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2018.04.13

#16 我が家WeWorkのM&A戦略

冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

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WeWork、中国のコワーキングスペース大手naked Hub(裸心社)を4億米ドルで買収か——今日にも両社が正式発表の見込

取引に近い情報筋によると、WeWork が naked Hub(裸心社)を買収する見込みである、と地元メディアが報じている。この買収は、現金と株式で取引される見込み。詳細は、4月12日の両社による正式発表の後に明らかになるだろうとしている。TechNode(動点科技)は WeWork と naked Hub の両社にコメントを求めたが、本稿を発出するまでには回答を得られなかった。

ニューヨーク拠点の WeWork は2016年、中国に参入しアジアで最初の拠点をローンチした。nake hub の買収は WeWork にとって中国における最初の大きな動きとなり、同社が中国で競争を激化しつつあるコワーキング市場を凌駕する野望を持っていることを示唆している。

2015年に設立された上海拠点の naked Hub は、これまでに上海と北京に20拠点、アジア全域に46拠点のコワーキングスペースを展開している。naked Hub は今年1月、2020年までにアジアの5カ国で200拠点以上にコワーキングスペースを開設するという壮大な計画の一環で、オーストラリアのコワーキングスペース Gravity の株式70%を取得した。

記事引用元:http://thebridge.jp/2018/04/wework-naked-hub-acquisition?utm_source=FeedBurner-Sd+Japan%28Japanese-New%29&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+SdJapan+%28The+Bridge+%28Japanese%29%29

我が家WeWork

4月11日、アメリカのコワーキングスペースWeWorkが中国発の同業である naked Hubを買収する見込みと報道が出ました。
なぜタイトルが「我が家」かといえば、このM&A Bankの運営会社であるIdealinkが入居しているのがwework丸の内という、完全な身内事情のためです。
WeWorkはなんぞやということはググってもらえば色々と情報出てくると思うのですが、簡単に言うと洒落てるシェアオフィスです。WeWorkの人からすると本当の価値はコミュニティだとかライフスタイルだとか色々あるんだろうと思いますが、とにかく洒落てるのは間違いないので。

シェアオフィスの運営企業が事業拡大のためにM&Aを使うことはあまり違和感ないと思います。要は自分たちで物件探しから始めるよりも、すでにある同じようなシェアオフィスを買った方が早いよね、ということです。ただ、このような水平型M&Aと言われる事業拡大目的のM&Aにはいくつか留意点があります。そのうちの一つを今日は紹介します。

事業拡大M&Aの留意点

事業拡大M&Aをする際に留意すべきなのは、買収する企業と買い手企業でターゲットが一致しているかどうか、です。一口にシェアオフィスといっても、高層ビルの一角にあるようなしっかりした作りのものから、雑居ビルに入っているものなど様々です。
そのため、自分たちが運営しているものと全く異なるタイプのシェアオフィスを買った場合、従来通りの運営方法が通用しない可能性があるため、単純な規模の拡大を追求する場合は自社シェアオフィスと類似したものを買収することが考えられます。

一方、別の考え方もあります。それはあえて自社とは違うタイプのものを買収するというものです。例えば自社で高価格帯のものをやっている会社が、M&Aで低価格帯のものを獲得するケースなどですね。これにより、様々なタイプのユーザーを取り込むチャンスが広がります。
この点、私はnaked Hubは行ったことないのですが、写真を見る限りweworkと雰囲気は似ていますし、料金も高価格帯ということでweworkと近いものがあり、従来の運営方法を使える部分が大きいと考えられます。なので前者の方法に該当すると考えられます。

お国の事情に合わせて


別の観点をもう一つ。中国のシェアオフィス事情として下記の2点が挙げられます。1点目は、今回買収したnaked HubやURWorkの存在感が大きかったこと。WeWorkも従来から中国でも自前でシェアオフィスを出していましたが、そこまで大きなシェアは占めていなかったようです。2点目は、記事によるとシェアオフィス市場はある程度成熟していたこと。

この2点からすると、今回のM&Aは非常に納得感があります。なぜなら、すでに成熟市場であればゼロから開拓していくことは難しく、市場を寡占するような企業があるならそこを買った方が手っ取り早いと考えられるためです。
この他中国に関しては外資規制も重要な論点ですがそれはまたいつかということで。

一方、日本はどうでしょうか。WeWorkはソフトバンクと合弁でWeWorkJapanを設立しました。つまり中国とは市場の攻め方が違うわけです。この違いはお国の事情の違いと考えることができます。
日本ではシェアオフィス市場はそこまで一般的ではなくまだまだ未成熟だと考えます(シェアオフィス自体は昔からありますが、一般的ではないし洒落た感じのはないという意味です)。そしてその市場で圧倒的な勝ち組は生まれていないという認識です。
そのため、WeWorkとしてもまずは自前で日本のシェアオフィス市場そのものを開拓していこうと考えた。ただし日本のマーケットは特殊であるという認識もあるため、ソフトバンクと組んで始めたと考えることができます(孫さんがゴリ押しして投資しただけかもしれませんが)。

このようにお国の事情や市場環境に合わせて自前でやるべきか、M&Aするべきかということも変わってきます。まさにM&Aは経営戦略そのものですね。

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冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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