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2018.03.14

#10 世界初のM&A戦略をとるソフトバンク、フードデリバリーのDoorDashへ出資(前編)

冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

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ソフトバンクのビジョンF:食事宅配「ドアダッシュ」への出資を主導

ソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド」は、米サンフランシスコを拠点に食事宅配サービスを手掛ける新興企業「ドアダッシュ」への総額5億3500万ドル(約568億円)の出資を主導する。ドアダッシュが過去5年間に調達した資金のほぼ3倍となる。

セコイア・キャピタルやシンガポール政府投資公社(GIC)も加わる今回の出資は、ドアダッシュの価値を14億ドルと評価するもので、競争が激化する食事宅配サービスで同社に躍進の足掛かりを提供する。アマゾン・ドット・コムやグラブハブ、スクエア、ウーバー・テクノロジーズのほか、多数の新興企業が割引などの販促を通じて自社宅配アプリへの顧客やレストランの取り込みを図っている。

ソフトバンク側からマネジングパートナーのジェフリー・ハウゼンボールド氏、GICからはテクノロジー投資責任者ジェレミー・クランツ氏がドアダッシュの取締役としてそれぞれ加わる。

ドアダッシュの共同創業者であるトニー・スー最高経営責任者(CEO)は新たな資金を使って、現在550人の従業員に新たに250人を加えるほか、サービスを提供する米国とカナダの都市を現行の600から1600に増やす。同CEOは今年、海外展開を目指す意向を示したが、具体的な地域は明らかにしなかった。

記事引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-01/P4XN5Z6KLVR501

ソフトバンクのM&A戦略

3/1、米国スタートアップのDoorDashは、ソフトバンクビジョンファンドを中心に約5億米ドルを調達したと公表しました。金額はバカでかいですが、これは買収ではなくあくまでもマイノリティ出資です。M&Aじゃないじゃんと感じる方もいると思いますが、少数株主出資も広義の意味でM&Aに含まれますので取り上げました。

ソフトバンク(以下ビジョンファンド含む)のM&Aは論点多すぎて話し出すとキリがないのですが、とりあえず本件で最初に気になったのは、「あれ、かぶってるな」ということです。どういうことかというと、ソフトバンクは配車アプリのウーバーに約77億米ドルを投資しています。そしてウーバーは料理宅配サービス「ウーバー・イーツ」を運営しており、DoorDashからすればド競合になると考えられます。簡単に言えば、ソフトバンクは競合する2社に投資してそれぞれ頑張ってね、というスタンスなのです。これは料理宅配業界が拡大することを確信しており、さらにどっちが勝つかわからないけどとりあえず両方張っとくかという大人買い戦略と考えられます。また、もう一歩深いところでは両社に影響力を行使することで業界自体のコントロールや再編を企てているかもしれませんね。

ところで、本件出資によりDoorDashの企業価値は約14億米ドルと報道されており、そのうち約5億米ドルを取得しているということは約35%(簡便的に企業価値と株式価値を分けずに計算)を所有していることになります。共同出資なのでソフトバンクの所有分はもう少し少ないと思いますが20%以上は持ってるでしょう。じゃあこの20~30%の出資が何を意味するかというと、タイトルにもつけたようにソフトバンクの世界初のM&A戦略に繋がってきます。いよいよその解説に入ろうかと思うのですが、お察しの通り長くなってきたので、次回に持ち越したいと思います!

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冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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