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2019.08.28

インサイダー取引にあたるのはどこからか|判例紹介 Vol.16

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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インサイダー取引
証券取引の公平性・透明性を保持するため、金融商品取引法は、上場企業等の会社関係者が立場上重要事実を知り、それが公表される前に株の売買を行うことを原則禁止している。違反すると刑事罰のほか、課徴金納付命令の対象となる。
その情報を利用したかどうか、それによって利益を得たかどうかは関係なく罰され、違反した人物が関係する法人に対しても5億円以下の罰金を科される場合もある。
また、罰されるのは会社関係者に限らず、その企業に行政指導を行う公務員、弁護士などの外部業者、知人も対象となる。重要事実を聞かされていない場合でも、勧められて売買を行っていれば処罰の対象となる可能性がある。

 判例によれば… 
知ってしまっていたらほぼアウト

▲ 規制はどんどん厳しくなっている
〇 一部例外もある

 

ポイント|アウトになる条件はふたつ

  • ①M&Aに関する重要事実を知っている
    …会社の業務執行の意思決定をなしうる権限を(実質的にでも)持つ主体が、外部にも認識できる形で意思を表明すれば「決定事実」と言える
    …M&Aの実施に向けた作業(調査、交渉等)を始めていれば、実行が確実でなくても「決定事実」に当たる
  • ②売買を公表前に行っている
    …公表の条件
     ①複数の報道機関に対する公開後12時間の経過
     ②金融商品取引所等に対する通知および金融商品取引所等における電磁的方法による公衆縦覧
     ③重要事実等の記載された有価証券届出書等の公衆縦覧
  • 例外もあるが、利益を得ようとしたら×
     …株主の権利としての新株発行や株式買取請求は可能
     …ただし、取得した株を売却したらインサイダー取引にあたる
     …その他、敵対的TOBに対する防衛買いや、株主総会によって決まり、公表を行ったうえでの自己株式の取得なども可能

判例公表の条件について争った判例(経産省職員事件、平成26年頃)

概要

  • 経産省の職員が業務の中で合併についての決定事実を知った
  • 約500万円分の対象会社の株を買い付け
  • 株式購入時点でメディアへのリークがあり、関連する記事もあった

既に重要事実は公表されていたとして、インサイダー取引には該当しないと主張

判決

  • 新聞報道は会社の意思に基づいて会社の責任においてなされたものではない
  • 報道に対し、「会社の発表ではない」「会社として決定した事実ではない」とする適時開示が行われた
  • 決算説明会でも話題に触れられてはいたが、準備を始めたと認識できる内容ではなかった

 →決定が公表されたとは認められない
  懲役1年6か月、罰金100万円(3年間執行猶予、金1031万9500円を追徴)

参考文献
阿南剛・後藤高志・辻川昌徳(2015)『実務分析 M&A判例ハンドブック』商事法務

 

M&Aでもインサイダーには要注意!

M&Aでは機密情報の取り扱いが非常に大切です。
社内への伝え方・タイミングによっては混乱が生まれ、取引に影響を及ぼす可能性もあるほか、取引の相手候補が上場企業であれば、今回ご紹介したようにインサイダー取引にも注意が必要になります。

 

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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