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2018.05.28

♯28 ミクシィの婚活サービス運営子会社売却に思う、M&Aも結婚も大事なことは同じということ

冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

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IBJ—ミクシィ子会社Diverseの株式を取得し、婚活サービスの強化へ

 IBJ<6071>は22日、ミクシィ<2121>子会社Diverseの株式を取得、子会社化することを決定したことを発表した。

Diverseは、友人・恋人探しのマッチング事業、結婚支援事業、恋愛メディア事業を三本柱として比較的ライトな婚活潜在顧客層をターゲットとしてサービスを展開している。

今回の子会社化は「日本の成婚の3%をIBJが創出する」とした同社の中期経営計画の実現を目的としたもので、同社の本格的な結婚相談事業と、Diverseのライトユーザー層向のマッチング事業等を、両社のノウハウを活かし共有する包括的な事業提携によりさらに発展させていく意向。

Diverseの2017年3月期の売上高は28.88億円、経常利益0.70億円であった。IBJによる取得価額はアドバイザリー費用等を含む概算で5.28億円。株式譲渡の実行は7月2日を予定している。

記事引用元:https://minkabu.jp/news/2114545

分かりやすい買収理由

なぜこのニュースを取り上げたかというと、さっき社員から結婚式しましたと写真が送られてきたためです。

さて、5月22日に婚活事業を運営するIBJ社は、婚活サービスを運営するDiverse社の全株式を約5億円でミクシィ社から譲り受けると公表しました。IBJ社にとって本件の意義は明確で、記事に書いてある通り、これまでは本気で婚活を考えているガチ(婚活顧客層)なユーザーをメインターゲットにしていましたが、Diverseのマッチングサービスなどを利用するライトなユーザー(婚活潜在顧客層)を囲うことで、ライト層とガチ層に対して包括的なサービスを提供できるということです。

今回注目したいのは、なぜミクシィはこの子会社を売却したのかということです。

分かりづらい売却理由

2017年3月期のDiverseの売り上げは約29億円、経常利益は約7千万円だったそうです。これだけ見ると売り上げもそこそこの規模ですし、利益も出ているので売らなくてもいいのに、と思う人も多そうです。僕もどうしても売りたかったわけじゃないのだと思います。

別の観点では、ミクシィは1,500億円以上の現預金を持っており、Diverseの売却により得られる5億円などどうでもいいはずです。事実、ミクシィのIR資料ではIBJから声をかけられたと書いてあります。ではどうして売ったのでしょうか。

そのヒントが、5月19日に共同通信がミクシィ木村次期社長に行ったインタビューにあります。ここでは、ゲーム1本足の経営を見直し、今後10年で3本の柱を創出する為に5年以内に1,000億円規模を投資する方針であり、具体的にはサッカーチームへの出資や高齢者向けサービスの分野に進出することを明らかにしています。

この背景には、現在のミクシィは年間約1,300億円の収益を生むモンスターストライクを中心としたゲーム事業で収益の約9割を稼いでおり、これだけでは今後の成長は見込めないという状況があります。そもそもゲーム事業はヒットゲームを生み出せるかに依存するため、いつ業績が悪化するかわからないのです。

そしてここからが本題。あくまでも推測ですが、ミクシィ経営陣が今後1,000億レベルの事業を作っていくための検討をした時、この観点では婚活サービスは難しいと考えたのではないでしょうか。つまり、婚活サービスは数十億の収益を産む可能性があったとしても、ミクシィが今後目指していく1,000億レベルの事業には到底ならないだろうと考えたということです。

大事なことは同じ

ここでようやく今回の売却話が出てきます。上記のような状況にミクシィが置かれている時に、IBJは売却話を持ちかけたのではないでしょうか。

IBJはもっと前からDiverseを買収したいと考えていたかもしれませんが、M&Aは当然相手があることなので、自分たちの都合だけでは決められません。そして、IBJはここしかないというドンピシャのタイミングでミクシィにオファーを出し、合意に至ったのだと考えることができます。

結局大事なことはタイミングだということです。ということを、婚約したのに結婚に至らなかった過去と重ね合わせて本稿のタイトルとなりました。

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冨岡 大悟: TOMIOKA C.P.A OFFICE 代表/公認会計士

KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、Idealink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。

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