2019.01.19
起業家にとっての、売却後の子会社経営| Vol.125
恋愛は経営ほど甘くない
島袋
今回も株式会社Candle の金社長に来ていただいています。よろしくお願いします!
ところで金さん、彼女はいらっしゃるんですか?
金
いないんですよね。世の中甘くないなと。
島袋
えっ!?マジですか!?
金
ガチです。「どうせ彼女作る気ないんでしょ?」って100万人ぐらいに言われましたけど、ゴリゴリあります。でも付き合えていないのが現状です。
僕の理想がもっと低かったらいけると思いますけど、僕の理想も一定はあるという上で、そういう人と付き合えていない現状なので…
島袋
なるほど!狙っているところのハードルが高いという事ですね?
金
それも多少はあると思いますが、結果付き合えていない事実があるので、世の中、経営ができても他(恋愛)がうまくいくかはわからないですね。
島袋
そうなんですね。でしたら、この間M&A BANKに出演していただいた長谷川さんをご紹介します。女子アナを紹介していただけるらしいので。
金
アザっす。(笑)
子会社になってもモチベーションが変わらない理由
島袋
ではM&Aの話なんですが、2年前クルーズさんに100%株式を売却されてからも会社に残られていますよね。
今のモチベーションは起業当初とはまた違ってきていそうな気がしますが、実際どうでしょうか。
金
基本的にクルーズは今、「永久進化構想」という方向性でやっているんですよ。
「子会社も自分たちが起業して事業をやっていたときと変わらない形で自由に運営しよう」「僕らはただのプラットフォームで、全体の経済をよくするために頑張るポジションだ」ということになっていて、基本は自由意志決定でいいし、他の子会社との連携も必須じゃない。
インセンティブ設計もあって、これが具体的には言えないんですが、子会社レベルでは日本トップクラスだと思うんですよ。起業しているのと変わらないレベルでできるモチベーション設計にしてくれているのがかなりでかいです。
オフィスも別だし、意思決定で遮られることもないので、起業前とあんまり変わりません。
島袋
いいな~!クルーズさん、オシャレだし。
金
「信頼だけはしているよ」「各所の目標だけは最初に握ったら、向かい方は任せるよ」というスタンスで、達成したらもちろんインセンティブもある設計になっているので、いいっすね。
島袋
それこそM&Aが初めてで、買収後ガチガチに(拘束)する会社も見てきているので、クルーズさんの感じはめちゃくちゃ良さそうですね。
金
これはポジショントークじゃなくて、本当に小渕社長の懐が異常なんですよ。
こんな話をしていいのかわからないですけど、キュレーションメディアのアルゴリズム変動とかで6割ぐらい売り上げが一気に下がったことがあったんです。
いろいろ頑張って回復はしたんですけど、売った直後だったので、普通は「えっ!?」ってなりますよね。
いろいろと対策を打ってまとまってきた頃、社長から電話がかかってきて、「オフィスの近くにいるから行ってもいい?」って言われたんです。
今回のことを報告するんだろうなと思って資料を作っていたんですが、「いいよ!すぐに帰るから」とおっしゃって、会議室に座って、「1つだけ言いに来たんだけど、全然気にしなくていいからね」って…
島袋
カッコいい……
金
「メディアを買ったんじゃなくて、金くんたちと仕事をしたくて買ったから。いろいろ問題もあるし、改善しなきゃいけないところもあるけど、気にしなくていいよ。じゃ!」って。
島袋
かっちょイイなマジで…。すごい。
ヘタしたら、「金どうなってるの?」「金どうなってるの?」「どうなってるの?」って言いそうなところですけどね。カッチョいいなあ~~!
また小渕さんに会う機会があったらぜひ、M&A BANKに出演していただけないか、ちょろっと聞いていただけると…
金
聞いてみます。
「成功する買い手」の懐は、すごい
島袋
今回このお話を聞いてもう確信しましたけど、M&Aの買い手さんで重要なのって、「懐力」ですね。実際に懐に入っているお財布の懐力と、心の懐力。
……けっこういいこと言ったでしょ?
金
完全にいいこと言ってます。
島袋
これけっこう重要ですよね。
シェアリングテクノロジーの引字さん、ベクトルの西江さん、クルーズの小渕さん、アドウェイズの岡村さん、インタースペースの河端さんも、懐力めちゃめちゃあるんですよね。
M&Aは買ってみないと正直わからないところも多いんですけど、わからないなりに、「君に任せた!」みたいな感じで思い切って買っているところが、だいたい成功されてますよね。
金
本当にそう思います。
本当に、みんなが小渕さんを好きになる気持ちがわかりますよ。
島袋
めちゃめちゃ男前ですよね。小渕さんに会ってみたいなぁ…
ぜひアプローチお願いします。
金
言ってみます。
島袋
それでは金さん、今回はどうもありがとうございました!
ではみなさん、またM&A BANKでお会いしましょう。
■金 靖征(Yasuyuki Kin):株式会社Candle-代表取締役
東京大学の起業家サークル”TNK”9期生。3年次の2014年、二十歳で株式会社Candleを創業。アプリ開発、キュレーションメディアの運営を経て、女性向けメディア「MARBLE」で躍進。2016年10月に全株式を売却し、クルーズ株式会社の子会社となる。
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
26歳だった2008年にインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2014年にIPO準備に取り掛かるも、のちに断念。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。「事業は創って売る」がモットー。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
【株式会社CandleのM&A概要】
当初はM&Aの提案は断っていたが、クルーズ株式会社の環境(裁量権・リソース)に魅力を感じ、売却を決断。2017年5月にはグループにおける新規事業創出企業として位置付けられる。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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