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#11 世界初のM&A戦略をとるソフトバンク、フードデリバリーのDoorDashへ出資(後編) | M&A BANK

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2018.03.23

#11 世界初のM&A戦略をとるソフトバンク、フードデリバリーのDoorDashへ出資(後編)

冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

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ソフトバンクのビジョンF:食事宅配「ドアダッシュ」への出資を主導

ソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド」は、米サンフランシスコを拠点に食事宅配サービスを手掛ける新興企業「ドアダッシュ」への総額5億3500万ドル(約568億円)の出資を主導する。ドアダッシュが過去5年間に調達した資金のほぼ3倍となる。  セコイア・キャピタルやシンガポール政府投資公社(GIC)も加わる今回の出資は、ドアダッシュの価値を14億ドルと評価するもので、競争が激化する食事宅配サービスで同社に躍進の足掛かりを提供する。アマゾン・ドット・コムやグラブハブ、スクエア、ウーバー・テクノロジーズのほか、多数の新興企業が割引などの販促を通じて自社宅配アプリへの顧客やレストランの取り込みを図っている。

ソフトバンク側からマネジングパートナーのジェフリー・ハウゼンボールド氏、GICからはテクノロジー投資責任者ジェレミー・クランツ氏がドアダッシュの取締役としてそれぞれ加わる。

ドアダッシュの共同創業者であるトニー・スー最高経営責任者(CEO)は新たな資金を使って、現在550人の従業員に新たに250人を加えるほか、サービスを提供する米国とカナダの都市を現行の600から1600に増やす。同CEOは今年、海外展開を目指す意向を示したが、具体的な地域は明らかにしなかった。

記事引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-01/P4XN5Z6KLVR501

言うは易く行うは難しの「群戦略」にかける思い 決算説明会レポート

2018年2月7日、ソフトバンクグループ株式会社の2018年3月期 第3四半期 決算説明会が開催され、代表取締役会長 兼 社長 孫 正義がソフトバンクグループの連結業績の発表とともに、19年前の映像を交えながらソフトバンクグループの本質である「群戦略」への思いを語りました。300年成長し続けるために生み出した群戦略

今回の説明会では「群戦略」の説明に最も時間が割かれました。「IT企業の成長サイクルは30年と言われているが、ソフトバンクを300年間成長し続ける企業にしたい。その解決策が群戦略だ」と述べると1本の動画が再生されました。その動画は19年前に孫が群戦略について語っているもの。

「証拠としてお見せしたが、群戦略は結果論として生まれたのではなく、長期的に意図して作り上げたもの。群戦略は、あえてブランドを統一せず、資本関係を意図的に弱めることでNo.1の企業を集めることができる。グローバルでの競争力は高く、長期的なリスクが低い戦略的提携グループ。言うのは簡単だが、実行は難しく、これまで他に存在しなかった」と群戦略がソフトバンク独自の組織体であることを強調しました。

ソフトバンク株式会社の上場準備開始を正式に発表

「ソフトバンクグループの本質は群戦略であり、ソフトバンクグループ株式会社は戦略的持株会社である。従って国内通信事業を行うソフトバンク株式会社の上場準備を開始した。なぜ親子上場をするのか、と思われる方がいるかもしれないが、決断の根底にソフトバンクの群戦略があることを伝えたい」と述べ、ソフトバンクグループ株式会社とソフトバンク株式会社の役割分担を明確化すると説明し、ソフトバンク株式会社の上場準備を開始することを発表しました。

着実な改善が続くスプリント事業

説明会では2018年3月期 第3四半期の連結業績が発表されました。売上高6兆8,113億円(前年同期比4%増)、調整後EBITDA 2兆563億円(同3%増)、営業利益1兆1,488億円(同24%増)、純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)1兆149億円(同20%増)など主要項目を説明。
注目すべき点として挙げたのはスプリント事業。「売上はほぼ横ばいだがコスト削減の効果が出ている」と語ったスプリント事業は、米国税制改正による繰越税金負債の取り崩しの影響を含めなくても純利益が黒字となるなど業績が大幅に改善しました※1。また2.5GHzが2019年に5G規格に採用されることに触れ、「今後はスプリントが所有する豊富な2.5GHz帯域を活用して強力な5Gネットワークを構築していく。米国でスプリントが5Gをリードしていく」と今後の展望を語りました。

※1 米国会計基準
ソフトバンク・ビジョン・ファンドでの投資が拡大

「前回の決算説明会では投資案件は約20社とお伝えしたが、この3カ月でさらに6社増えている」とソフトバンク・ビジョン・ファンド※2の投資状況についても説明を行いました。また、メディアでも数多く報道されたUBERについては「既存のベンチャーキャピタルでは8,000億円規模の投資を1社で行うことは不可能だった。SVFだからこそ実現した案件」とSVFの存在意義を強調しました。

※2 ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業

記事引用元:https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20180207_01

ソフトバンクのM&A戦略

前回はソフトバンク(ソフトバンクビジョンファンド含む)のDoorDashへの出資を記事にしました。今回は一歩引いて、ソフトバンクのM&A戦略について解説していきたいと思います。

史上初のM&A戦略「郡戦略」

2月7日、ソフトバンクの決算発表において孫正義社長がソフトバンクのM&A戦略を初めて披露しました。その名も「群戦略」。簡単に言うと各分野のグローバルナンバーワンの企業に対して20〜30%を出資するというものです。なぜ「群」なのかといえばナンバーワンの会社の群れだからです。
群戦略をとる理由としては、IT業界を中心にビジネスのライフサイクルは日増しに早まっており、どんなに隆盛を極めた会社でも2~30年で衰退に向かってしまうため、単一企業・事業では永続的な成長は望めないこと。また、各分野でナンバーワンになるような会社は50%以上のマジョリティを他社に渡すようなことは滅多にしないこと。そこで、20~30%の株式を取得することで外部筆頭株主として主導権を持ちながら群れとして成長していこうという戦略です。
中国のアリババに始まり、最近ではイギリス半導体企業ARM、アメリカのウーバーなどグローバルでもナンバーワンといえる企業に次々とマイノリティ出資をしています。

また、孫さんは群戦略を日本独自の文化ともいえる財閥とは似て非なるグループ戦略と言っています。財閥はグローバルでナンバーワンではない企業が寄りあったファミリー企業であり、他に魅力的な製品があってもファミリー内で取引をしなければならず、強い組織ではないと切り捨てています。

これは非常に斬新なM&A戦略で、これまでこのような戦略をとった会社は世界中探してもなかったのではないでしょうか。あったら教えてください、お願いします。そもそも、これまでは海外M&A戦略においてマイノリティ出資は失敗あるあるとして取り上げられることが多かったです。例えばドコモは2000年代、マイノリティ出資を行った複数の投資先から累計1兆円以上の損失を出しており、このような経営権を持てないマイノリティ出資戦略は間違ったM&A戦略だと著名なM&Aバンカーもよくおっしゃっていました。なのでM&A業界の中ではソフトバンクの群戦略は大きなインパクトのあるものでした。

という感じで今回は群戦略について解説してきましたが、前回取り上げたソフトバンクによるDoorDashへのマイノリティ出資もここまで読んでいただければその背景がわかったのではないでしょうか。ソフトバンクについてはまだまだネタは盛りだくさんですので気が向いたらまた書こうと思います!

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冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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