2018.12.25
激動の2018年、M&A業界はこう変わった|Vol.117
M&A BANKの評価も変わりました
島袋
冨岡くん、もう2018年も終わりますね。
今回は2018年の総集編としてお話ししていきたいと思います。
M&A BANKも3月から初めて、動画はもう120本くらいまで来ましたね。
ご出演していただいた方も40名近くになりました。よくこんなに出てもらえましたよね。
冨岡
そうですね、上場会社の社長まで出演していただいていますからね。
島袋
実は、最初の方にオファーして断られた人たちから、今になって「出演してもいいよ」というメッセージをちょこちょこいただいてるんですよ。
その方たちにもぜひ、来年ご出演いただきたいなと思います。
2018年、ビッグディール以上に印象に残ったこと
島袋
冨岡くんが2018年で気になったM&Aはなんですか?
冨岡
なんだかんだ、今年M&Aに関して1番印象に残っていることと言ったら、M&Aの事業を始める会社がめちゃめちゃ多いな、ということですね。
島袋
確かにね。
冨岡
たぶん今年だけで10社以上、20社とかが、「M&A仲介サービスを始めます」とリリースを出していた印象があるんですよ。
島袋
それ、M&A BANKもじゃないですか?(笑)
うちも今年の3月から始まりましたからね。
冨岡
そうか。(笑)
「マッチングサイトを始める」というニュースを毎月のように見た記憶があって、それがM&A案件のニュースよりも印象に残ってるんですよね。
島袋
プレイヤーが増えてきたと。
冨岡
それって、M&A業界が成熟してきたとも考えられますよね。
「これは面白そうだな」という事業もあれば、すでにあるのと同じようなメディアやマッチングサイトも出てきている感じです。
単純なマッチングサービスが増えてきた
島袋
実際のM&Aの仲介はすごくアナログで、中学生でもできますよね。
…やばい、これは怒られちゃうかな。(笑)
冨岡
まあ、あるM&A仲介会社さんの経営者の方は、「M&Aは結婚相談所と一緒です」っておっしゃっていましたね。いい相手を連れてきて、マッチングさせればうまくいくと。
そういう意味では、かなり専門的なファイナンスの知識が求められる仲介やアドバイザリーと、最近流行っているM&A仲介はちょっと違うかもしれないですね。
買い手に売り手を引っ張ってきて、くっつければOK、という形で進んでいるM&A仲介がすごく多いなと思います。
島袋
でも、さっき「M&Aは中学生でもできる」と言いましたが、すいません、嘘です。(笑)
たしかに1000万円以下の仲介に関しては中学生でもできると思うんですが、それを超えてくるとテクニカルな知識が必要です。
ITベンチャーでも2桁億、特に20億以上で売っているような人につくエージェントはやっぱりすごいですよ。どのファンドがどのタイミングで銀行から調達して、決済がいつで、どういう風に煽られているか、とか、そういうことまでわかっています。
そういう意味でアドバイザー選びはめちゃめちゃ重要ですね。
冨岡
そうですね。今後は業界ごとに、サービスがより専門的にセグメントされていくかもしれません。
IT特化、不動産領域特化とか、人材紹介領域特化なんていうのも出てくるかも。
今のトレンドは、今年で終わりそう
島袋
最近は、RIZAPが「主な事業と関係のないM&Aはしません」と発表したのがニュースになりましたが。
冨岡
原則M&Aは凍結という話でしたね。
島袋
今後、M&Aの動向はどうなってくんですかね。
冨岡
M&A自体が活況なのは、間違いないと思うんです。
ただ、本業あるいは本業とシナジーがある周辺領域でのM&Aがメインになってくると思います。
いわゆるPBR1倍割れのお買い得案件など、会計上安く見えるM&Aをどんどんやっていこうという会社さんは、今後はあまり出てこないと思います。
以前出演していただいたシェアリングテクノロジーさんも、3パターンのM&A戦略があるとおっしゃっていましたが、直近のリリースでは「本業に関わるところ以外やりません」と発表されていましたね。
今後は本業、あるいはその周辺のM&Aに集中していくという流れになっていって、これまでの「どんどんM&Aをしていきましょう」という流れは、一旦ここで終わりそうですね。
島袋
終わっちゃうの…
冨岡
でもまた、違うトレンドがくると思うので。
島袋
なるほどなあ。
では、今回はこのあたりでお別れですね。次回も引き続き、今年の振り返りを行っていきます。
見逃した回がある方は、ぜひご覧ください!
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。尊敬するじげん社に倣い、「事業家集団IdeaLink」を目指す。
■冨岡 大悟:TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士
オーストラリア帰りのM&Aバンカー。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。IdeaLinkの他にも複数社の社外役員を務める。
【IdeaLink株式会社のM&A実施背景】
資本力と競合優位性を俯瞰して自社サービスを見直した際に、現状の経営資源では更なる成長は困難と判断。2017年12月25日、シェアリングテクノロジー株式会社(東証マザーズ3989)に新設分割により「フランチャイズの窓口」、クレジットカード比較4サイトを売却。その後は売却した資金をもとに、「事業家集団」として新たなビジネスの種まきに奮闘中。
【YouTubeチャンネル】https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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