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2019.02.01

#60 パーソルによるBizer買収から垣間見える起業のリアル

冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

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パーソルプロセス&テクノロジー Bizer株式会社の全株式取得に関するお知らせ
総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(東京都江東区、代表取締役社長:横道 浩一、以下パーソルP&T)はビジネス支援クラウドサービス「Bizer」および「Bizer team」を開発・提供するBizer株式会社(東京都千代田区、代表取締役:畠山 友一)の全株式を取得し、子会社化したことをお知らせいたします。……
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000117.000014515.html

1月23日、パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社はBizer株式会社の全株式を取得し、完全子会社化したことを公表しました。
これはM&A BANKで絶対に取り上げなくてはいけないと思いましたので、今回記事にしました。

Bizerの売却

Bizer(バイザー)は主に二つのサービスを運営しており、定額で士業など専門家のサービスを利用できる「Bizer」、チームでの業務効率化を実現するタスク管理ツール「Bizer team」があります。
このうち「Bizer」は普段から利用しており、起業して法人設立する際の事務手続もBizerを経由して司法書士の先生にお願いしました。とても便利なサービスです。
ちなみに、筆者は会社設立はもちろん、申告書作成業務なども自分ではやらず、全て税理士などの専門家にお願いしています。「公認会計士なんだから自分でできるだろう」とよく言われます。
確かに頑張ればできるのかもしれませんが、経験豊富な方が行う10倍くらいは時間がかかりそうですし、そもそも事務処理能力が高くないのでそのような業務はむいていません。なので今後もやらないでしょう。

脱線しましたが、Bizerはそんなサービスです。
そしてパーソルへの売却公表の数日後、Bizerの畠山社長が起業から売却までの経緯をnoteで書いています。ちょっと長いですがぜひ読んでみてください。

起業して約5年で株式譲渡するまでを一気に振り返ってみました

いかがでしょうか。僕は読みながら泣きそうになりました笑
お会いしたことはありませんが畠山社長の実直な性格が伝わってきます。

会社を経営したことがある方など特にぐっとくるものがあるのではないでしょうか。
ここに書かなかったしんどい話はたくさんあったと思います。それでも文脈から、行間から、文章全体からその苦労が滲み出ています。
起業して、サービスを生み出して、人を雇い組織を作り、資金調達を行い、そして売却に至るまでどれだけの山と谷を越えてきたのか。

M&A BANKでは動画を配信しており、売却に成功した起業家を中心に多くの経営者に出演していただいています。
M&Aというとどうしても小難しい話になりがちなところを、とっつきやすいようになるべくフランクなコンテンツになるように心がけています。
しかし、だからといって「事業を立ち上げて売却することは簡単だからみんなやった方がいいよ」、と言うつもりは全くありません。まあ簡単にやってのける起業家も中にはいますが笑
多くの場合は、畠山社長と同じように様々な困難を乗り越え、M&Aに至ります。このnoteは改めてそのことを思い出させてくれました。

シナジーの検証方法

さて、これだけだとただの読書感想文になってしまうので、少しM&A実務に関連するところを書きます。

上記noteの中にはこんな一文があります。
「1ヶ月くらい試しに「~Bizer team」を売ってみて、どれくらい売れるのか検証する~」
これはM&Aを実行する前に、パーソルで試しにBizerのサービスを販売代理店のような形で売ってみることになった場面の一文です。
さらっと書いてありますが、ここはM&Aでは相当重要で論点が盛りだくさんな箇所です。

買い手が大企業の場合など、買収後の事業計画達成可能性を相当慎重に考えるケースがあります。「自分たちが買収対象会社のサービスの営業をすれば売れると思うけど、やってみないとわからない、だからM&Aに踏み切れない。」このようなケースは本当に多いです。
そこで解決策の一つとして、今回のようなテストマーケティングが実施されるのです。一定期間にある程度の効果検証を行い、想定通りに売れることがわかればM&Aを実行するという事です。

肌感としてはM&A実行前にこのような手法を取るケースは増えてきていると感じており、うまくやれば買い手にとっても売り手にとっても有効な打ち手になります。
一方で、どのような検証方法を取るのかなど、設計を間違えると誰も得しないような残念な結果になるケースもあり、実施するかは慎重に判断した方がいいだろうと思っています。

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冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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