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2018.05.16

M&A用語解説:デューデリジェンス

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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M&Aを検討するときだけでなく、投資ファンドなどが投資を検討する際にもデューデリジェンスと呼ばれるプロセスが行われます。

「資産査定」とも言われるデューデリジェンスについて、M&Aの際に絞って解説していきます。

デューデリジェンスとは

デューデリジェンスとはDue Diligenceと英文表記され、日本語直訳では「資産査定」「適正評価」と訳される経済用語です。
日本語としては「企業調査」という言葉がイメージに近いといえるでしょう。「デューデリ」と略されることもあります。

デューデリジェンスは買い手側がM&Aを検討する際に、買収候補先の企業の状況を様々な側面から調査し、正しい企業実態を把握することが目的です。
デューデリジェンスの結果、重大なリスクが発覚し、M&Aの見送りや買収提示価格の大幅なディスカウント提案がなされるケースもあります。

買い手企業にとってディーデリジェンスの良し悪しは、M&Aの成否に直結しているといっても過言ではありません。

主なデューデリジェンスは
1. 事業(ビジネス)デューデリジェンス
2. 財務デューデリジェンス
3. 法務ディーデリジェンス
の3種類です。企業によってはITデューデリジェンスなど、他のデューデリジェンスが発生するケースもありますが、ここでは代表的な3つのデューデリジェンスをピックアップします。

①事業(ビジネス)デューデリジェンス

買収候補先の企業のビジネスモデル、顧客との関係、市場の状況など、企業の事業(ビジネス)の側面から調査を行うものが事業(ビジネス)デューデリジェンスです。
企業がどのような形でビジネス展開をしており、その将来性はどうなのか、という企業としての最もベーシックな部分の把握を目的とします。
正確な事業内容の把握無しに、M&Aの検討をスタートすることはできません。その意味ではデューデリジェンスの中で、最重要視される内容です。

また、単に事業の分析や把握を行うだけではなく、M&A後にどのようなビジネス展開を行えば事業拡大ができるか、というPMI(M&A成立後の統合プロセス)の視点も事業デューデリジェンスでは必要とされます。

対象企業の根本部分を調査するため最重要視される事業デューデリジェンスですが、同業他社の買収検討の際は、自社で既に市場環境は熟知しており、またビジネスモデルも大きく変わらない企業も多いため、調査自体にはそれほど時間がかからないケースもあります。

②財務デューデリジェンス

財務デューデリジェンスは、買収候補先の企業の資産状況、収益状況、資金繰り状況など、主に数字の面から調査を行うものです。事業デューデリジェンスは事業(ビジネス)中心に調査がなされますが、財務デューデリジェンスは数字中心に調査がなされます。

いくら魅力的な事業を展開の企業であっても、財務デューデリジェンスの結果、対象企業の財務状況が大幅に悪化しているようなら、M&Aの検討取りやめや買収価格を大幅に見直さざるを得ません。
また、中には財務デューデリジェンスの結果、簿外債が発見されるケースもあります。

事業デューデリジェンスと財務デューデリジェンスを総合的に行うことで、対象企業が提示している経営計画(中期事業計画書等)の妥当性についても、客観的に数字に基づく評価を下すことが可能です。

財務デューデリジェンスは、公認会計士や税理士等の専門家を交えて行われることもあります。

③法務デューデリジェンス

法務デューデリジェンスは買収候補先企業について、法律の側面から問題点の有無を調査するものです。

企業は会社法から始まり民法、労働法、知的財産法など、様々な法律にのっとり運営がなされています。
法務デューデリジェンスを行うことで、買収後に取引先との係争・残業代の未払いの存在・知的財産権が実は他社の権利物だった等のトラブルを避けることが可能です。

ただし、上場企業であっても専任の法務スタッフが存在しないケースも多く、自社での法務デューデリジェンスに限界があるため、弁護士事務所と契約した上で対応するケースも多いです。

まとめ

M&Aを検討の際には、デューデリジェンスは必要不可欠です。デューデリジェンスの結果、重大なリスクが発見されるケースもあります。
企業の方針としてM&A推進を押し出してM&A実行に前のめりになるあまり、デューデリジェンスがおざなりになってしまっては危険です。

デューデリジェンスで見逃すことができないリスクが明らかになった場合は、それまでの費用や時間を考えてもM&Aを見送る勇気も必要になります。
M&Aを成功に導くために、常に客観的な視点を忘れずに取り組みましょう。

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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