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相対or入札?売却戦略の選び方|Vol.234 | M&A BANK

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2019.11.19

相対or入札?売却戦略の選び方|Vol.234

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 目次 

1.  入札方式を選んだ方がより高く評価されるケース
2.  相対取引が望ましいのはこんなケース

 

入札方式を選んだ方がより高く評価されるケース

島袋
売り手が買い手とやりとりをするとき、個別相対(あいたい)入札のどちらの方式を選択するか迷った場合はどうやって決めたらいいんでしょうか。

宮崎
これはけっこう悩みますよね。まず入札のことを知らないオーナーも多いので、そこの説明から入ります。

やっぱり会社の価値評価ってすごく難しいですよね。買い手によっても価値が変わるし、本来は買い手が将来得られるキャッシュフローから算定されるべきなので、ややこしいんです。
だから、車でも絵でも、価値を決めるのが難しいものは入札で値段を決めることが多くなります。

入札方式にすると、プロの買い手が指し値を決める過程で正しい価値に収斂されていくと思います。
そういう意味では、やはり条件を最大化して正しい価値で売りたいなら、入札方式を選ぶべきじゃないかと思います。

もちろんデメリットもあって、「入札方式ならうちは買収を検討しない」と言う買い手もいます。とはいえ、本当に買いたい案件なら参加しますけどね。
だからやっぱり、売却条件を最大化することが大事なら、入札を選ぶべきです。

もうひとつ入札が向いているのは、利益がけっこう出ている案件です。
というのは、入札の場合はちゃんと個別説明をしにくいんですね。入札で何十社にも打診するとしたら、相手が条件提示する前の段階でそんなに何度も会えないじゃないですか。
だから、たとえば赤字の理由や目的を説明してフォローすることができないんです。

あとは上場会社が売却する場合は、取締役会には善管注意義務があって、公平性・客観性を求められます。だから、ちゃんと努力したと判断してもらうためだったり、ちゃんとした評価金額で売れるとか、それよりも高く売れたということを示すために、入札方式が選ばれることもあります。

でも、入札方式を仕切れるアドバイザーは世の中にあまり多くはいないので、入札を仕切れて信頼できるアドバイザーが周りにいなかったら、実際には難しいですね。
やったこともない人に任せるとけっこう大変なことになっちゃうので、注意した方がいいです。情報が出回ってしまったり、魅力的なアプローチができなかったりで入札のメリットが活かせことになりかねないので、よく考えた方がいいですね。

 

相対取引が望ましいのはこんなケース

宮崎
出は逆に、1社1社打診していく相対取引が向いているケースは何か。
たとえば先ほど言ったように、事業の価値の説明がしにくい場合とか、特定の会社と短期間で決めたい場合とか。
それに、特定の買い手しか考えられないようなM&Aもあると思うので、その場合は当然相対になりますよね。
従業員のこととかをいろいろ考えている売り手のオーナーさんが、買い手の経営者の考え方に心配がないことを確認できてからM&Aの話を進めていきたいという場合も、相対が向きます。

あとは、「自分たちの会社を売り物にしてオークションをするなんてダメだ」という人もいましたね。

ある程度業績もよくて魅力的な会社で、より良い条件で売りたければ、基本は入札がいいと思いますよ。

島袋
なるほど!どうもありがとうございます。
みなさん、入札がいいか相対がいいか、イメージできましたね?
宮崎さん、今回もどうもありがとうございました!

【出演者情報】
■宮崎淳平:株式会社ブルームキャピタル-代表取締役社長
ライブドアグループ、株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社社楽にてM&Aアドバイザリー業に従事。その他にもプライベートエクイティ投資案件、資金調達案件、及びファンド組成・運営を多数経験。2012年にブルームキャピタルを創業。『会社売却とバイアウト実務のすべて』著者。

■島袋直樹:M&A BANK株式会社-取締役会長
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡し、2018年3月よりM&A BANKの運営を開始。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。

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