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2018.05.16

M&Aでもよく見る、第三者割当増資の流れとメリット・デメリットを解説

安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

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2017年12月、東芝が6000億円の第三者割当増資を実施し、新たに発行した株式を米サーベラスなど海外の投資ファンド60社が引き受けました。
これは、東芝メモリの売却益を計上したことによる課税で、2018年3月末に債務超過になることを避けるためです。

今回はこの第三者割当増資に焦点を当てて、詳しく説明したいと思います。

M&Aでも利用される第三者割当増資とは

東芝は資金調達のために第三者割当増資を行いましたが、新しく発行する株の数が多ければ議決権に大きく変化するため、実はM&Aの手法としてもよく利用されます。

既存の株主を残したまま(既存株主の株を売却せず)、既存の会社のまま(分割せず)、新しい筆頭株主を迎える形になります。また、対価は会社の資金として入ります。

そのため、経営を続けたいオーナー社長が資金に困っている際などに、この手法が用いられます。

第三者割当増資の流れ

公開会社で行う場合は、取締役会決議で募集株式数と振込金額、さらにその算出方法を決めます。そして金銭の払込期間と増加する資本金、及び資本準備金に関する事項を決定します。

また、払込金額が引き受ける株主にとって特に有利な金額であれば、株主総会での特別決議が必要です。非公開会社の場合には、募集事項は株式総会の特別決議で決定しますが、その他は公開会社と同じとなるでしょう。

引き受けの申し込みがあれば取締役会で割当を決定し、割当先へ通知した後に払込を受けて登記申請を行い終了です。取締役会が設置されていない未上場会社の場合には、株主総会での特別決議で割当を決定します。

第三者割当増資を行うメリット

未上場会社の場合、株式を公開していないので公募増資での資金調達はほぼ不可能ですが、第三者割当増資であれば、新株の引受先を決めることで資本の払込を受けることができます。

第三者割当増資は資金を借り入れるわけではないので、返済の必要がありません。また、実行する会社の資産や負債は増減しないので、新たに契約締結をしたり行政上の許認可を取ったりする必要がないのもメリットと言えます。

第三者割当増資のデメリット

増資をすると総株数が増えるので、1株あたりの利益率が低下し、株価の下落につながります。また、資本参加するために第三者割当増資を引き受けても、その会社を100%子会社化することはできません。

既存株主の持株割合が少なくなるため、株主総会決議での承認を得にくいこともあります。

発行価額には注意を

第三者割当増資を行う場合、その発行価額に注意しなければなりません。それを引き受けるのは新規の株主になるので、時価よりも低い価格で行うと既存の株主との間に不公平感が生まれます。

また、新株を引き受けた個人あるいは法人には、時価との差額に対して税金が発生することになります。
ただし、株価が急速に上昇している場合は、元々低い価格で取得していた既存株主が有利と判断することもできます。

原則として、払込金額は取締役会決議の前日終値に対して90%以上とされています。市場価格が急激に変動している場合には、6ヶ月以内の平均金額の90%以上とすることも可能です。

有利発行には株主総会での特別決議による承認が必要

2017年5月、ダイエットプログラムで有名なライザップが東証2部上場の堀田丸正株式会社の第三者割当増資を全て引き受けたと発表しました。

新発行株式は発行済み株式数2464万株に対して3500万株、さらにその価額は1株55円という破格の値段でした。1株あたりの純資産は132円、契約締結の前日株価は120円だったため、新株主は株式の時価と払込金額との差額に相当する経済的利益を得ることになります。

さらに、既存株主にとっては総株数が増えることで1株あたりの価値が下落するため、経済的損失が生じます。このような有利発行には取締役会決議だけではなく、株主総会での承認が必要になります。

株式価値の評価方法とは

ところで、前述のライザップが払い込んだ1株55円という価格は、どのような根拠で算出したのでしょうか。実はこの算出方法にはいくつかのアプローチがあります。

この事例では、DCF法と呼ばれるインカムアプローチによる評価が用いられています。これは将来生み出されると期待できる利益、あるいはキャッシュフローに基づいた方法です。

他にも、実際の類似する会社の取引科学や株価を参考にするマーケットアプローチ、純資産に基づくコストアプローチがあります。

未公開会社の株式価値の評価方法

未公開株式を第三者割当増資により引き受ける場合、その価額を幾らにするかの判断はより難しくなります。

主に使われる方法は、純資産方式や収益方式、配当還元方式や比準方式があります。方式が変われば適正価額が変わりますが、「客観的資料に基づく一応合理的な算定」であれば、基本的には認められることになります。

まとめ

M&A手法としての第三者割当増資について、お分かりいただけたでしょうか。ただし、増資をする側も引き受ける側にも、注意点や課題もあるのでしっかりと戦略を立てて決定することが大事です。
 

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安田あかね:M&A BANK編集部 ライター

大阪大学人間科学部を卒業後、教育系企業に就職。新規事業部にて新サービスの運営基盤づくり、スタッフの管理育成やイベント企画に携わる。
IdeaLink社ではウェブマーケティング領域の業務を経て、M&A BANKの立ち上げ・運営に関わる。サイト管理の他、経営者インタビューや記事の編集を担当。

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