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基本合意を撤回してきた相手に損害賠償を請求したい |判例紹介 Vol.02 | M&A BANK

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2019.05.08

基本合意を撤回してきた相手に損害賠償を請求したい |判例紹介 Vol.02

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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全回は「撤回された側」で考えます。

 判例によれば… 
基本的に厳しい。よっぽどの場合なら可能

〇 強く期待させられたり、細かい条件まで既に決めてあったら希望あり
▲ 最終合意の成立/締結の「義務」を主張して通るのはまれ

 

ポイント|「基本合意を結ぶ」=「最終契約を確約」ではない

  • あくまで最終契約が「期待できる」だけで、法的な保護の対象にはならない
  • 基本合意で詳しい条件がほとんど確定していれば認められることもある
     …協力を定めるのみ、交渉で解決するべき事項が残っている場合は通らない

※ 以下2つは “よっぼど”の例

判例紹介①|エム・ビー・アイファンド事件(平成17年頃)

概要

  • 売り手候補が買い手候補に対して、実際には解決していなかった最大の交渉事項(リファイナンスに関する問題)について、解決が確実である旨を告げていた
    (※ 要は「盛った」情報を伝えていた)

→その後、基本合意を白紙撤回

判決

  • 信義則上の義務違反
    信義則=信義誠実の原則:相手方の信頼を裏切らないよう行動すべき、という法原則

損害賠償義務が認められた

理由

確実性に関する見込みが変化したらすぐにその情報を相手に伝え、選択を検討する機会を損失させないよう配慮する注意義務があるため。

 

判例紹介②|ジェイ・ノード事件(平成18年頃)

概要

  • 基本覚書において協議で決める項目、DD実施後に決める項目を示す一方で、譲渡金額は3700万円とすること、(譲渡日は営業譲渡契約書に記載するが)4月1日とすること等具体的な内容も定めていた
    (※ 要は、あとで決めることもちゃんと書いていたが、重要なところはかなり具体的に定めてあった)

→その後、基本合意を白紙撤回

判決

  • 最終合意の成立を認定

営業譲渡が実行されていれば支出しなかった費用(履行利益)の賠償請求を認めた

理由

基本覚書で譲渡日、譲渡対象、資産の内容、譲渡代金、従業員の処遇の概要など営業譲渡契約の内容が確定していたため。

※原則は最終合意に向けた協議基本合意とは別に最終合意が締結されることを想定した基本合意をもって最終合意の成立は認められないので、本件は例外的な裁判例と言われる

参考文献
阿南剛・後藤高志・辻川昌徳(2015)『実務分析 M&A判例ハンドブック』商事法務

 

こうならないために結ぶのが基本合意!

破談になったら困る場合、もめる心配を取り除いておきたい場合は、そもそも基本合意の段階で損害賠償などの解決方法を取り決めておくことでトラブルを防げます。

基本合意は、重要な情報のやりとりや手間をかけた調査を始める前に、「どのくらい本気か、前向きか」「どんな風に進めるイメージか」を確認しておくものです。ここでお互いの認識の確認・すり合わせがしっかりできていると、その後のステップを無駄なくスムーズに進めやすくなります。
事前に自分たちが求める条件を明確にしておき、それがしっかり反映された基本合意を結べるようにしたいところです。必要があれば法的拘束力を持たせましょう。
作成を依頼する弁護士さんの他にも知見のある方がいれば、ぜひアドバイスをもらってみてください。

今回は基本合意を結ぶこと自体に破談になった相手を責める力はないという結論になりましたが、基本合意の重要性が改めてよくわかりました。

 

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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