2019.03.12
サラリーマンによる個人M&Aの可能性|Vol.147
優秀なサラリーマンにこそ刺さる選択
島袋
今回は書籍「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」について伺いたいと思います。
事業承継をしたがっている地方の会社に優秀な人が「就職」するかというと、あまりそういうイメージがない一方、東京は東京で優秀な人がくすぶっていたりするので、そういう人が事業承継をして経営したらうまくいきそうですよね。
三戸
そうですね。
IターンとかUターンという言葉がけっこう使われるようになりましたし、優秀であればあるほど「サラリーマンだけじゃ物足りない」とか、「自分のやりがいを大事にして、周囲に文句を言われずにやりたい」と思われそうですからね。
雇われで働いていると、仮に社長になったとしてもなかなか自分の思うようにはできないです。
単なるIターンとかUターンではなく、株式を持って、自分の会社として自分のやりたい経営をしていくと、やりがいレベルが高くなってくると思います。成果に対してもリターンがありますしね。
そういう意味で「会社を買う」のには、優秀な人がよりチャレンジしやすくなる可能性があるんじゃないかと思います。
25歳で買収、月商が2.6倍になった事例も
島袋
実際に三戸さんの周りで、銀行から借り入れをして買った会社を経営されて、うまくいっているサラリーマンの方はいらっしゃいますか?
三戸
本が出たのが昨年の4月なので、まだ明確にそういう人が私の目の前にいるわけではないんですが、本が出る前後くらいでタイトルを知って、私のwebの記事を読んで、M&Aのサイトで会社を見つけて買った人はいますよ。
大手の製造系のメーカーの新卒2年目で、その時25歳でした。会社を買おうと動き始めたのが3月、実際に買って社長になったのが8月。京都のアルミ製作会社の子会社を買って、月商が2.6倍になったと言っていました。
会社を買ったら成功なのか、その後のマネジメントまでうまくいけば成功なのか、さらに売却すれば成功なのかは難しいところですが、自分が納得いく範囲でやりたいことができて、業績もよくなっているというのは1つのいい例になるんじゃないかなと思っています。
彼らは結構優秀で、次の会社も見つけてきているんですよ。
島袋
また違う会社を買おうとしているんですか?
三戸
そうです。そういう小さい会社を買って組み合わせてまとめていくと、けっこう成長できる可能性があるんですよね。
そういう中小企業を買ってコングロマリットで上場している会社もありますから。
そういう風にしていく人もいるし、自分のやりたい範囲でやっていくこともできます。ファンドみたいに、イグジットを想定してそのキャピタルゲインまで計算するパターンもあります。
やり方はいろいろですね。オンラインサロンでもそういう話をしていますが、納得感があるみたいで、楽しそうにやっています。
サロンは本気の人限定で
島袋
三戸さんはDMMでオンラインサロンをされているんですよね。
会費は月々いくらなんでしたっけ。
三戸
1万円です。
島袋
1万円で、将来会社を買いたいなというサラリーマンの方を集めて指導していくってわけですね。
先ほどお話しされていた方もサロンのメンバーの方なんですか?
三戸
その人はサロンができる前に買っちゃっているんですが、次もやりたいということで入ってくれています。
先輩として説明したり教えてあげる感じで、関西の支部を立ち上げますとか言っていたり。関西チームを作って盛り上げてもらってます。
島袋
絶対に入会した方がいいですね。
あ、これはポジショントークじゃなくて。(笑)
三戸
でも、中途半端な人が入っても困るので、会費を月1万にしているんですよ。
「勧められて入る」とかではなく、本当にやる気で、自ら情報を得て、コミットしてM&Aをやりますという人じゃないと、あんまり入って欲しくないですね。全体の熱量が下がるので。
ご存知でしょうけど、M&Aは本でわかるレベルの話と実際の案件ごとで必要な情報が全然違うじゃないですか。後者の方が当然大事なんです。
なのに熱量低い人が来ると、案件も見つからないし、具体的にやらないから「そんなの本を読んだら分かるやん」と思うようなうわべだけの話になって、大学の講義みたいになっちゃうんですよ。
そうなってしまうとレベルが全然上がらないので、そういう人は辞めてもらうというか、入らないでください、と。
島袋
熱量が低い人はダメですね。退学ですね。
三戸
退学まではいかないです。もちろん横で見ておくだけの人もいるかもしれないですし。
でも、そう言う人にうっすい質問とかうっすい行動をされると全体のレベルが下がってくるので。
本当に目の前に案件がある人とか、本気で探したい人に入ってほしいですね。
島袋
なるほどですね。
では校長先生、そろそろ時間なので、続きはまた次回伺いたいと思います。
ではまた、M&A BANKでお会いしましょう。
■三戸 政和:株式会社日本創生投資-代表取締役社長
日本最大級のベンチャーキャピタルにて国内外の投資先の経営に参画。その後、兵庫県議会議員を務める。2016年に中小企業向けの事業承継・事業再生専門の投資ファンドである日本創生投資を創業。ロンドンにて会社を立ち上げ、従業員へ事業を引き継いだ経験も。2018年、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」を出版。
【株式会社日本創生投資とは】
「地方創生」「中小企業」「事業承継・事業再生」をキーワードに設立された投資ファンド。ベンチャーキャピタルやバイアウトファンド出身のメンバーで構成される。金融機関への借入返済がリスケ状態となり、事業価値が毀損している企業の抜本改革を得意とする。
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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