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2018.07.14

発信すれば、必ず誰かが見ている|元ファーストリテイリング執行役員CFO 吉高信氏コラム

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ファーストリテイリングやLIXILグループにてグローバルM&Aを担当したほか、数々の外資系製造業、消費財企業、東証一部上場企業のCFOを歴任し、今はグロービス経営大学院にて教鞭をとる吉高信氏。
先日のサミットにも登壇いただいた同氏に行った番外インタビューの書き起こし、ベンチャー企業経営者も必見です。

――まずは吉高さんのキャリアをざっくりお伺いできればと思います。海外の大学にも行ってらっしゃいましたよね?

吉高
ええ、日本の大学は早稲田を出まして、新卒でJALに入って、16年ぐらい勤めました。
JAL在職中に、ペンシルバニアにあるウォートンスクールでMBAをとらせていただいて、取得から5年くらい経った時にインタビュー(面接)を受けまして。GE、ケロッグ、LVMHといった外資企業でキャリアを積みました。
大きな転機になったのは、産業再生機構傘下のカネボウで、化粧品じゃないほうのユニットの粉飾決算の後始末をやったことですね。その後、ファーストリテイリングのグループCFOをやりました。
そのあとはLIXILグループに入りまして、そこで一昨年まで約7年間、主にM&Aをやってきたというのが、非常にざっくりとですが私のキャリアです。

買収する企業をどうやって見つけ出すのか

――大手企業がベンチャー企業を買う場合は、大手企業にないもの、例えば特許やサービス、技術力があるから買われるのだと思いますが、そういった情報はどこから吸い上げているんでしょうか?

吉高
情報はいくらでもありますよ。社内に事業開発とかそういうセクションありますから、そこにいくらでも情報がきます。

――「買ってください」というような。

吉高
島袋さん(聞き手IdeaLink社代表)も会社としていろんなところにエクスポーズしていますよね。そうすると、島袋さんの会社の情報っていろんなネットワークで飛び交うわけですよ。「この会社は面白い」とかね。
で、そういう情報は、大企業の社内のある部署に全部入ってくるんですよ。だって、中途採用でそういう人を採ってますからね。情報コミュニティの中のオタクみたいな方々を採ると、情報が入ってくるわけです。

どうすれば海外の企業に興味を持ってもらえるか

――国境を越えたら違う世界が見えるんじゃないかと考えて「海外に売りたい」と思ったときには、どうすればいいんでしょうか?

吉高
海外企業が日本発のベンチャーを買いに行くとしたら、日本市場が有望かということと、買える会社の、要するに自社のものになるかもしれないテリトリーが魅力的かということを考えると思います。

例えばハーバードのクレイトン・クリステンセンが18年くらい前に提唱した「イノベーションのジレンマ」という概念がありますが、あれは「大企業ができないイノベーションを持っている会社を、小さいうちに買収するのも有効な成長戦略である」とも解釈できると思うんです。要するに、自社の文化では絶対出てこないような破壊的イノベーションの種を、安いうちに取得するのがいいんじゃないか、という。

なので結局は、自社のことをしっかり分析して、今自社で持っているテクノロジーが、考えられる買い手のどこに刺さるかをよく理解しておかないといけないと思うんですよね。

――なるほど。

吉高
その点、やってらっしゃる会社(IdeaLink社)には非常にそういうところは感じるので、面白いんじゃないかと思うんですよ。

ベンチャーのバイアウトって、クレイトン・クリステンセンの理論が1番適応できるところじゃないですかね。大企業のバリューネットワークでは絶対にできないことをやるのが破壊的イノベーションだって彼は言ってるわけですから。

――それは嬉しいお言葉です。アプローチするのが日本国内の企業であれば、先ほどのベンチャーとか新規事業担当の部署があるので、そういうところにアプローチするのが1つの手だということですよね。でも海外だと、直接アプローチするのはなかなかハードルが高いように思えます。

吉高
どうですかね、今これだけグローバル化が進んでくると。
例えばティム・クックが80歳の日本のおばあさんを開発者向けイベントに直々に招待したって話題になったでしょ。そういう風に、必要なものは見つけるんですよ。草の根分けてもね。

――ではやはり、発信することが大事なんでしょうか。

吉高
発信ですよ。Facebookとか、ツイッターでもいいから、とにかく発信する。発信を続けることだと思いますね。

今ってSNSがこれだけの役割を果たしてる。政治のような世界でもトランプを始めみんな発信するじゃないですか。遅ればせながら安倍さんもしてますが。
そういう活動は、スタートアップをより激しく成長させる引き金になるんじゃないでしょうか。

――意外と、海外だからといってハードルが高いと思う必要はないんですね。

吉高
ぜんぜん必要ない。
それに日本人は非常に律儀なので、「整ってなきゃいけない」とか「こういうコンテンツがあったほうがいい」とか完璧性を求めるところがありますが、関係ないですよ。
極端に言えば1枚の写真でもいいし、インスタの動画でもいいし。嘘はだめですけどね。とにかく発信することです。YouTubeでもいいし。そしたら誰か見ますよ。最近そう思っています。

評判・業績のピークはどこか?

吉高
ただ気をつけなきゃいけないのは、「レピュテーションカーブ」ですね。
だんだん「いいじゃないいいじゃない」って評判が上がってくると思うんだけども、レピュテーションカーブって、サメのヒレみたいになるんです。どこかでがくっと落ちる。
なんらかのディザポイントメントだとか、期待値とのギャップがあった途端にぽーんと落ちるっていうことがあるかもしれないなと考えておくべきでしょうね。

ものすごくブームだったものが、いま影も形もない例ってけっこうあるじゃないですか。2、3年前はあんなに流行ってたのに、というようなもの。
やっぱりそこに気をつけるというか、1回レピュテーションが上がっても、そこに満足しないでさらに違った手を出し続けることがすごく大切じゃないかなと。

――それか、もう上がったら調子乗らないですぐ売っちゃうとかでしょうか。

吉高
そう、そこでキャッシュインしちゃう。
ただ、自分がいつキャッシュインできるか、自分のレピュテーションカーブのピークはどこなんだというところは、ものすごくよく見とかないと。

――株と一緒で、「もっと上がるんじゃないか」と思ってしまいそうです。その見極めですね。

吉高
ビットコインとかもね。そうそう、そうですね。

――でも買い手からすると、「まだまだレピュテーションカーブは先にある」という状態で買いたいですよね。その辺はどう思われますか?

吉高
買い手の大企業で新規事業をやってる人は若くて権限のある人ばっかりだけど、上に行けば行くほど頭固いですよ。だから、うまくその気にさせること。悪く言えばジジイ殺し。そういうテクニックがないと。(笑)
いま大企業で成功してる人って、話に聞くとみんなジジイ殺しらしいじゃないですか。…みんな年寄りにかわいがられてきてるわけでしょ。
そういう人間的な魅力とかで何とかできるところもあると思います。

■吉高信氏
日本航空株式会社において、財務管理、予算策定、中期経営企画等を担当後、外資系製造業、消費財企業、東証一部上場企業のCFOを歴任。直近では2009.9より2016.6迄、株式会社LIXILグループにおいてグローバルM&Aを担当し、同社事業のグローバル化を推進。

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