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#72 ドンキ前社長インサイダー取引疑惑 ―M&Aに関わるなら絶対に知っておくべきこと | M&A BANK

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2020.10.30

#72 ドンキ前社長インサイダー取引疑惑 ―M&Aに関わるなら絶対に知っておくべきこと

冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

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久しぶりの大物インサイダー取引案件

10月29日、ドンキホーテ前社長のインサイダー取引疑惑について証券等監視委員会が強制調査を行っていることが明らかになりました。

ドンキ前社長、株購入不正に推奨か ユニーTOB公表前
(日本経済新聞2020/10/29より)

インサイダー取引は後を立ちませんが、これはその中でもビックニュースです。

記事によれば、2018年に行われたファミリーマートによるTOBの公表前に、ドンキ前社長は知人にドンキ株の購入を勧め、この知人は実際に購入していたそうです。

前社長と言ってる時点で特定できるのに記事では実名出てこないのですが、とりあえず前社長で通します。

 

 目次 

インサイダー取引とは
本件は実際どうだったのか
本当にバレるのか?

 

インサイダー取引とは

さて、インサイダー取引というと何となくイメージある人もいると思いますが、はっきりした定義がわかる人はそういないと思っています。
そこで、今回のニュースを使って説明します。

インサイダー取引とはなんぞや、ということは日本取引所グループのホームページに載っています。

「インサイダー取引とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社株等を売買することで、自己の利益を図ろうとするものです。」
インサイダー取引解説ページより

これだとわかりにくいと思うので、①誰が、②いつ、③何を、と分けて考えると覚えやすいです。

そしてこの形にすると、以下のようになります。

①会社関係者・情報受領者が
重要事実の発生後、公表前に
③重要事実を知りながら、特定有価証券等の売買等を行うこと

 

それぞれ補足します。

①会社関係者・情報受領者
会社の役職員はもちろん、彼らから情報を受けた者も含まれます。

②重要事実の発生後、公表前に
重要事実とは、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす情報で、新株の発行や業績に関する情報が含まれます。

③重要事実を知りながら、特定有価証券等の売買等を行うこと
自分で買わなかったとしても、相手方に利益を得させる目的で公表前に取引を推奨することも禁じられています。

 

本件は実際どうだったのか

ここでようやく今回のニュースに戻り、当てはめてみます。

①会社関係者・情報受領者
社長だから当然該当します。

②重要事実の発生後、公表前
TOBはM&Aの一種ですから重要事実に該当し、TOB実施前に株式を購入しているため該当します。

 ③重要事実を知りながら、特定有価証券等の売買等を行う
本人ではないものの、元社長から話を聞いた知人ということで上記の通りこれに該当します。

ということで、このニュースが本当ならば、これはインサイダー取引に該当すると考えられますね。

元社長が悪意があったのかはわかりませんが、下記インタビュー回答を見る限りかなり脇は甘かったというか、上場会社経営者としての自覚がないと言わざるを得ません。

「(情報伝達と取引推奨を禁じた)法律ができたなんて全く周知されていない。」

「(知人とは)18年8月16日に会食した。(同月10日の)決算発表後、材料出尽くしのために株価が下落した。なぜ下がるのだ、という思いがあり、知人に『うちの株は割安だと思うよ』という趣旨のことを言ったかもしれない。正確には覚えていないが」

ドンキ前社長、株購入不正に推奨か ユニーTOB公表前

 

本当にバレるのか?

さて気になるのが、本当にインサイダー取引がバレるのか、という点だと思います。
悪いことだとはわかっていても、バレない可能性あるならチャレンジする価値あるのでは、と考える人がいてもおかしくありません。
実際、いつまでたっても摘発される人は後を経ちません。
結論としては、99%以上バレるのでやめましょう、ということです。

勘違いしている人がいますが、税務調査のように所得が小さければ調査対象になりにくいなどはないです。サンプル調査ではないです。
システム上で全ての重要事実発生前後の取引について、いつ・誰が取引をしたかトレースしており、独自のアルゴリズムにより異常値にアラートを出す仕組みになっており、ここまでは人手は必要ありません。
そして、アラートが出た取引について、取引当事者と発行体との関係を割り出します。

10年くらい前の話ですが、「数万円の不当利得でさえ見逃しませんよ」と笑顔で語っていた金融庁の方が忘れられません。

そして、近年M&A絡みのインサイダー取引が増加しているといいます。
買い手、売り手、その関係者、今回書いた通り多くの人が規制対象になるため、M&Aに少しでも関わるならばインサイダー取引には細心の注意を払うことをお勧めします。

 

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冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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