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2018.04.25

改めて申請が必要?事業承継後にチェックするべき青色申告の注意点とは

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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法人の事業承継と言えば、株式の移行や従業員への周知などが必要ですが、個人事業主は株式を持たないため、経営者が廃業届を提出し、後継者が開業届を提出すれば完了となります。難しい手続きをすることなく事業承継ができますが、青色申告をしようと考えている場合には少し注意が必要です。場合によっては、その年に青色申告ができなくなり、税負担が大きくなる可能性があります。青色申告は、所得控除において白色申告よりも有利なので、確実にできるようにしたいところです。ここでは、事業承継後の青色申告の注意点についてご紹介します。

青色申告とは

青色申告は、複式簿記という方法で帳簿を付けるなどの条件を満たすことで、10万円か65万円の所得控除を受けられる申告方法です。所得控除が多いということは、それだけ所得税額を抑えられるということなので、多くの個人事業主が青色申告をしています(※1)。

複式簿記が理解できない場合は、専用のソフトを使用したり、税理士に代行を依頼したりするとよいでしょう。

個人事業主店舗の8割が青色申告を利用…確定申告の実態調査で明らかに|株式会社デザインワン・ジャパンのプレスリリース

青色申告承認申請書を提出する

青色申告をするためには、事前に青色申告承認申請書の提出が必要です。提出期限は開業日から2ヶ月以内ですが、1月16日までに開業した場合に限り3月15日までに提出することになります。

承認を却下された場合には、その旨が通知されますが、承認された場合には通知されません。承認されたかどうかを知りたい場合は、承認されたときに控えが返送されるように書類を郵送しましょう。

青色申告承認申請書を2通作成して切手を貼った返信用封筒を同封すると、控えを返送してもらえます。

事業承継後に改めて申請が必要

青色申告承認申請書は、事業継承後に改めて申請が必要となります。これは、個人事業主における事業承継が「前の経営者が廃業して別の経営者が新たに事業を始める」ということであるためです。法人とは違って納税者が変わるため、青色申告承認申請書の提出が必要になります。

もし、青色申告承認申請書の提出を忘れてしまい、提出日に遅れてしまうことになれば、その年度は青色申告ではなく白色申告となるため、所得税の負担が大きくなってしまいます。

通常とは提出期限が異なる

事業承継の際に注意したいのが、青色申告承認申請書の提出期限が通常と異なるということです。相続が事前に決まっていた場合、被相続人の死亡日または相続開始を知った日が基準となります。

被相続人が死亡した場合、その年の1月1日から死亡日までの所得金額と税額を計算し、4ヶ月以内に申告と納税をすることになります。これを準確定申告というのですが、青色申告承認申請書の提出期限は準確定申告の期限よりも短い場合があるので注意が必要です。

死亡日に対する青色申告承認申請書の提出期限は次のとおりです。

・1月1~8月31日・・・死亡日から4ヶ月以内
・9月1日~10月31日・・・12月31日まで
・11月1日~12月31日・・・2月15日

1月1~8月31日以外のパターンでは、準確定申告よりも青色申告承認申請書の提出期限の方が短いので注意しましょう。特に、12月の末に相続が開始したような場合には、期限まで1ヶ月と少ししか残されていないため、状況によっては提出できないこともあるかもしれません。

白色申告の場合は?

被相続人が白色申告で、事業承継後に青色申告に切り替える場合には、通常通りの期限で青色申告承認申請書を提出することになります。1月16日以降に業務を開始した場合には、2ヶ月以内に提出が必要です。それ以外の場合には、青色申告の承認を受けたい年の3月15日までに提出してください。

青色申告承認申請書の提出期限を過ぎてしまい、白色申告しかできなくなった場合は、どうしても所得控除の金額が少なくなってしまいます。ただし、白色申告には、専従者控除という制度があります。

これは、親族や配偶者など生計を一にしている人物に給与を支払った場合、計算式に基づいて算出された金額の控除を受けられる制度です。配偶者が最高86万円、それ以外の親族が最高50万円となっています。

専業専従者の数に1を足した金額で控除前の所得金額を割った金額が専従者控除額となります。例えば、専業専従者が配偶者で控除前の所得金額が200万円の場合、100万円が控除額です。86万円以上なので、最高額の86万円が控除されることになります。

できるだけ青色申告承認申請書を期限までに提出したいところですが、どうしても難しい場合には白色申告の専従者控除を利用して税金を抑えましょう。

おわりに

個人事業主の事業承継では、一旦廃業届を提出してから開業届を提出します。そのため、新たに事業を始めたという扱いになり、青色申告承認申請書を改めて提出する必要があるのです。提出期限が通常とは異なるので注意しましょう。

青色申告は白色申告よりも所得控除が充実しているので、確実に申告できるよう準備を進めたいところです。

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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