2019.08.01
IPOを実現するためのポイント|Vol.200
IPOで何より大事なのは
島袋
今回も春日さんに来てもらっています!よろしくお願い致します。
春日さん、IPOまわりでもうちょっとお聞きしたいんですが、IPOを目指されている経営者や会社を起業しようしている人は、どういう点に注意すればいいと思われますか?
春日
注意点ですか、そうですね、もちろん1回しか上場していないので、成功体験といってもそんなに大したもんじゃないですけど、大前提は、やっぱり事業成長ですね。
基本的に上場するときに大事なのって、もちろん管理体制の準備もそうなんですが、やっぱり主幹事の証券会社の方からも言われましたし、僕らもそう思いましたけど、とにかく事業計画をしっかり達成し続けること、ここがなにより重要だなというのは思いましたね。
結局どれだけ管理できても、事業がどこかで鈍化していたり、成長が追いついていないと、「やっぱりもうちょっと見てからにしましょう」という話にどうしてもなってしまいます。
なにより大事なのは業績ですよね。営業利益。
島袋
誤差が何%になるとダメなんでしたっけ。
春日
確実にこれとは言われていないので正解かどうかわからないですが、一応開示基準として、売り上げが10%越えるとか下がるとかなると開示しなくちゃいけなくなるので、営業利益で言うと30%ですかね。
そこを大幅に下回っているとなると、「やっぱりもう1年様子を見ましょう」となるケースが多いんじゃないかと思います。
島袋
春日さんはありました?
春日
僕らですか。一応月次目標は上場するまで全部達成しましたので。
島袋
さすが!
春日
上場したのが11月ごろでしたけど、4月から毎月業績は全部突破していましたね。
「ひと月も落とすな」ってずっとやっていたので。
テンション高く、熱量を持って乗り越えられるように
島袋
それって、現場に対して、たとえば営業部長とかに「絶対絶対絶対落とすなよ」ってものすごい圧をかけられたのか、余裕で達成できる雰囲気だったのか、どういう空気感だったんですか?
春日
元々予算を持っている人間が12~13人くらいで、その12~13人を毎週月曜日の朝全員集めて、一人一人予算に対しての現状の進捗を全員の前で発表していくんです。
それなりに緊張感を持って全員の前で発表するので、何とかしてでも月次目標を乗り越えにいこうという、ある種全体感的なプレッシャーはもちろんあったと思いますし、今もあると思います。
もちろん、準備する中でもちゃんと規定通りに運営できているか、たとえば労務の管理や契約まわりの管理のフローを整えることは当然大事ですし 、僕らももちろんやっていました。
ただ、業績がそもそも達成できていないと、そもそもテンションが高くないので、それを乗り越えようって思いにくいのかなって思いましたね。
そういう意味では、僕らのIPO準備はいい意味で熱量を持ってやり切れたかなと。
逆に言うと、業績がけっこう伸びていれば、全社的に「上場準備乗り越えよう」っていう気持ちでやりきれるんです。
単一事業がいいか、複数事業で目指すか
島袋
上場は単一事業で目指すべきか、複数の事業で目指すべきか、この点についてはどう思われますか?
ネットサービスだと、単一事業の場合はなかなかマーケット規模があるものは限られていると思いますし、複数の事業だと、今度はコングロマリット・ディスカウントが起こり得るんじゃないかと思うんです。
春日
そうですね、コングロマリット・ディスカウントは当然議論としてあるとは思います。
でも、我々がやっているのはインターネットメディア事業で、ある種同じビジネスモデルをいろいろなジャンルにただ展開しているだけなので、インターネットメディア事業単一のモデルなんです。
コングロマリットなジャンルに展開している側面もあるかもしれないですが、コングロマリット・ディスカウントの効くような事業体ではなかったと思っています。
島袋
やっぱり説明慣れてますね。
春日
あはは、そんな評価をいただけるなんてありがたいです。
島袋
さすがです。
では、そろそろ時間になりましたので続きはまた次回ですね。
次回は買収するときの買い方や欲しいと思うビジネスの条件について伺いたいと思います。どうぞお楽しみに!
■春日博文:ポート株式会社-代表取締役CEO
1988年埼玉県生まれ。在学中に新卒採用支援業やプロモーション支援を個人事業主として開始。2011年、大学卒業と同時にソーシャルリクルーティング(現:ポート株式会社)を創業。2018年東証マザーズ上場。人材、金融、医療領域でビジネスを展開する。
キャリア領域:キャリアパーク/就活の未来/キャリアパークエージェント/イベカツ
ファイナンス領域:マネットカードローン/マネットFX/カードローンエージェント
「ポート、4期連続赤字から大幅な黒字転換に成功 現預金は前期末比⁺279%」
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
順次更新、春日さん出演動画の一気見はこちらから
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