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2018.05.07

#21 韓国と北朝鮮の合同卓球チームはスポーツでは反則だが、ビジネスでは何の問題もない

冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

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対戦予定が一転…韓国と北朝鮮、統一チームに 世界卓球

スウェーデンのハルムスタードで開かれている卓球の世界団体選手権で、3日の女子準々決勝での対戦が決まっていた韓国と北朝鮮が試合を行わず、南北合同チーム「コリア」を結成して共に準決勝に進むことになった。国際卓球連盟(ITTF)が3日発表した。4日の準決勝で、日本と対戦する。 ITTFによると、「コリア」の結成は、両チームとITTFの3者で2日夜に協議した結果だという。両チームの選手たちは試合が予定されていたコートに入場後、握手を交わした。4月の南北首脳会談で署名された「板門店宣言」では、国際競技に韓国と北朝鮮が共同で参加することが盛り込まれていた。

3日の記者会見では「突然のルール変更は試合の公平性を損ねる」という指摘が出たが、ITTFのバイカート会長は「ルールを超えた出来事だ。平和へのサインだ」と述べた。

卓球では過去、1991年に千葉市で開かれた世界選手権で分断後初めて合同チーム「コリア」が結成され、女子団体で優勝している。

記事引用元:https://www.asahi.com/articles/ASL535V9YL53UTQP01B.html

ビジネスではよくあること

まだ気分はGWということでゆるめの記事となります。
5月3日、世界卓球女子準々決勝で対戦予定だった韓国と北挑戦が試合直前に、試合を行わずに合同チームとなって準決勝進出となりました。
ルールなんて一切無視でこんなのスポーツでも何でもないと思いますが、今回話したいのはビジネスの世界ではこんなことばかりだなと思ったということです。

ビジネスの世界選手権

「世にある大企業は国別予選を勝ち抜いてきた代表選手」
これはM&Aセンターの方がよくおっしゃっていることですが、言い得て妙だと思います。
言うまでもなく現在のビジネス環境は国内で完結することは少なく、大企業各社は世界中で競合企業と戦っているわけです。
戦い方は色々あり、自分たちでこつこつレベルアップして強くなっていく会社もあれば、他社と一緒になることで一気に強くなろうという会社もあります。
例えば、後者の戦略をとっている企業としてJT(日本たばこ産業株式会社)があります。

JTの世界での戦い方

JTのいるたばこ業界は、国内では健康志向と人口減により頭打ちは確実、一方で世界に目を向ければフィリップ・モリス、ブリティッシュ・アメリカンなどの巨人が複数おり、単独では到底勝ち目がない状況でした。
そこで、M&Aを戦略の柱として世界市場で戦っていこうと決めたのでしょう。
2007年の約2兆円でイギリスのギャラハー社を買収した案件を筆頭に数々のクロスボーダーM&Aを仕掛けているわけですが、もしM&Aをしなかったならばこれらは海外市場でJTが戦わなければならない競合企業だったわけです。
もちろん競合各社も積極的にM&Aを繰り返しており、たばこ業界に限ったことではないですが世界一を目指すようなレベルではM&A合戦といってもいいような状況になっています。
ちなみに、JTはホームページ上で自社のM&A戦略について説明しており、とてもわかりやすいので興味があればどうぞ。
https://www.jti.co.jp/recruit/fresh/rd/tobacco/outline/cont06/index.html

ビジネスの全日本選手権

上記は世界に目を向けた話ですが、この状況は国内でもあまり変わりません。
厳密には、海外先進国に比べ日本ではM&Aはそこまで活発ではなかった印象はありますが、今後は同じ状況になるということです。世界であろうが日本であろうが競争の構造は変わらないため、自ずと戦い方も同じ方法に収斂されていくだろうと考えています。

国内でわかりやすいのが薬局業界です。アインファーマシーズや日本調剤など複数の大手企業がおり、中小規模の薬局を積極的に買収しています。
誤解を恐れず言えばどの薬局であってもビジネスモデルは変わらず、規模の経済が働きやすいためM&Aによる拡大戦略は有効です。

M&Aも戦うための手段

大手企業では、競合の大手企業との全日本選手権に勝つために積極的にM&Aを行っているようなものです。中小企業が買い手のケースでは、同地域の競合との地方予選に勝つためのM&Aです。
ただし、中小企業が売り手になった場合は、大手企業の傘下に入り、全日本選手権での戦いや、場合によっては世界選手権での戦いに挑んでいくことにもなりえます。

このように、スポーツではありえませんがビジネスでは他社や競合と合同チームを作ることはよくあることといえます。逆にM&Aしないで大丈夫ですか?という状況にすらなっています。
また、M&Aにより戦うフィールドは変化していくため、経営者の方々は自分がどのフィールドで戦いたいのかを一度考えてみることは有益なのではないかと思っています。

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冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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