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2018.03.13

#9 みんな大好き「キータ」運営会社、エイチームにより買収

冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

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エイチームが「Qiita」運営会社を買収

スマートフォン向けゲームアプリ事業などを手掛けるエイチームは2017年12月22日、プログラマー向け技術情報共有サービス「Qiita(キータ)」を運営するIncrementsの発行済株式を100%取得し、連結子会社化すると発表した。取得価額は14億5300万円で、2017年12月25日に株式譲渡を実施する。

エイチームのIRマネージャーは「当社の事業立ち上げノウハウと、プログラマーの間で知名度の高いQiitaのサービスを組み合わせた新事業を検討していく」と話す。同社は2018年7月期の連結業績予想について、本件による修正は無いとする。

記事引用元:http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/news/17/122202911/

エンジニアの味方、「キータ」買収!

12/22、東証一部上場のエイチームはプログラマー向け技術情報共有サービス「Qiita(キータ)」を運営するIncrementsを約14億円で買収すると公表しました。「みんな大好き」と言われても俺はそんなサービス知らんという方も多いかと思います。みんなというのはエンジニアみんなを意味してます。おそらく日本のエンジニアでキータ書いたり記事読んだことないって人いないんじゃないでしょうか。エンジニアじゃなくてもベンチャー界隈の人ならだいたい知ってると思います。僕もプログラミングの勉強始めた時にお世話になりました。

3/9日経に今回の買収について下記の記事が出てました。
「技術情報共有の「キータ」、買収受け入れ聖地守る」
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO27871830Y8A300C1XY0000?unlock=1&s=1

ユーザーが増えることで開発費やサーバー代が膨らんだことが言及されている点や、記事タイトルから、業績的に苦しくてM&Aを受け入れた的な文脈になっていますが、それは事実でしょうが本質はそうじゃないと思うんですよね。理由は以下です。

本件が良いM&Aだと思う理由

このM&Aニュースが出た時、僕は「ああよかった」と思いました。キータの業績がどうのとか買収金額がどうのとか関係なく、実は前からIncrementsはM&Aでどこかの傘下に入った方がいいんじゃないかなーと勝手に思っていました。というのは、Incrementsの経営陣は、組織経営とかお金集めよりも、ひたすら良いサービスを作ることに専念したいように思えたからです。なんでそう思ったかは正直「勘」なのですが、このタイプの会社にはいくつか共通点があると思ってます。経営者がエンジニア(もしくは職人的な人)であること、経営者自身がとにかく欲しいものを作っていること、サービスの熱烈なファンがいること、その割に売上や利益があまり上がっていないこと、などです。
キータはこれに当てはまると思うんですよね。こんなに全国的に有名なサービスで売上約90百万円ですし。なので今回東証一部上場企業という大きな組織の傘下に入ることで、自分たちのやりたいことに専念できるということがM&Aの一番の狙いではないでしょうか。

じゃあエイチーム目線でこのM&Aはどうだったかというと、正直よくわかりません。ただ売上90百万で営業利益約△80百万の企業を約14億で買収なんて高すぎる、という単純な意見には反対です。いけてるベンチャーであっても赤字の企業なんてザラですし、事業の魅力やポテンシャルが会計上の数値に表現されないケースは多々あります。
知名度でいえば、エンジニアでエイチームを知らない人はたくさんいると思いますが、キータを知らない人はほとんどいないと思います。そしてユーザー数の多さのみならず、多くのエンジニアがポジティブな印象を持っているように思います。これは金は生み出してなくても大きな信用を生み出しているとも言えます。エイチームがたとえ100億投資して新規事業として始めていたとしても到達できない世界だったかもしれません。なので、あとはこの信用をもとに、大きなビジネス(金)を生み出すことがエイチームの役割ということだと思います。

ということで、今日はいつもに増して熱く語ってしまいました。儲けることも大事ですがこーゆー愛されるサービスを生み出す人たちは本当に素敵だと思うので、今後も勝手に応援しています!

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冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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