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2019.07.24

会社分割で承継したら、債務も肩代わりすることになるか|判例紹介 Vol.12

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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会社分割とは
あるビジネスを切り出して新しい会社をつくったり(新設分割)、他社に吸収させる(吸収分割)手法。切り出したビジネスの分新株を発行する。
その新株を他社に渡せば、ビジネス単位での移転ができる点で事業譲渡に類似したM&Aになるが、事業譲渡の場合は対価を現金で支払うのに対し、吸収分割の場合は株を交換する形になる。
また、グループ内の組織再編や経営資源の再配分のために、切り出したもとの会社や株主が新株を持つ場合もある。

 判例によれば… 
そのつもりがなくても、引継ぎ対象に含まれうる

〇 承継(肩代わり)の範囲は分割の当事者の合意で決められる
▲ 明確に範囲を決めていないと、解釈で判断される傾向がある

 

ポイント|事業譲渡と似ているようで違う

  • 事業譲渡と似ているが、未知の問題を引き継ぐリスクが大きい
    …引き継ぐもの一つ一つを特定・列挙しなくても契約できるため、特定されていない場合は解釈によって承継の範囲を判断される余地がある

判例|承継対象に含まれると判断されたケース

概要

  • 労働派遣契約における派遣先としての契約上の地位が、吸収分割によって承継会社に承継された

訴えた側:分割前の会社と労働契約を結んでいた労働者
会社分割の契約関係に起因する不当労働行為責任も承継会社に承継されたと主張

訴えられた側:承継した側の会社
吸収分割契約には該当する契約上の地位は明記されていないので、承継されていないと主張

判決

  • 合理的な解釈で特定することが可能な限り、それに該当する権利義務も承継対象になる

→ 労働者派遣契約上の地位、派遣就業関係・それに付随する使用者としての地位も承継対象に含まれる 

理由

吸収分割契約には承継される権利義務のすべてを個別に列挙する必要がないため、合理的な解釈で承継されるものが特定できることが可能であれば、契約として問題はない。

参考文献
阿南剛・後藤高志・辻川昌徳(2015)『実務分析 M&A判例ハンドブック』商事法務

 

売買の相手以外の利害関係もしっかり整理を

M&Aに関する判例を見ていると、売買の当事者間の争いだけでなく、債権者との争いの事例が多く出てきます。
今回は会社分割という手法でM&Aをした場合の、債権者と承継者の間での争いをご紹介しました。

他にも、会社分割(吸収分割)後に、債権者が元の契約で立てた保証人に対して弁済を要求し、保証人の弁解が認められなかった事例もあります。
M&Aをする際は、売買の当事者だけでなく、これまでのビジネス・経営の中でできた様々な利害関係の処理でもできるだけもめごとを減らせるよう、事前にある程度細かくリスクや対応を洗い出しておく必要がありますね。

 

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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