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交渉が成立する条件ーM&A交渉のポイント② | M&A BANK

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2020.08.06

交渉が成立する条件ーM&A交渉のポイント②

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M&A交渉を控える方のための連載の第2回では、交渉が成立する条件」を取り上げます。

交渉スキルのご紹介に入る前に、交渉が成立する条件を把握して、それが満たされるように意識していきましょう。

キーワードは「相乗効果」「優先順位」「即金」です。

この記事は、M&Aの交渉にあたり、
「不利な条件を飲まされないようにしたい」
「交渉を優位に進めるために、何に気を付けるべきか知りたい」
という方に向けてお届けする全5回の連載の第2回です。

▼予定コンテンツ▼
1. 理想的な交渉・やってはいけない交渉
2. 交渉が成立する条件
3. 交渉力・立場を強くする要因
4. 要望を通すための交渉術
5. M&A交渉の実際の手順とポイント

 

 目次 

 そもそも“成立しうる交渉”か?
 条件が一致しないのは、捉え方に違いがあるから
 合意に至る要因
 成立しうる交渉をするためのポイント

 

そもそも“成立しうる交渉”か?

この連載では望ましい結果を得るための交渉スキルについてもご紹介する予定ですが、そもそもその交渉自体が成立しうるものでなければ、スキルがあってもM&Aを実現することができません。

無駄な労力を割くことにならないように、その交渉が成立しうるものなのか、交渉が始まる前に確認を行いましょう。

確認が必要なのは「交渉が成立する条件」、つまり「売り手と買い手の希望や条件が一致する条件」ですが、
その前に、M&Aで「なぜそもそも両者の希望や条件が合わないのか」を改めて確認してみましょう。

 

条件が一致しないのは、捉え方に違いがあるから

売り手と買い手で希望や条件が一致しない理由には、以下のようなものがあります。

①立場によって利害が異なるため

売り手は高く売りたい、買い手は安く買いたい。

②持ち主は自分の持っているものを他者の何倍も高く評価するため

売り手は愛着や苦労、失うものを惜しむ気持ちから高く評価する(保有効果)が、買い手(※特に同じものをより効率よく作れる自信がある場合)は考慮しない。
買い手は類似サービスとの比較、期待できる利得から評価を考えたがる。

③リスクに関する情報量、とらえ方が異なるため

自社のサービスをよく知る売り手に対し、買い手は実感を持ちにくいことに加え、疑いの目で見る。

 

立場によって利害が異なるのは当然のことですが、その一方で成立しているM&Aもあります。
では、それらはなぜ成立に至ったのでしょうか。

 

合意に至る要因

多くのM&Aにおける最大の争点は価格ですが、価格交渉で合意に至る要因には以下のようなものがあります。

M&Aにより相乗効果(シナジー)が期待できる

売り手はかけたコストよりも高く、買い手は感じられる価値より安く売買を成立させられると満足感を得る。

相乗効果が大きいと買い手が感じる価値が大きくなり、売り手がかけてきたコストとの差額も大きくなるため、その間で決着させた場合に両者が得られる利得が増し、合意に至りやすくなる。

一方が価格にこだわりを持っていない

予算に余裕があるそれ以上に重視している条件がある等の理由で、一方が価格にこだわりを持っていないと、価格条件では合意しやすくなる。

即金での支払いが約束されている

「すぐ、確実に」得られる現金の魅力は強いため、その約束がされると金額に交渉の余地が生まれ、合意に至りやすくなる場合がある。

つまり、以下のように言い換えられます。

 

成立しうる交渉をするためのポイント

  1. 相乗効果が期待できる相手を探す
  2. 希望条件に優先順位をつけ、全体のバランスで交渉する
  3. 即金での支払いも検討する

いずれも交渉の余地を広げる効果があるため、合意に至りやすくなります。

交渉に取り掛かる前には、他にも以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

重要な利害関係者を見逃していないか

それまでの話し合いを覆しうる人物がいないか注意する。自分の側にいる場合は相手に正直に開示しておき、不安があれば事前に話をつけてから交渉を始める。

最優先の条件が重要である理由は何か

どうしてもお互いが譲れなくなった場合、重要な条件を優先しなければならない理由を確認し、他の実現方法を考えて対立の解消を目指す。

相手(個人)の立場にはどのようなインセンティブがあるか

相手にどのような動機があるのかを把握して、相手の真の狙いを理解したり、相手が喜ぶ選択肢を提示する(代わりに他の争点での譲歩を迫る)のに役立てる。

 

今回は「交渉が成立する条件」「成立する交渉にするために注意すべきこと」について取り上げました。

次回は「交渉力を強くする要因」を挙げ、弱い立場からのスタートを回避する方法について考えます。

お役に立てていただければ幸いです。

 

 

参考・おすすめ文献

藤井一郎(2011)『プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中―「決まる!」7つの交渉術』東洋経済新報社

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■安田あかね:M&A BANK編集部 ライター
大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。
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