2019.02.02
売り手SES企業社長との交渉|Vol.131
売り手社長はいったいどんな人?
島袋
今回も、ZEINの志賀野社長に来ていただいてます。
前回は会社の概要と、1期目でタレントバイという形でM&Aをされたお話をうかがいました。
今回はその買収について、さらに深掘りしていきます。
まず、(売り手の)松浦社長はどういう方なんでしょうか?
志賀野
松浦さんはもともとSESの企業で営業をされていた方で、元の会社の社長さんがもう一個(会社を)作るときにそこで社長をやらないかという話があったみたいで、それをきっかけに社長になったらしいです。
島袋
オファーがあったわけですね。
志賀野
そうですね。それで、その時にいた社員さんを連れてSAVVYを立ち上げたみたいです。
私が会った時には元々の会社さんとの繋がりはなくなっていて、20人ぐらいの社員を抱えて経営されていました。
一貫してIT人材事業に関わっている人ですね。
彼女がやり手なところは…
島袋
女性なんですね。
志賀野
そうなんです。売れる人材を集めているという意味で、彼女はやり手ですね。
(IT人材事業には)人を集める側面と売る側面とがありますが、彼女は前者の集めるところが得意で。売る方は今の時代の流れでどんどん売れますし、会社としても好調でした。
売り手社長、今は1社員?!
島袋
買収したあとは、100%子会社にされたんですよね。
社長さんはまだ残ってますか?
志賀野
残ってますよ。1従業員、1営業担当として残っています。
島袋
そうなんですか!
僕は今社長ですけど、もしどこかのグループに入ったとして、いち従業員に戻れるかな~と考えてみると……戻れないなぁ!俺!
志賀野
僕も、これでもずっとサラリーマンもやっていたんですけど、戻れないです。
だから特殊なケースかもしれないですね。
彼女は戻りたいというか、その仕事を続けたい、営業をやっていきたい、IT人材を売りたいという気持ちがあったんです。
彼女自身が(別のところで社長をするよりは)誰かに上についてもらう形でやっていこうかなと判断した形ですね。
島袋
そうなんですね。グループとしてよりパワーアップした感じですね。
金額交渉、なかなかぶっ飛んでます
島袋
一般的にM&Aというと、意向表明をして基本合意をして、DDに入って、最後に(契約を)締結するという流れになりますが、
志賀野さんのこの件では、そのあたりのプロセスはどんな感じでしたか?
志賀野
そのきっかけの時点でお互いの利害がけっこう一致していたので、最初はスムーズに始まったんですよ。
島袋
DDが?
志賀野
そうですね。条件のあたりを話すまではスムーズでした。
僕も(M&Aが)初めてだったので、DDの進め方も冨岡さんに聞いたりしましたが、それも一回、二回ぐらいで済みました。抱えている人を売るっていう、すごく単純なビジネスなので。
でもやっぱり松浦さんも(M&Aは)初めてなので、何をよしとしていいかわかんないんですよ。「これぐらいじゃないか」とかそういう話になってくると。
島袋
金額の話になると、ですか。
志賀野
そうですね。
彼女が周りの知り合いに相談したりして、1回「これじゃ売れません」ということになったんですよ。
島袋
ちなみに、そのとき出ていた金額はいくらぐらいだったんですか?
志賀野
その当時……最初は、300万円でした。
島袋
300万!!!???
志賀野
僕が最初に言ったのはそうです。(笑)
(創業)1年目なので、お金ないじゃないですか。だから300万って言ってみたんです。
島袋
別に言うのはタダですもんね。変えることもできますし。
志賀野
冨岡さんも驚いてましたけどね。「えっ!?」って。(笑)
島袋
いや~、面白い!!
志賀野
まあそれで、彼女はその話を持って帰ったわけです。旦那さんもITの世界にいるので、旦那さんに相談したり、税理士さんに話したり。
そうしたらどうも、「4000万から5000万円くらいが相場だ」と、周りの方々は言われたみたいなんですよね。それと10倍以上違うじゃないですか。
それをどうやって埋めようかなと思って、そこで一気にガーンと(つまづいた)。
それまでは順調だったんですけど、ガーンと。
島袋
なるほど。かなり低めの、ローボールを投げたんですね。ギリギリのところを。
志賀野
一応打てるんじゃないかなと思ったんですけど、打ってもらえなかったですね。
島袋
そこからまた上がってくるかもしれないですからね。
それで、そのあとはどうなったんですか?
※続きはこちら※
一桁以上の開きがあった希望金額のすり合わせ|M&A BANKプレミアム Vol.12
島袋
いや~面白い。
まだまだ伺っていきたいと思います。次回もどうぞお楽しみに!
■志賀野 寛彦:ZEIN株式会社-代表取締役CEO
外資系コンサルティングファームに勤務後、5年ほどで独立しフリーランスに。2017年にZEIN(株)を設立し、ITを中心としたコンサルティングサービスやAI・FinTechなどのプロダクト開発を行う。コンサルティングとエンジニアスキルの両面を持ち合わせたマルチスキルな人材育成を掲げる。
【ZEIN株式会社のM&A概要】
IT人材確保のために、SEを抱える企業の子会社化を検討。SAVVY社のシステム開発・運用力とZEIN社のITコンサルティング、システム導入・運用支援のノウハウの相乗効果を見込み、2018年12月28日に株式会社SAVVYの全株式を取得。ZEINの100%完全子会社とし、社名を株式会社Carryzに変更。
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
26歳だった2008年にインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2014年にIPO準備に取り掛かるも、のちに断念。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。「事業は創って売る」がモットー。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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