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2018.05.16

M&A用語解説:スピンアウト税制

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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平成29年度の税制改正により、企業のM&Aを活発化させ業界の大規模な統合や再編成を促すと予想される「スピンアウト税制」が施行され、2017年4月1日以後におこなわれる組織再編に適用されることになりました。

M&Aを検討している企業にとって、経営に大きな影響を及ぼすと考えられるスピンアウト及びスピンアウト税制とは、一体どのようなものなのでしょうか?

スピンアウトとは

スピンアウトとは、会社の一部門を切り離し独立・分社させることで、元の企業と関係が切れる場合を指します。関係が切れるということは、親会社の企業のブランドなど、資産を活用することができないということです。おもに会社分割で事業を外に切り出して新会社を設立、自社の企業価値の向上や、主力事業に集中するための手法として活用されています。

一方で、「スピンオフ」という言葉がスピンアウトと同義で使われることがあります。スピンオフも会社一部門を独立させることを指しますが、スピンアウトとの違いは独立の会社が親会社との資本契約が残っている点です。つまり、スピンオフされた会社は親会社のグループ企業として残っていくことになります。企業のグローバル化や多角化が進む中で、スピンアウトは今後も活用されやすい経営戦略といえるでしょう。

また、スピンアウトによって通常の株式譲渡に比べて節税ができるというメリットもあります。それに拍車をかけるように、平成29年度税制改正の大綱では「スピンアウト税制」が新たに設けられ、M&Aがより活発化することが予想されます。

スピンアウト税制について

通常の株式譲渡の場合、会社を売って現金を手に入れた株主には、売却によって生じた利益に20%の税金が課税されます。また、株式は経費として償却できないため、株式の買い手にも税的なメリットがありません。

一方で、スピンアウトによって事業を切り離して新会社を設立、新会社の株式を買い手に売却して利益を得た場合、法人税として約34%の税金が利益に対して課税されます。課税率は株式譲渡のときよりも高くなっていますが、スピンアウトによって課税される法人税は、他の損失や経費と合算することができます。つまり、利益を減らすことでトータルでかかる法人税を節税できるということです。

さらに、平成29年度税制改正によって定められた要件を満たす場合、無税で事業部の切り離し、完全子会社の独立が可能になります。従来、会社から事業部門を切り離し独立させる場合や、完全子会社関係を解消し独立させる場合は非適格組織再編と見なされ、資産譲渡益課税が生じてしまいました。

これが今回の税制改正により、一定の要件を満たすものについては適格組織再編として取り扱われることとなり、株式の移転だけで事業部の切り離し、完全子会社の独立などスピンオフが無税でおこなえるようになったのです。

スピンアウトのメリット・デメリット

スピンアウトされた会社は親会社から完全に独立するため、親会社の制約に縛られることのない、スピーディーでフレキシブルな意思決定が可能になります。また、親会社との資本契約が残っている場合、決済までの段階が多いため時間がかかり、小さなアイディアを生かしにくい状況になってしまいがちです。しかし、スピンアウトの場合はその企業内で小さい事業に専念することができます。

税金の方に目を向けると、先ほど紹介した税制改正によって、一定の要件を満たした場合は、無税で事業の切り離しができるようになります。一方で、親会社のブランドといった資産を活用することができないというデメリットもあります。

スピンアウト税制がもたらす業界の将来

これまで課税対象となっていた事業部門を切り離し独立させるケースや、完全子会社関係を解消し独立させるケースも、今般のスピンアウト税制によって一定の要件を満たした場合は、無税でおこなえるようになりました。

スピンアウト税制によって、企業のノンコア事業を切り離しや、他会社との事業統合が柔軟に進むようになり、ますます業界内の大規模な統合・再編成が期待されます。

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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