2018.07.11
弁護士への依頼料と相場|フォーサイト総合法律事務所大村代表コラム Vol.8
ベンチャー界隈No.1との呼び声の高いフォーサイト総合法律事務所・大村代表パートナー弁護士をお招きして、ベンチャー企業経営者にとってのM&Aについてたっぷりお話しいただきました。
IPOを目指していた、またはIPOを目指しているものの、M&A(バイアウト)についても理解を深めたい経営者必見の情報が満載。普通はなかなか教えてもらえないM&Aの実情についても大公開してくださいます。
依頼内容による費用の違い
1億円の取引でも10億円の取引でも、弁護士がやることに大きな違いはありません。ただ、事業規模が大きくなれば見るものの規模は変わりますからね。
料金は、一概には言えませんが、弁護士費用だけで、数百万円前半から数千万円でしょうか。
弁護士費用はどういう案件かによっても変わります。対象会社の規模が大きかったり、デュー・ディリジェンスでまんべんなく見る必要がある案件だと数千万円単位でかかりますが、重要度が高い労務管理と事業だけのデュー・ディリジェンスにフォーカスするのであれば、例えば数百万円前半で部分的に依頼することもできます。
一般的には、対象分野を絞って、その分野にフォーカスして行います。
また、法務デュー・ディリジェンスとSPAのどちらかしか依頼されない企業もいらっしゃいますが、それだと片手落ちになることもわかっておかなければなりません。
例えば、法務DDをして見つかった論点を表明保証させるケースや、未払い残業代があるとわかって、買収後に訴えられて敗訴した場合の支払いをSPAで約束させるケースがあります。
そうやって法務DDで洗い出したリスクをヘッジするためにSPAを作るので、この二つは両輪なんです。
セルサイドを担当する場合は、諸々の法的整備をしてからM&Aに着手する場合などは別として、デュー・ディリジェンスをすることはあまりなく、契約書のチェックを行います。
その際、セルサイドにとって契約書は「条項はなければないのが一番」とアドバイスしています。会社法等の法律の範囲内の規制だけでやるのが一番理想的ですね。
M&Aそのものではないですが、投資契約書がなぜ必要かといえば、投資をする側に会社法以上の権利を持たせるためです。投資をする側が不安だから、様々な条項を盛り込むんです。
投資を受ける側からすれば、そうした条件は何もないほうがいい。M&Aでもセルサイドは義務を負わないのが一番いいですから。あとはいかに、お金を取るかが問題です。
我々の法律事務所では非常にたくさんのご依頼をいただいておりますので、現時点では、M&Aやそれなりの規模の訴訟を除き顧問契約をしている企業を中心に業務を行っています。
セルサイドのM&A案件も増えていますが、顧問先企業が上場したあと、成長過程の手段としてM&Aを活用することがあるので、バイサイドのサポートもかなり増えている状況です。
代表を務める法律事務所は、生え抜きの弁護士・司法書士が所属し、幅広い業種のベンチャー企業に対する法的支援業務を展開する。IPOや市場変更、M&Aの支援実績も多数。複数の上場企業で社外役員も務める。
フォーサイト総合法律事務所大村代表コラム、最終回をお届けしました。
7月14日(土)には、日本を代表する大企業や外資系企業でCFOを歴任し、数々のクロスボーダーM&Aを経験された吉高信氏のインタビュー記事を公開します。
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