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#71 半沢直樹に学ぶM&A Part2 : 買収資金 | M&A BANK

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2020.08.31

#71 半沢直樹に学ぶM&A Part2 : 買収資金

冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

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前回プレミアム記事で半澤直樹の話題に触れましたが、今回も関連論点についてです。

 

 目次 

敵対的TOB
買収資金
現実的な対応

 

敵対的TOB

ドラマでは4話までが半沢直樹が証券会社に出向している間の話で、そのテーマがまさにM&Aでした。
この中で、電脳雑技集団がスパイラルに対し敵対的TOBを仕掛けました。
TOBとは、不特定多数の株主に対して金額、数量、期間などを明示し、株式の買付を行うことをいいます。
敵対的TOBとは、買収対象企業の経営陣(取締役会)の同意を得ないTOBのことをいいます。

一般によく誤解されがちなポイントとしては、経営陣の同意を得ていないから敵対的という表現なのであって、会社の所有者たる株主に敵対的という意味ではないということです。
なので、客観的にみればTOBの内容が合理的で実行された方がいいものであっても、経営陣の保身のために反対され、結果として敵対的TOBとなっているようにみえるケースもあります。

ドラマ内で行われたM&Aの一連の流れの解説などは他に記事などたくさんありそうなので、今回はマニアックな論点を一つとりあげたいと思います。

 

買収資金

電脳雑技集団の敵対的TOBは融資で資金調達予定でしたが、買収資金の確保ができなくなったため失敗に終わりました。
敵対的TOBを仕掛けた背景としては自社が行ってきた粉飾決算の隠蔽工作が大きな理由の一つにありました。
半沢直樹の活躍により電脳雑技集団の粉飾が明るみになり、銀行が融資を実行直前にストップできたためことなきを得ました。
これは例外的なパターンですが、実際のM&Aで買収資金の確保が問題になるケースが多々あります。

LBOのようなローン前提のM&Aスキームに限らず、買収資金を新規融資に依存して計画しているケースはよくあります。
予定通り融資が実行されればいいのですが、必ずしもそうではありません。
融資が順調にいかない理由としては、財務基盤、キャッシュフローとその安定性などを多角的に評価される結果なので、ケースバイケースです。
また、なぜか融資は出資と違って税理士などのアドバイザーが誰であっても同じ結果になるように誤解をしている経営者が多いですが、アドバイザーの能力によってその結果は大きく異なります。いつも税務相談にのってもらっているからというノリで顧問税理士に依頼するのはやめましょう。融資に強い専門家のサポートは必須です。
買い手目線での融資を含むストラクチャーの設計は複雑な話になってきますので、今回は割愛します。

 

買収資金確保で問題になりやすいタイミング

買収資金確保で問題になりやすいタイミングを二つ、売り手目線で紹介します。
まずは、複数社が初期的関心を示している段階で、買い手から買収資金を融資に依存していると伝えられるケース。
この段階で買収者の実行可能性に疑念をもてる売り手は比較的リテラシーが高いです。
たとえ魅力的な買収意向表明をもらったとしても、買収資金の確保に不安があるようであれば売り手としてはここと買収交渉を本格化していいか迷います。

二つ目は、基本合意、DDと買い手と売り手の交渉はスムーズに進んでいても、買収資金の確保が完了しておらず、最終段階で融資が降りないケースです。
買い手に悪意はないケースもありますが、最悪の場合売り手としては成約直近だと思っていたものが再び買い手探しを行わなければならなくなります。
そうでなくても、買い手から資金確保のために交渉期間を延長してほしいと打診を受け、売却プロセスがずるずると長引くことがあります。

 

現実的な対応

ではどう対応すべきか。
まずは、買収資金の確保が本当にできるのか確認することです。
どこの銀行から借りるのか、どんな条件なのか、どこまで話は進んでいるのか、スケジュールはどうなっているのかなどです。
この辺の回答が曖昧な場合、より注意した方がいいです。

次に、可能であれば複数の買い手と交渉することです。
交渉相手が1社のみであれば、相手の都合に合わせなければならず交渉力が弱まります。
その場合、例えば銀行との調整に時間がかかっているという理由で交渉期間を引き伸ばされる可能性があります。
そのため、複数の相手と交渉することで、このような買い手にも売り手のペースで対応してもらえるようになります。
仮に独占交渉権を与えていた場合であっても、その期間を適切に設定していれば、交渉期間を引き伸ばそうとしたとしても独占交渉期間を過ぎれば他社と交渉を開始できます。

ちなみに、TOBを行う時には公開買付届出書と書類を作成、開示する必要があるのですが、ここでも買収資金をどうやって確保するのかは開示する必要があります。
下記はシティインデックスイレブンスによる東芝機械に対するTOBの届出書です。

 

株式会社シティインデックスイレブンス 公開買付届出書

ということで、半沢直樹に学ぶM&Aはいかがだったでしょうか。
シリーズものにしていこうと思ったのでPart2としていますが、反応が悪ければ今回が最終回となります笑

 

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冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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