2018.04.25
専門家を雇うなら……。M&Aの仲介手数料・報酬、果たしてどれぐらいかかる?
安田あかね:M&A BANK編集部 ライター
M&Aは、仲介業者に依頼するのがおすすめです。仲介業者は、双方が納得できるようにM&Aの交渉をしてくれるため、トラブルを避けたうえで契約を成立させられます。
ただ、仲介業者はM&Aの仲介を事業としているため、仲介手数料・報酬がかかります。M&Aの契約締結後には税金など様々な場面でお金がかかるため、仲介手数料・報酬を抑えたいという方もいるのではないでしょうか。
まずは、仲介手数料・報酬の決まり方や相場について確認しておきましょう。ここでは、M&Aの仲介業者に依頼した際にかかる仲介手数料・報酬についてご紹介します。
仲介業者に依頼するメリットは?
できるだけM&Aに関係する費用を抑えたいという方もいるのではないでしょうか。中介業者に依頼せずにM&Aを進める場合もあるでしょう。しかし、M&Aでは企業価値の算定や交渉など専門的な知識が必要であるため、自社だけで行おうとすると失敗する可能性があります。
また、買収後に簿外債務や人材流出、不正会計など会社に不利益をもたらす問題が起きた場合には、失敗とまではいかなくとも成功したとは言えないでしょう。このようなM&Aのリスクを考慮しつつ、交渉して契約へと進めていくことになります。
交渉が決裂した場合、別の企業とのM&Aを検討することになりますが、対象となる企業は限られているため、失敗を避けることが大切です。失敗を避けるためにもM&Aの仲介業者に依頼することをおすすめします。M&Aの仲介業者に依頼するメリットは次の通りです。
トラブルに対処してもらえる
M&Aの仲介業者は、M&Aの契約までに発生したトラブルに対処してくれます。トラブルに適切に対処できなければ、そのままM&Aを契約できなくなることも考えられるでしょう。
買い手に信頼感を与えやすい
M&Aに専門的な知識が必要なことは、売り手・買い手ともに把握しています。売り手側が仲介業者に依頼することで、買い手に信頼感を与えられるでしょう。交渉がスムーズに進みやすくなる可能性があります。
M&Aの仲介手数料・報酬はどうやって決まる?
成功報酬の他に相談量や着手金、中間金などがかかります。仲介業者に依頼する流れは、業者に相談、着手、契約締結です。このプロセスの全てに費用がかかるので注意しましょう。完全成功報酬型の仲介業者もいるため、比較的安く依頼できる場合もあります。
仲介手数料・報酬の相場は?
M&Aの仲介業者に支払う報酬はどれぐらいが相場なのでしょうか。中小企業の場合の相談料、着手金、中間金、成功報酬の相場をご紹介します。
相談料
株式譲渡や合併、事業譲渡などの相談はいずれも無料となっていることが多いです。仲介業者としては、契約できたときの報酬が大きいため、気軽に相談できるよう無料にしていると考えられます。
着手金
着手金は、M&Aの仲介契約が締結したときに支払うものです。相場は、事業譲渡、株式譲渡、合併などいずれの場合も50~100万円程度となっています。着手金は、M&Aの契約が成立しなかった場合にもかかるため注意が必要です。
中間金
中間金は、M&Aを契約する相手の企業との基本合意契約が締結した際に、仲介業者に支払うものです。相場は、事業譲渡や株式譲渡、合併のいずれの場合も50万円となっています。
仲介手数料
仲介手数料は、リーマン基準という方法で算出することが一般的です。これは、譲渡価格が高くなればなるほどに手数料が高くなる計算方法となっています。譲渡価格が1,000万円以下の場合は150万円、3,000万円以下では250万円、6,000万円以下は350万円、1億円以下は500万円です。
1億円からは、譲渡価格に一定の割合をかけた金額が仲介手数料となります。1~5億円以下は5%、10億円以下は4%、50億円以下は3%、50億円以上は2%が一般的です。3億円の5%は1,500万円ですが、4億円の5%は2,000万円となるように、譲渡価格が高くなれば仲介手数料も高くなります。
そのときに合った仲介業者を選ぼう
着手金や中間金、成功報酬などが他の仲介業者と比べて高いからと言って、必ずしも実績が豊富で交渉の能力に長けているとは限りません。まずは、仲介業者の実績や企業とのコネクションについて調査しましょう。コネクションがあれば、それだけM&Aに成功しやすいと考えられます。
おわりに
M&Aの仲介業者に依頼することで、契約前のトラブルにも迅速に対処してもらえるため、M&Aに成功しやすくなるでしょう。仲介手数料・報酬は、相談料と着手金、中間金、成功報酬で決まります。
仲介業者を選ぶときには、仲介手数料・報酬だけではなく、実績や企業とのコネクションなども考慮してくださいね。
安田あかね:M&A BANK編集部 ライター
大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。
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