2021.11.12
M&A後も一緒に働くお二人を直撃【アガルート岩崎氏・ファンオブライフ佐久間氏】|Vol.548-550
今回のゲストは、M&A後に互いの会社の取締役にもなり、ともに経営を続けるお二人。
売り手の希望価格と買い手の買収基準のすり合わせは? M&A直後のコロナの打撃を、実際どう受け止めているのか?
聞きにくいですが、聞いちゃいました。
ゲスト■岩崎 北斗氏 株式会社アガルート代表取締役・株式会社ファンオブライフ代表取締役
1984年、東京生まれ。2007年、早稲田大学法学部を卒業後、慶應義塾大学法科大学院既修者コースを修了。2009年、司法試験1回目の受験にて総合57位で合格。その後は5年間、大手資格試験予備校の人気講師として活躍するとともに、事業部の予算策定から講座の企画・立案、営業・マーケティングまでを幅広く手がける。2013年12月、現在の株式会社アガルートを設立。2015年1月、資格試験予備校『アガルートアカデミー』を開校する。好きなマンガは『キングダム』。
■佐久間 健光氏 株式会社ファンオブライフ代表取締役・株式会社アガルート取締役
新卒でリクルートに入社。タウンワークの営業、ゼクシィの営業・商品企画、スタディサプリの事業開発に従事。退職後、教育領域専門の転職サイトを運営するファンオブライフを創業。オンライン資格スクールを運営するアガルートに同社を売却。その後も経営を続ける。 YouTubeチャンネル:教育業界専門の転職エージェント「Education Career」
聞き手■冨岡 大悟 M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士
KPMG/あずさ監査法人のIPO部、フロンティア・マネジメント株式会社でのM&Aアドバイザー業務を経て、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後にTOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IdeaLink株式会社のCFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員も務める。Twitter
【レアなキャリア】M&A経験多数!資格試験予備校の人気講師だった岩崎氏の経営観|Vol.548
アガルート岩崎社長登場!
司法試験に合格した経営者
大手資格予備校で約5年講師を務めた後に独立
オンライン講義中心の資格試験予備校「アガルートアカデミー」開設
AI・データサイエンスなどの資格も取り扱う
M&Aにより人材/SES事業も展開
「教育」を軸に周辺のビジネスを買収
「教育」と相性の良い「人材」事業 およびシナジーを発揮できるSES/Web事業を買収
自社HPでもソーシング!
仲介会社・プラットフォーム活用に加え、自社HPで提携先を募集して M&A推進中
【IPO?M&A?】今後の目標は?
高みを目指すための独立資本(+デット)経営
現状の戦略で目指せるIPO後の時価総額は数百億規模
スモールIPOは目指さないのでベンチャーキャピタルは不要
自然と 独立資本+デットでやっていく流れになっている
IPOを目指さないなら、今の目標は?
上場しない以上いつかは事業承継することにはなる
目下の目標は3年後のグループ売上高100億円
日本でもEdTech業界が高く評価されるようになればIPOを狙うかも?
▶動画はこちら◀
【M&A交渉】今も一緒に働く売り手と買い手に交渉当時の話を聞いてみた|Vol.549
買い手と売り手、夢の共演
売り手:株式会社FUN OF LIFE
2015年創業、教育業界専門の転職エージェント「Education Career」を運営
学習塾やオンラインスクールに人材を紹介
2020年2月 株式売却でアガルート社にグループイン
伸びしろを求めて 売却を検討
自社の事業だけでは伸びしろが大きくないため、成長促進と事業拡大を目的に 売却を検討していた
資産形成手段としての売却
事業視点だけでなく 経営者個人の合理的な資産形成手段としても売却を検討
高額売却成立の裏側
信頼関係を築くアーンアウト条件
「売上」基準にすることで アーンアウト妨害防止
買い手側が妨害できない「売上」をアーンアウト条件に設定
同じ目標に向かう仲間として信頼関係を構築できる形にした
買収資金は○○銀行から調達!
恩人「東日本銀行」
半分は自己資金、半分はM&A資金として銀行から借り入れた
会社規模がまだ大きくなかったので何行かには断られたが、東日本銀行は1~2週間でリスクをとる決断をしてくれた
▶動画はこちら◀
【これはすごい】M&A後も一緒に働く全買い手売り手に見てほしい回|Vol.550
アーンアウト未達!?買い手の本音は?
週一の会議で状況はわかっていたので…
役員間の綿密なミーティングで 子会社の状況を把握しており、未達もやむをえないとの受け止めだった
未達の売り手を詰める買い手が多い中、コロナ禍の難局でもワンチームで事業に向き合えた稀有な例
アーンアウト未達、創業者のモチベーションは?
もともと事業を伸ばすための売却だった
売却益によって生活が一変したわけでもないので、今も事業の楽しさがモチベーションになっている
M&A後の売り手と買い手の距離感
フラットに協議できる良き相談相手
買い手は社内にはいない対等な関係の相談相手としてありがたい存在
親会社の立場を利用して強権をふるわれることもない理想的な状態
子会社社長が得意分野でグループ経営に寄与
親会社の取締役にもなって、教育やM&Aなど自身の強みを活かせる分野でグループ経営に寄与
親会社は今後の買収先の社長としての活躍も期待している
売り手社長、今後も残る? それとも…
より納得感のあるインセンティブ設計に
アーンアウト後はグループの業績への貢献を期待している
お互いの意向をすり合わせたうえで、実情に適した対価となるようにインセンティブを再設計する予定
優秀な経営者に 適切なインセンティブを
残ってもらうためには「居続けるメリット」が必要
インセンティブ設計は親会社役員が 常に考えるべきポイント
▶動画はこちら◀
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