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M&Aのトレンド| AGSコンサルティング廣渡代表コラム Vol.3 | M&A BANK

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2018.10.24

M&Aのトレンド| AGSコンサルティング廣渡代表コラム Vol.3

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国内屈指のベンチャー企業の財務支援実績を持つ総合会計事務所、AGSコンサルティングの代表を務める廣渡氏。去る4月に開催したベンチャーM&Aサミットでは、スポンサーとしての協賛に加え、解説としてM&Aの現場のリアルな実態を多数ご紹介いただきました。
今回は、会計事務所として長年企業の実務を支えてきたなかで蓄えられた知見の一部を公開してくださいます。
売却検討中の経営者必見の連載、全3回をお届けします。

強みを突き詰めていれば、小さくても強い

――最近のM&Aのトレンドとしてはどういったものがありますか。

廣渡
「利益がこれだけ出ているからこの値段で売れますよね」というより、「ニッチトップ」と呼ばれる、際立った部分が評価されて売れる時代になってきましたね。
ネットやソフトサービスでは、上位の1~3番手しか生き残ることはできません。大きくはなくても、この分野ではかなり先行している、という強みがあるほうが絶対にいいです。評価されて、どこかに買ってもらえるかもしれませんから。
それから、エンジニアは重要です。エンジニアの技術レベルが高いというだけでも人気が出ます。実力のある会社は、人を見ただけで惚れられることもありますし。

――M&Aで買われた会社の社員が本体企業の役員になったり、CTOになったりすることがありますね。

廣渡
近ごろそういうことが増えましたね。ベンチャーM&Aも、大企業ではなく、上場したベンチャー企業が買うケースが増えている。そうした企業は組織的・人事的にまだ固まっていないので社員の受け入れ条件が良く、活躍しやすい特徴もあります。そこで、今まで以上に大きな枠組みを与えてもらって活躍している、元売り手側の社長もいますからね。

最近のニュースの影響は?

――組織再編税制や事業承継税制が改正されていますが、M&Aや事業承継検討者にはどういう影響があるでしょうか。

廣渡
ないことはないと思いますが、大きなものではありません。特に事業承継税制が新しくなりましたが、期待したほどの変化もなく、そんなに影響は出てこないと思います。
組織再編税制はかなり前に整理されていて、そこから大きくは変わっていません。
私たちが注目してきた動きの大きいベンチャーM&A には、事業承継も組織再編もあまり関係ないと思います。

――大塚家具さんのニュースが話題になりましたが、どこが買収するのがいいと思いますか。

廣渡
買収するとなると、なかなかハードルが高いのではないでしょうか。あの会社を本当に活かし、かつてのような輝きを取り戻すことは決して容易ではない気がします。企業としての格も知名度もあるのでいずれ成立するのだと思いますが。
TKPが興味を持っているという話が出ていますが、売り手のビジネスモデルを活かすというより、独自のビジネスモデルを持ち込むことで光明が見出せるかもれません。
そういう意味では、ドン・キホーテもいいかもしれないですね。もともと良い場所で店を出していたり、良いものを持っていたりする会社を、「こんな風に使っちゃうの?」という使い方をするのは、TKPやドンキさんだと思うので。

――ドンキさんだったら衝撃的ですね。

廣渡
M&Aの世界では、売り手のビジネスモデルに固執してしまうと、必ずしもうまくいかないことがあります。
ドン・キホーテは割安なものを買い取って、統一感なく活かすことであのようにうまくいっています。TKPも同様で、空いている会議室を積極的に借りているので統一感は重視せず、コストもかけないという戦略です。
彼らの知名度とネットワーク、仕入れ力があるからそれができるんですよね。ダイソーもその点は似ていますが。

手数料を払ってから、後悔しないために

――M&Aアドバイザーの中には、売り手と買い手にそれぞれ別のアドバイザーがつく「片手取引」と、両方に同じアドバイザーが入る「両手取引」の2種類がありますよね。
売り手・買い手の両方と取引をしているアドバイザーは手数料商売なので、マッチングさせることを重視してM&Aを進めるでしょうから、売り手としてそれはハッピーなことではないという意見も聞きますが、AGSさんのスタンスはどうですか。

廣渡
当社も「両手取引」を手掛けていない訳ではないですが、基本的には「片手取引」です。両手取引は利害の異なる売り手と買い手、どちらに対してもベストを尽くしづらいので、やはりこのやり方には無理があると言わざるを得ません本来的には片手取引のアドバイザーを志向すべきでしょう。
「両手取引のほうがM&Aはまとまる」と言われることもあるようですが、片手取引でもM&Aは十分まとまるはずです。

――たとえば弊社のM&Aバンクは、どこに売れると思いますか。また、どうすれば売れるでしょうか。

廣渡
とにかくもっと伸ばしてから売るべきですね。だんだん削ぎ落されてニッチトップに入り始めたら、M&Aセンターやストライクが一緒にやろうと言い出しそうな気もします。それはピナクルや当社の可能性もありますが。
若くても、小さくても、ニッチトップに近づいていけば無視できない存在になれるはずですよ。

――最後に、M&Aを経験したことがない経営者、M&Aアドバイザーをつけたことがない経営者のみなさんへアドバイスをお願いします。

廣渡
M&Aはタフな交渉ですし、慣れていないとドタバタしますから、アドバイザーをつけた方が安心です。虚勢を張って妙に高い値段を言ってしまったり、周りの人から断片的な知識を聞いて耳年増になって正しい判断がつかなくなったりすると、まとまる取引もまとまらなくなってしまいますから。
ただ、アドバイザーであればどこでも良いという訳ではないと思います。
片手取引で、きちんと会話が成り立つアドバイザーをつければ、より納得感があるはずです。ベンチャーM&Aの世界は情報が早く、まっとうなM&Aができるようになってきましたから、今後はそれがスタンダードになってくると思います。

■廣渡 嘉秀:株式会社AGSコンサルティング代表取締役社長/公認会計士/税理士
1967年、福岡県生まれ。90年に早稲田大学商学部を卒業後、センチュリー監査法人(現 新日本監査法人)入所。94年、公認会計士登録するとともにAGSコンサルティングに入社。2004年に代表取締役専務、06年に副社長を経て08年より社長就任。09年のAGS税理士法人設立に伴い同法人代表社員も兼務し、現在に至る。

※ベンチャーM&Aサミットでお話しいただいた内容の一部はこちらからご覧いただけます。

 

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