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2018.05.16

事業承継の遺留分に関する制度とは?法改正の後だからこそ知っておきたいチェックポイントまとめ

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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平成28年4月に経営承継円滑化法の改正法が施行されました。その改正された法律の一つに「遺留分に関する民法の特例」があります。これは、事業承継の際に問題となり得る遺留分の問題に関わることです。

遺留分に関する民法の特例について理解していないまま事業承継をすると、後から思わぬトラブルに発展する可能性があります。今後、自分の子供や他社の役員・社員などへの事業承継を予定しているのであれば、必ず確認しておきましょう。

ここでは、事業承継における遺留分の制度について詳しくご紹介します。

事業承継における遺留分とは

遺産相続の際には、法律で定められた相続人が法律で定められた相続分に従って資産を受け継ぎます。しかし、ここに遺言や贈与が関連してくると、法律で定められた相続人へと十分に資産が受け継がれなくなる場合が生じてしまうことも。

例えば、遺言に「1人の子供に遺産を全て受け継がせる」という旨が記載された遺書があると、その他の子供は遺産を受け継げなくなってしまいます。このような場合に、他の子供が主張できるものが「遺留分」です。

遺留分とは、法律で定められた一定の範囲の相続人に対して認められる遺産の最低限の取得分のことです。遺書に特定の人物へ全ての遺産を引き継ぐ旨が記載されていても、最低限の遺産を取得する権利を得られます。

事業継承においては、後継者となる子供に株式を集中して承継させることで事業継承を成立させます。そのため、遺留分によって自社株式が分散してしまい、経営に支障をきたすことがあるのです。

平成28年4月に改正された経営承継円滑化法の「遺留分に関する民法の特例」は、このような問題を解決できるものとなっています。

遺留分に関する民法の特例とは

遺留分に関する民法の特例では、現在の経営者が推定する相続人全員の合意を得られた場合、経営者から後継者へと受け継がれた自社株式を遺留分の算定から除外したり、評価額を固定したりできます。具体的に、どのようなメリットがあるのかみていきましょう。

除外合意

遺留分を決める際には、遺留分算定基礎財産を計算する必要があります。除外合意は、遺留分算定基礎財産から後継者が受け継いだ株式を除外する合意です。

つまり、遺留分を決めるときに自社株式を計算に含めなくなるため、後継者以外の人物が自社株式を受け継ぐ主張ができなくなります。自社株式の分散を防げるため、事業承継後の経営の円滑化に繫がるでしょう。

固定合意

遺留分算定基礎財産に自社株式を算入する際、固定合意の時点での評価額で固定します。それにより、自社株式が後継者へと受け継がれてから評価額が上昇したとしても、遺留分の額が変わりません。

そのため、後継者が自社株式を相続する際に、想定していなかった遺留分の主張を受けずに済むのです。

親族以外でも利用できる

改正前は、「遺留分に関する民法の特例」の除外合意や固定合意を利用する条件として、現在の経営者が相続人として推定している人物が後継者である必要がありました。

つまり、親族外の事業承継において除外合意や固定合意などを利用することができなかったのです。

改正後は、現在の経営者が推定する相続人全員と後継者の合意を得られた場合に限り、親族外の事業承継でも「遺留分に関する民法の特例」を利用できるようになりました。

そのため、親族内に後継者として相応しい人物がいない場合、親族外事業継承を検討しやすくなったと言えるでしょう。

遺留分に関する民法の特例の注意点

遺留分に関する民法の特例は、推定相続人の合意なしに遺留分算定基礎財産から自社株式を除去したり評価額を固定したりできるものではありません。

除外合意や固定合意のために推定相続人全員の合意が必要なため、トラブルに発展してしまうと合意を得られなくなり、事業承継後の経営に支障をきたす恐れがあります。

後継者以外の法定相続人が遺留分を主張したということは、相続について十分な話し合いができていなかったということです。

家族関係が崩れてしまうことにも繫がりかねないため、自社株式を後継者へと受け継がせる理由や事業承継の仕組みなどを家族に伝えておくようにしましょう。

そして、自社株式の大部分を後継者へと引き継ぐことに理解を得て、全員が納得できるように相続について決めておくことが大切です。

おわりに

事業承継の際に遺留分の主張によって自社株式が分散すると、円滑な会社経営ができなくなる可能性があります。

遺留分に関する民法の特例によって遺留分算定基礎財産から自社株式から除外したり、固定合意の時点での評価額に固定したりすることで、事業承継後の経営の円滑化に繫がるでしょう。

相続に関わる全員が納得できるように、予めしっかり話し合っておくことが大切です。

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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