を行っていたベクトル社へ株式の54%を売却し、子会社化。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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