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#34 サイバーエージェントのグループ内組織再編に思う | M&A BANK

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2018.06.26

#34 サイバーエージェントのグループ内組織再編に思う

冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

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CAモバイル、リワード広告や『喧嘩の花道』など展開するハングアウトを8月1日付で吸収合併

シーエー・モバイルは、グループ会社のハングアウトを8月1日付で吸収合併する。6月25日付の『官報』に掲載された「合併公告」で判明した。シーエー・モバイルがハングアウトの権利義務を引き継ぎ存続会社となり、ハングアウトは解散する。

同社は、シーエー・モバイルのグループ会社で、モバイル向けリワード広告「Macro Line Reward」などアフィリエイト広告のほか、『喧嘩の花道』や『爆裂!!不良列伝』などモバイルソーシャルゲームの運営を行っている。

記事引用元:http://gamebiz.jp/?p=213983

これは「グループ内組織再編」案件

6月26日、サイバーエージェント子会社のシーエー・モバイル社はハングアウト社を吸収合併することを官報で公表しました。
合併なので当然M&Aの一種ですが、ハングアウトはシーエー・モバイルのグループ会社であり、外部からするとサイバーグループ内の部門統合的な位置づけです(シーエー・モバイルは一部外部株主がいるようなので完全なグループ内のM&Aではありませんが)。

こういったグループ内のM&Aをグループ内組織再編と言ったりします。ということで今日はグループ内組織再編について。

グループ内組織再編の目的

グループ内組織再編は大きく2種類に分けることができます。会社(組織)が増えるケースと減るケースです。

組織が増える典型的なケースは、持株会社制(ホールディングス制)への移行です。グループ内組織再編としての持株会社化については以前の記事でも少し書きましたので良かったら参考にしてください。

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会社が増えるケースとしては、他にも事業を切り出して別法人化する場合があります。これは組織を小さくして迅速な意思決定を行なうため、経営者を育成するためなどの目的があります。

組織が減るケースとしては、子会社の合併等による経営の効率化、新規事業やM&Aの後処理、IPO対応などが挙げられます。
経営の効率化は、重複部門は重複事業を統一することでコストカットを図ることが主な目的です。また、新規事業などで子会社を設立したものの、想定通りいかずに縮小するために親会社に吸収される場合や、M&Aにより買収したもののカルチャーや人事制度などを理由に統合を保留していた会社を合併する場合などがあります。
また、これは少し毛色が変わって上場準備会社の話ですが、上場審査上、本業と関係のない会社や経営者親族の影響が強い会社は、売却するなどの対応がせまられます。

増やすのは簡単だけど

個人的には、組織を減らす組織再編が重要だと思っています。というのは、ある程度事業を作る能力がある会社であれば、組織を増やしていくことは比較的簡単です。新規事業のために子会社を設立したり、M&Aでどんどん買収していったり。
ただし、これを繰り返していくと、いつの間にか管理コストが膨れ上がる、ガバナンスが効かなくなりそれぞれの組織が何をやっているか親会社の経営陣が把握できなくなるなど、弊害が大きいです。これは大企業だけでなく、ベンチャーや未上場の中小企業でもよくおこることです。

ところでサイバーエージェントといえば、どんどん子会社を作って新規事業にチャレンジし、若手経営者を育成しているということで有名です。一方で、本件ニュースのように、役割を終えたり変わったりした場合は、合併などで組織を減らすM&Aにも積極的です。

組織を増やすM&Aと減らすM&Aをバランス良く行うことにより、拡大していく組織を効率的に経営することができているのだろうとこのニュースを見て改めて感じました。

ということで、ほっとくと組織は増えていき、放置してると問題も膨れ上がっていくということを覚えておくといいんじゃないかなと思います。

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冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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