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2018.03.02

#2 弟子が師匠を超えた?日本カーブスがアメリカ本家カーブスを買収 (後編)

冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

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日本の「カーブス」、米国の本家「カーブス」を買収し子会社に

女性専用フィットネスジム「カーブス(CURVES)」を日本でフランチャイズ展開しているカーブスホールディングスが、カーブスの本部である米国のカーブスインターナショナルホールディングス(以下、CVI)と、関連会社であるフィットネス機器販売のカーブスフォーウーメンが発行している株の全てを3月31日付で取得し、子会社化する。カーブスHDはこれまで日本国内での独占展開契約をCVIと結び、売り上げに連動したロイヤルティーを支払ってきた。フランチャイズの“元締め”を子会社化することで、ロイヤルティーによる出費がなくなる他、海外店舗の管理も行うことができる。CVIは1992年に米国テキサス州で創業し、女性が気軽に通えるフィットネスクラブ「カーブス」を運営してきた。マスターライセンス方式で世界にも進出し、07年には北米で7000店舗、全世界で1万店舗を構えるまで成長したが、08年のリーマン・ショックの影響で北米や欧州、オセアニア地区での業績が悪化。12年からは米国の投資ファンドであるノースキャッスルパートナーズ(以下、NCP)が資本参加を行ってきたが、NCPがCVI事業からの撤退を表明したため、日本でフランチャイズ契約を結んでいたカーブスHDが名乗りを上げた。買収額は合計1億7200万米ドル(183億8336万円)の見込み。

カーブスHDは国内で、直営およびフランチャイズの1860店舗を展開している(18年1月末現在)。減量を目的とした本国のメソッドとは異なる、手軽に参加できる運動プログラムを用意して、“フィットネスのライト層”を取り込んできた。これまでは新たな取り組みを行う際に米国の許可が必要になるなどの制約があったが、世界のカーブス事業のトップに立つことで自由度が増すため、よりよいサービスをスピーディーに提供することができる。また、今後は日本で成功を収めている独自ノウハウを海外店舗の運営にも生かし、ロイヤルティー収益の成長を目指す。

記事引用元:https://www.wwdjapan.com/568650

フランチャイジーがフランチャイザーを飲み込むM&A

フランチャイズ本部やライセンサーのM&Aについて、前号ではカーブスを展開する米国フランチャイズ本部を日本でカーブスを運営するコシダカホールディングスが買収したというニュースを取り上げました。

そこで、今回はニュース解説ではなく、どういった理由からこのようなフランチャイジーがフランチャイザーを飲み込むようなM&Aが検討されるのかをもうちょい深ぼって考えてみたいと思います。

早速ですが、一般的なM&Aのメリットに加えて、大きく4つの特徴があります。

フランチャイズ本部買収の魅力

  1. すでにめっちゃ詳しい
    当然ですが、フランチャイジーとしてビジネスを運営してきているわけですからそのビジネスにめっちゃ詳しいです。これは競合事業を買うとかのレベルではありません。同じ事業であっても違う会社であれば経営方針やオペレーションは異なりますが、フランチャイズであればほとんど共通です。通常のM&Aは膨大な不明点がある中で実行の意思決定をする必要がありますが、フランチャイズに関しては不明点がかなり絞られます。そのため、狙い通りの効果を実現しやすいと考えられます。
  2. 本当の自由
    一般的に、フランチャイズ加盟者はフランチャイズ本部から独立した存在ではあるものの、実態としてはフランチャイズビジネスではその同質性を保つために多くの制約があります。これは売っちゃいけない、ロゴはこうじゃなきゃいけない、などなど。
    ですが本部を買収することで、このような制約なしにやりたい放題経営できます。
  3. ロイヤリティ費用削減、というかロイヤリティ収益増加
    フランチャイジーは固定金額や売上高の何%といった形で本部にロイヤリティを払います。もちろんこれは経営指導料等の対価なのですが、軌道に乗ってきたフランチャイジーからすると「ぶっちゃけ無駄じゃね?」みたいな空気になることはよくあります。
    この点、本部を買収することでこのロイヤリティは払おうが払うまいが自分たちのものになります。また、自社以外にもフランチャイジーが多数いることを考えれば、ここから得られるロイヤリティも自分たちのものとすることができます。もちろん本部が赤字垂れ流し続けるようでしたらその赤字部分も当然買収者が負担することになります。
  4. ハシゴ外しの恐怖からの解放
    最後ですが、これがもっとも重要です。フランチャイジーとしてビジネスが軌道に乗ったとしても、本部の意向次第で経営環境は大きく左右されます。ロイヤリティ料率などの契約条件の変更要請や、近隣への別店舗出店など。
    そしてフランチャイズというか、ライセンシービジネスをやってる会社にとってもっとも恐ろしいことが、ライセンス契約の終了です。ライセンスに基づく商品・サービスを主力としている場合はその影響は計り知れません。有名な事例としては、英国バーバリーのライセンスを受けて日本でバーバリー商品を展開していた三陽商会が、ライセンス打ち切りを契機に大きく業績を落としました。
    なので本部を買収することで、ようやくこのような恐怖から解放されます。ちなみにライセンスを打ち切られた場合の戦略も一応あるのですが、よりマニアックになってきますので興味があれば質問ください。

いかがでしたでしょうか。めちゃくちゃマニアックなトピックでしたが、興味があればフランチャイズ本部によるフランチャイジーの買収のケースなども解説したいと思います。興味ないと思いますが笑

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冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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