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2019.06.21

#65 セールスフォースのタブロー高額買収はサブスクだからではない

冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

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セールスフォース、Tableau Softwareを買収へ–約1.7兆円
SalesforceがTableau Softwareを買収する意向であることを発表した。
Salesforceが米国時間6月10日に述べたところによると、買収は株式交換を通して実施される予定で、TableauのクラスAおよびクラスB普通株がSalesforce普通株1.103株と交換される。買収総額は157億ドル(約1兆7000億円)となる。……
引用元:https://japan.zdnet.com/article/35138275/

久しぶりの大型買収きましたので、今日はこれでいきます。
6月10日、セールスフォース社はタブロー社株式買収を公表しました。

セールスフォースによるタブロー買収

ご存知セールスフォースはCRM(顧客情報管理)領域で世界一の会社です。
一方、タブローはデータ分析ソフトウェア、いわゆるBIツールを開発する大手企業です。
買収は株式交換により行われ、金額は153億ドル(約1.6兆円)です。
タブローの時価総額は約105億ドル(約1兆円)なので今回の買収では約45%のプレミアムが乗っています。
タブローは2004年設立の会社で前期末には売上1,000億円を超えていますが、継続的に赤字の状態です。

なぜ約45%ものプレミアムがついたのか

他社のメディアをちらっとみたのですが、高額買収の理由は「タブローがSaasでありサブスクリプションモデルだから」という説明でした。
サブスクリプションモデルは解約率が低ければ中長期にわたって安定的に利益を生んでいくから、たとえ今の時点で利益が出ていなくても成長し続ければ将来は利益が出るだろうといる論理です。

個人的にはこれはちょっと違うかなと思っています。
この説明は、「なぜ赤字の会社に約105億ドルの時価総額がついているか」ということであって、「なぜ約105億ドルの時価総額から約45%ものプレミアムをつけて買収されたのか」ではないと思っています。
そもそも、上記の論理で市場から期待されているからこそ、買収とは関係なく赤字の会社に約105億ドルもの価額がついていたわけです。

そして今回は、さらにこの価額に約45%上乗せした金額で買収が行われました。なのでここには他の理由があるはずです。
ちなみに、上場会社の買収時には一定のプレミアムを支払うのは一般的ですが、今回は別角度から説明してみようと思います。

買収金額に差が出る理由

M&Aにおける買収可能金額というのは、理論的には買い手によって異なります。それは計算式が違うとか、お金があるないとかそういう意味ではありません。

違いの理由は「シナジー」にあります。
買収対象会社単独の価値(スタンドアローンバリューとか言ったりします)は変わらなくても、買い手と組むことで生まれる相乗効果により新たな価値が生まれることがあります。
これがシナジーです。このシナジーは買い手によって大きく異なり、結果として買収可能金額に差に現れてきます。

この点、今回の買収ではセールスフォースは大きなシナジーがあると見込んだのでしょう。
素人考えでも、セールスフォースの圧倒的な顧客網、販売網にタブロー商品を乗せるだけで大きな収益増加が期待できます。
他にも多くのシナジーはあると思いますが、タブロー単独の価値とそれらシナジー価値の合計が買収金額を上回ると判断したから約45%ものプレミアムをつけての買収が実現したのだと考えます。

 

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冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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