2018.05.16
ハッピーリタイアで重圧から解放!廃業ではなくM&Aを行うメリットや注意点とは
安田あかね:M&A BANK編集部 ライター
後継者に相応しい人物がいない、自分の子供に継がせたいが経営者に向いていないなどの理由で、後継者不足に悩んでいる方もいるでしょう。「このまま後継者が現れなければ廃業するしかない」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで検討していただきたいのがM&Aです。会社を売却したり合併したりすることで、後継者問題の解決に繫がります。
安心して退任し、悠々自適な隠退生活を送るハッピーリタイアを実現できるかもしれません。
ここでは、ハッピーリタイアの方法やメリット、注意点などについてご紹介します。
ハッピーリタイアとは
ハッピーリタイアとは、老後資金をしっかり確保したうえで悠々自適の隠居生活に入ることを指します。後継者が現れないために廃業したとしても、悠々自適の隠居生活に入ることさえできれば、ハッピーリタイアと言えるでしょう。
しかし、廃業した場合、これまで働いてくれていた従業員を解雇することになります。そのような事態を避けたい方にとっては、廃業によって隠居生活に入ることはハッピーリタイアと呼べないかもしれません。
その場合は、後継者に相応しい人物が現れて事業継承に成功した方が、よりハッピーなリタイアになるでしょう。
M&Aによるハッピーリタイアのメリット
M&Aとは、合併と買収を意味する言葉です。
会社を売却してハッピーリタイアすることには、次のようなメリットがあります。
個人保証の負担からの解放
経営者によっては、個人資産を担保に事業資産を借り入れていることも。その場合にもし借入金の返済が滞ると、住宅や車など、担保にしている個人資産が差し押さえられてしまいます。
そんな不安を抱えて日々経営し、いつもストレスを感じている経営者もいるのではないでしょうか。
M&Aでハッピーリタイアができれば個人保証が解消されるため、売却後に事業が傾いても個人資産が差し押さえられることはありません。
雇用維持の責任感からの解放
経営状態が悪化すると、給料の減額やボーナスカットなど、社員の待遇を下げる必要が出る可能性があります。場合によっては社員を解雇することにもなるでしょう。
廃業すると社員全員を解雇することになりますが、会社を売却すれば雇用を維持することができます。「きちんと使命を果たせた」と安心できるのではないでしょうか。
手元により多くの資金を残せる
会社の売却に成功すると、廃業した場合よりも多くの資金を手元に残すことができます。老後資金が多くなれば生活にゆとりもできますし、子供により多くの財産を残したい場合にも有効です。
ハッピーリタイアの注意点
M&Aのタイミングや方法を誤ることで、ハッピーリタイアを実現できなくなる可能性があります。ハッピーリタイアを実現するための注意点をみていきましょう。
企業価値が高いタイミングで売却すること
業績が悪化して企業価値が低くなっているタイミングで売却しても、利益はほとんど得られません。できるだけ多くの利益を得るために、企業価値が高いタイミングで売却することが大切です。
企業価値が高ければ、それだけ高値で交渉が成立しやすく、買い手も見つかりやすいでしょう。
業績が低下しているときにM&Aの交渉をすると、従業員の解雇や給料の減額などを条件として提示されることがあります。従業員の雇用継続を重視している経営者にとっては、辛い選択になってしまいます。
経営環境を整えておくこと
M&Aでハッピーリタイアをする場合、経営者が変わることになります。社員によっては経営者が変わることでモチベーションが低下し、退職してしまう場合があります。仕事へ打ち込む姿勢が悪くなって、業績の悪化に繫がるケースもあります。
このようなことを防ぐために、次の経営者が経営しやすいように環境を整えておくことが大切です。
会社を売却することに理解を得られるように、役員や古参社員、その他の従業員に会社を売却する旨を早めに伝えておき、モチベーションが低下しないようケアしましょう。
このように、M&Aの際には様々な準備が必要です。
経営者だけで全てを上手く進めることはなかなか難しいので、専門家に協力を求めることも検討するとよいでしょう。
おわりに
ハッピーリタイアを実現するために、まずは自分にとってどのような隠居生活の入り方がハッピーリタイアと言えるのかを考えましょう。
廃業するよりも会社を売却した方が、より多くの老後資金を残せて、従業員の雇用も維持できる可能性が高いです。
専門家の協力も得て、企業価値が高いときに売却の交渉ができるよう準備しましょう。
安田あかね:M&A BANK編集部 ライター
大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。
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