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M&Aに反対する株主から株式買取請求をされたら、いくら支払わないといけないか|判例紹介 Vol.14 | M&A BANK

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2019.08.07

M&Aに反対する株主から株式買取請求をされたら、いくら支払わないといけないか|判例紹介 Vol.14

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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株式買取請求とは
株主は、反対する吸収合併や株式交換、新設分割等の組織再編や事業譲渡などのM&Aが行われた場合、会社に対して保有する株式の買取を請求する権利(株式買取請求権)を持つ。
これにより、非上場会社の株主にもイグジットの機会が保証されている。上場企業の場合も、自ら市場で売却すると株価の下落が起こる可能性があるため、会社に対して買取を請求する権利が与えられている。
買取価格は一定期間内に会社と株主の協議で決定されるが、協議が調わなければ裁判所が決定する。

 判例によれば… 
上場企業なら市場株価を参照して、
非上場企業ならM&Aでの価値算定と同様の方法で算定する

 

ポイント|

  • 上場企業の場合 企業価値の増加の有無によって違う
    …「企業価値の増加を生むM&Aかどうか」の判断は裁判の中でも度々覆っており、一般的な傾向と言えるものはない
    …企業価値が増加する場合:株式買取請求をされた日における市場株価、またはその直前の1か月間の市場株価の終値の単純平均値で算定されることが多い
    …企業価値が増加しない場合:M&Aを発表する前の1か月間の市場株式価格の平均値をもとに算定することが多い
  • 非上場企業の場合
    …DCF法、純資産価額方式、類似会社批准法などから選択して算定される

判例上場企業の株式交換のケース(インテリジェンス事件、平成22年頃)

判決

  • 株価の下落の原因が株式交換以外にあると認められる要素がない
  • インテリジェンスの企業価値・株式価値は株式交換がされることにより毀損されたものと認定(≒企業価値が増加したM&Aではない)

→ 株式交換公表前の市場株価をもとに買取価格を算定

理由

株式交換の公表直後、株式交換比率の公表直後、株式交換の公表後から上場廃止日前日までの同社の株価がいずれも市場全般の株価動向と乖離して急落しているため。

参考文献
阿南剛・後藤高志・辻川昌徳(2015)『実務分析 M&A判例ハンドブック』商事法務

 

不確定要素の多い「買取価格」

株式買取請求権を行使されて決める買取価格は「公正な価格」とされているだけで、具体的な算定方法は定められていません。
裁判所によって決定する場合も、特に非上場企業の場合は鑑定人にかなり広い裁量が認められていたり、先述のとおり、抗告のなかで「企業価値の増加」の有無の判断が覆ることも大いにあり得ます。

当事者間で納得できる話し合いができるよう、話し合える関係性をつくっておいたり、話し合いに臨む際にアドバイスをくれる人を探しておいたりと、事前にすべき準備はしておきたいですね。

 

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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