2019.07.25
PL以外の部分で高く評価されるための条件|Vol.197
効果的なタクシー広告、注意すべきことは
島袋
番外編としてちょっとお聞きしたいんですが、今タクシー広告ってセールス系がひしめき合っているじゃないですか。これについてはどう思われます?
内山
すごいですよね、識学から始まり。
BtoB系のビジネスをやるのであれば、タクシー広告はいいと思いますよ。
僕たちもすごく効果ありました。
でもやっぱりタクシー広告ってなんだかんだ言ってもCMなので、あれはプロに作ってもらわないとダメですね。
島袋
なるほどね。
見ててこれちょっとダサいなとかわかりますよね。
「素人が作ってんな」みたいな。
内山
けっこう金がかかるんですが、コスト抑えながらやろうとすると、「ん?」ってなるんですよね。クオリティーの差が出過ぎちゃうので、やっぱプロがいいですね。
島袋
あんまり素人が口出さない方がいい。
一切無しにした方がいい。
島袋
お言葉失礼ですけど、内山さんけっこう言いそうじゃないですか?
内山
僕、言いそうなんですけど、餅は餅屋って決めているんですよ。知らないもん。わからないんだったらプロに任せる。
インサイドセールスも同じ。わからないでしょ、だからプロに任せろって話なんですよ。
僕が出したいろいろ企画があるんですけど、やっぱりそうしなくて良かったと思っています。
島袋
餅は餅屋ですね。
赤字でも高評価を得るためのポイント
島袋
内山さん、もう一つお聞きしたいんですが、PL以外にも価値を見出してもらうにはどうすればいいでしょうか?
たとえばPL上では数億円赤字でもバリュエーションが付くことがあると思いますが、そうするためにはどう説明すればいいと思われます?
内山
3つあると思っています。
1つはビジネスモデルにストーリーがあるか。
何を成し遂げようとしていて、課題を解決することができるのか、その課題が世の中にちゃんとあるのか。
そのストーリーが1つ重要です。
僕たちの場合、課題は法人営業で、ここはみなさん困っている。インサイドセールスはアメリカでは主流になっているけど、日本においてはまだまだ。アメリカのだいたい3年から5年後に日本にやってくるだろうと。そして、グループインする会社との事業のシナジーを明確に言えるかどうか。
もう1つはCRMです。つまり、自分たちの営業情報がちゃんと貯まっているか。
島袋
それはどういうことですか?
内山
お客様やリードの情報が社内でちゃんと管理されているのか、ということです。
将来的に営業できる先がリードと呼ばれますが、それが何件あるか、商談がどれくらい走っていて、それぞれの確度がどうなっているか、そういった顧客情報の管理をCRMでできていれば、営業活動が間違っているのか間違っていないのかが見える。だから僕たちはセールスフォースを全部入れてこの数ヶ月トラックしています。
口で「いけます」って言うだけだと根拠は出せないけど、それが蓄積されていれば、「このままやっていったらこうなる」とか、「受注率が15%だったのがたとえば30%になれば、売上がこのくらい出る」ということがちゃんと見えるようになる。
僕たちの場合前期は広告宣伝でめちゃめちゃ赤字掘っているわけです。
でもこれがこれだけのリードになって、こうなっていけば受注率が何%になって、売上がこれだけ上がります、と明確に伝えることができる。
エビデンスをちゃんと残しておくためのCRMなんです。
そして、IPOの準備をしているのかどうかも重要だと思います。
やはりM&Aされたあと、グループインしたあとに迷惑をかけちゃいけない。僕は迷惑だけは絶対かけたくない。それなりにお金を出して、僕たちの会社を買っていただくんだから、そのバリューに貢献しないといけない。
そうなると、労務管理だとか決算のやり方、締めるタイミングといったものが、できるだけ上場基準に近付いていた方が、買う側も判断しやすいし、そのあともご迷惑をかけないで済みます。
だから、ストーリー、情報の管理、IPO準備をしているか、この3つですね。
ここが3つ揃えば、それが赤字であっても、ビジネスがちゃんと伸びていて将来性があるものなら買っていただけるんじゃないかと思います。
島袋
めっちゃ勉強になりますね。
ありがとうございます。
内山
全てはロジックですよ。
ビジネスで感性は重要だけど、それをロジックにできれば見える化できるわけなので、それを目指していったらいいんじゃないかと思います。
島袋
なるほどなあ…
残念ながらお時間になってしまいまして、内山さんともそろそろお別れです。
本当にいろいろ勉強させていただきました。
内山さんでした、どうもありがとうございました!
■内山 雄輝:SALES ROBOTICS株式会社-代表取締役社長 CEO
大学卒業の同年にSALES ROBOTICSの前身となるWEICを設立。2014年に営業リストの抽出・インサイドセールス管理システム・BPOサービスのトータルソリューション”SALES BASE”を開発・提供。800社1000商材以上に導入される。10月より、SALES ROBOTICS株式会社へ商号を変更。2019年4月、東証一部ヒト・コミュニケーションズHDにグループイン、執行役員 IT・テクノロジー関連事業推進管掌(現任)
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
順次更新、内山さん出演動画の一気見はこちらから
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