2018.05.17
#25 「スヌーピー」でおなじみピーナッツ社のM&Aを書こうと思ったらそんなことはどうでもよくなった話
冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士
ソニー子会社のソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は14日、「スヌーピー」のキャラクターで日本でも知名度が高い「ピーナッツ」の版権などを持つ米国社に約39%出資する契約を結んだと発表した。スヌーピーを使った番組や映画の制作など、知的財産ビジネスの拡大につなげる狙いがある。
ピーナッツの版権を持つピーナッツホールディングス親会社でカナダの子供向け番組制作大手DHXメディアから6月末に株式を取得する。取得額は約204億円。ソニーによると、同社の業績に与える影響は軽微という。
記事引用元:http://www.sankei.com/economy/news/180514/ecn1805140006-n1.html
5月14日、ソニー子会社のソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)はスヌーピーの版権を持つピーナッツホールディングス(ピーナッツ)の株式39%を約200億円で買うことを公表しました。
ということで今回は本件ディール(ディールの意味がわからない方は前号もご覧下さいhttps://ma-bank.jp/1202/)について取り上げたいと思います。
IPビジネス
IPはintellectual property rightsの略で、知的財産という意味です。例えば音楽、小説、アニメ、キャラクターなど様々なものがあります。SMEがピーナッツの株を取得した理由はシンプルで、IPビジネスを強化するためです。
このビジネスで世界一有名なのはディズニー(たぶん)ですが、日本でも例えばバンダイナムコホールディングスはガンダムやドラゴンボールのIPを活用しゲームなどを作っています。バンダイナムコのHPに「IP軸戦略」として各種IPが紹介されているので貼っておきます。
https://www.bandainamco.co.jp/group/ip.html
IPビジネスとM&A
個人的にはIPビジネスとM&Aは相性がいいと思っています。というのは、普通の会社を買収するという話であれば、組織や財務状況がしっかりしているか、買収後も想定通りに機能するかなど論点が多いのですが、IPビジネスの場合は、極論そのキャラクターの権利さえ買ってしまえばあとは重要じゃなかったりします。
また、随分前からキャラクターIPを生み出して流通させるハードルは下がってきており、才能ある組織や個人がキャラクターを自作し、いいものであればLINEスタンプなどで簡単に拡散することができます。実際LINEスタンプのみで数億円稼ぐ個人がいるとのニュースが先日ありました。デザイナーでもそうじゃなくても、興味ある人は是非サクッと作って売ってみたらいかがでしょうか。
スヌーピーの正体
さて、ようやく本件ディールの話をしようかと思ったのですが、ふと考えてみるとスヌーピーとは何者なのかを私は全く知らないことに気づきました。ミッキーであれば、ディズニーアニメやディズニーランドで、どんなキャラクターでどういう世界観なのかがなんとなくわかります。しかし、スヌーピーについてはキャラクター自体は昔から知っているものの、その他には何も知りませんでした。
そこでググってみたのですが、wiki先生によると1950年年くらいにアメリカで生まれた漫画だそうです。どんな内容か気になったので、オフィスの隣の丸善書店に行ってスヌーピーの漫画をパラパラ読んでみました。これが結構な衝撃でした。
正直、子供向けの漫画だろうと思っていたのですが、内容は大人でも十分楽しめる。というかむしろ大人であればより考えさせられるストーリーが数多くありました。ふと気づいたら1冊買っていました。もはやM&Aとかはどうでもよく、ぜひ皆さんにも読んでほしいなという思いでこの記事を書いています。
最後に、スヌーピーの本から印象深い会話の一部を紹介したいと思います。訳は私が勝手につけました。
ルーシー「Sometimes I wonder you can stand being just a dog.」
(私は時々思うの、どうしてあなたは犬なんかという存在でいることをガマンできるんだろうって。)
スヌーピー「You play with the cards you’re dealt …whatever that means. 」
(それは配られたカードで勝負するしかないからだよ…たとえそれがどういう意味であっても。)
冨岡 大悟: M&A BANK株式会社 代表取締役/公認会計士
KPMG/あずさ監査法人のIPO部に所属。IPO関連業務、M&AのDD、会計監査等に従事。フロンティア・マネジメント株式会社にて、M&Aアドバイザー業務等に携わる。その後、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後、TOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IPO、M&A、資金調達、事業開発等のコンサルティングを行う。同時に、IdeaLink株式会社の取締役CFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員に就任。
-
売却後が絶好の買収タイミングになる条件 |ニュース解説プレミアム Vol.29
2021.10.26
売却後が絶好の買収タイミングになる条件 |ニュース解説プレミアム Vol.29
-
デコルテHDがIPOを実現させた二つのM&A|ニュース解説プレミアム Vol.28
2021.09.28
デコルテHDがIPOを実現させた二つのM&A|ニュース解説プレミアム Vol.28
-
非上場会社が株式を使ったインセンティブ設計をする方法|ニュース解説プレミアム Vol.27
2021.08.26
非上場会社が株式を使ったインセンティブ設計をする方法|ニュース解説プレミアム Vol.27
-
著名人のビジネスを買収する理由|ニュース解説プレミアム Vol.26
2021.07.28
著名人のビジネスを買収する理由|ニュース解説プレミアム Vol.26
-
freeeによる合同会社のM&A|ニュース解説プレミアム Vol.25
2021.06.23
freeeによる合同会社のM&A|ニュース解説プレミアム Vol.25
-
M&A前提の起業の留意点|ニュース解説プレミアム Vol.24
2021.05.25
M&A前提の起業の留意点|ニュース解説プレミアム Vol.24
新着M&Aニュース
-
M&Aニュース
売却後が絶好の買収タイミングになる条件 |ニュース解説プレミアム Vol.29
2021.10.26
-
M&Aニュース
デコルテHDがIPOを実現させた二つのM&A|ニュース解説プレミアム Vol.28
2021.09.28
-
M&Aニュース
非上場会社が株式を使ったインセンティブ設計をする方法|ニュース解説プレミアム Vol.27
2021.08.26
-
M&Aニュース
著名人のビジネスを買収する理由|ニュース解説プレミアム Vol.26
2021.07.28
-
M&Aニュース
freeeによる合同会社のM&A|ニュース解説プレミアム Vol.25
2021.06.23
アクセスランキング
-
売却後が絶好の買収タイミングになる条件 |ニュース解説プレミアム Vol.29
2021.10.26
-
freeeによる合同会社のM&A|ニュース解説プレミアム Vol.25
2021.06.23
-
上場会社を操り人形にする方法|ニュース解説プレミアム Vol.16
2020.09.30
-
2021年大量発生中のM&Aトラブル |ニュース解説プレミアム Vol.20
2021.01.22
-
SOMPOによるABEJA関連会社化、実は今後大流行のM&A手法|ニュース解説プレミアム Vol.23
2021.04.26
案件情報をお探しの方 担当からすぐに連絡いたします。
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.