2019.02.05
SEを抱えるときのポイント|Vol.132
冨岡が驚いた もう一つのエピソード
島袋
今回も、やり手のZEIN社志賀野社長に来ていただいています。
創業して1期目にしてM&A(買収)、しかもSEを20人抱えている企業に、最初に提示した買収額が300万という…超やり手です。(笑)
うちのCFOの冨岡からちょっと聞いたんですけど、DDの最中に売り手社長と一緒にご飯に行ったというのは本当でしょうか?
普通ならありえないと思うんですが…(笑)
志賀野
ええ、「お疲れ様」みたいな感じで。
DDの打ち合わせが終わったとき夕方だったので、冨岡さんが「ちょっとお腹すいたよね」みたいなことを言って、「そうだね」と。
その場に松浦社長もいたので、「行く?」と言ったら「じゃあ!」ってなって。
島袋
すごいな~(笑)
志賀野
そのあとに込み入った話はしてないですけどね。
でもそのあと、冨岡さんに驚かれました。あんまりないことなんですよね。
島袋
だって、買収を検討されている企業が、DDした会計士と買い手と一緒に飯を食べるんですよね?
普通ないですよ。(笑)
みんなが欲しがるエンジニア、買収で気を付けるべきポイント
島袋
SESなど、エンジニア系の企業をM&Aする時のポイントって、どういうところにあると思われますか?
志賀野
買う側の僕にとってのポイントとしては、人を買うことになるので、いかに会社のカルチャーとかアイデンティティとか、そういうところに入ってこれるか、というところですかね。
SESの特徴として、帰属意識が薄いというのはひとつあると思うので、そういったところをちゃんと持てる人材かどうかというところ。
買う側としてはそういうところを見ましたね。
島袋
たしかに、買った後に辞められてしまうのが1番のリスクですもんね。
志賀野
そうなんですよ。
条件やら契約である程度縛れたとしても、モチベーションによる浮き沈みが激しい人種なので、急に会社に来なくなったりということもあります。
「会社に所属する」という意識が低いと、当然「行かなくてもいいかな」ってなりやすいですよね。よくない傾向の人はそうなりえるので、そういうところは最小限見る必要があるかなと。
ひとりひとりを見ることはできないので、会社の今までの実績からそういうところを見る形ですね。
島袋
SAVVY社の社員さんは、M&Aされたあと、ZEIN社のオフィスにも来るようになるんですか?
志賀野
いるはいるんですけど、SESは直行直帰なので、結局皆みなさん外にいますね。
会社のパーティーをやったりして、見てもらいはしましたが、手続きに来たりするくらいで、特になにも変わりませんね。
島袋
感覚としては、マネージャーが変わったかな、ぐらい?
志賀野
まあそうですね。
正直な話、彼らは名刺も持たないんです。会社の色で仕事をしていないんですよ。
技術を持った一人の人間として、「これをやってください」と頼んで、「はいわかりました」と、そういう風に毎日過ごしている。
「この会社だからどう」というのはない。SESという業界ではそれが一般的な感じなんです。
それを少し変えていきたいという思いはありますね。
社名の変更も嫌がられなかった
島袋
買収してすぐに社名を変えると社員はどう思うのかな、と思ったんですけど、そもそもあんまり会社に対する帰属意識が薄いから問題ないんでしょうか。
社名を変えられた意図はなんでしょうか?
志賀野
SAVVYという会社は、一般的なSESよりは社長と社員の繋がりが強いんです。
松浦社長もよく面倒を見られていたし、社員も慕っていて、そこが一般的なSESと違ったので、僕も欲しくなったんです。
とはいえ、松浦社長と仕事をしたいという思いもありつつ、「新しいことにチャレンジできる場があればいいかな」という思いの方が強い印象でした。
なので、社名を変えることに関するこだわりというのは、社員の中には特になかったですね。
それに、買収できなかったとしても、子会社を作る準備は進めていたんです。
島袋
なるほど。
志賀野
名前はどっちにしろ変えるつもりで準備していたんですよ。
結局買収できて子会社になったので、その名前になったという感じです。
島袋
そういうことだったんですね。
それでは、今回はそろそろこのあたりでお開きですね。
次が最後の興行になりますので、次回もどうぞお見逃しなく!
■志賀野 寛彦:ZEIN株式会社-代表取締役CEO
外資系コンサルティングファームに勤務後、5年ほどで独立しフリーランスに。2017年にZEIN(株)を設立し、ITを中心としたコンサルティングサービスやAI・FinTechなどのプロダクト開発を行う。コンサルティングとエンジニアスキルの両面を持ち合わせたマルチスキルな人材育成を掲げる。
【ZEIN株式会社のM&A概要】
IT人材確保のために、SEを抱える企業の子会社化を検討。SAVVY社のシステム開発・運用力とZEIN社のITコンサルティング、システム導入・運用支援のノウハウの相乗効果を見込み、2018年12月28日に株式会社SAVVYの全株式を取得。ZEINの100%完全子会社とし、社名を株式会社Carryzに変更。
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
26歳だった2008年にインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2014年にIPO準備に取り掛かるも、のちに断念。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。「事業は創って売る」がモットー。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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