2019.02.07
初めての買収を振り返って|Vol.133
これまでのお話だとピッチャーっぽい志賀野社長
島袋
今回もZEINの志賀野社長に来ていただいています。これが最終回です!
これまでのお話を踏まえると、志賀野さんはアンダースローのピッチャーだったのかなという感じですが。
志賀野
いや、指名打者のバッターですね。
島袋
バッターなんですか。
ここから見る方はわけがわからないかもしれないですね(笑)申し訳ない。
実際に買ってから感じた難しさ
島袋
さて今回は、M&Aに関してなにか気になっていることとか、「実はこういうことがあった」みたいな話があれば教えてください。
志賀野
今回SAVVYという会社を買うにあたって、それなりに語った夢があるわけです。社長の松浦にも社員にも、「こういう未来があるよ」と。
それを実現していくステップを見せていかないといけないなと思っています。
それがやっぱりまだまだ形になっていないというか、動き始めてはいるんですが、社員たちも結局松浦さんが(売却を)決めてそこに付いてきたみたいなところもあるので、あまりイメージがわからないんですよ。
なので、それを打破するために、もっと近づいて行って、実際は具体的に何ができるのか、何が変わるのかと見せていかないとなと思っています。
そこに難しさが少しあるかなと。
たしかに、給与体系は重要ポイント
志賀野
あとは、会社の買収とはまた別に、普通に採用もしているので、そこの社員間のギャップをどう埋めるかですね。給料のギャップもありますし。
島袋
それはありますよね。給料のギャップのところ、聞きたいです。
やっぱり全然違いますよね。評価基準も全然違う。
志賀野
そうなんですよ。
この世界は30~50才の人もたくさんいて、そういう人たちは年数を重ねているだけあって年収500万円とか月40万とかもらっていたりするんですが、その人たちと月20万円の人との給料とスキルのギャップが人によって全然違うわけです。
同じWEBの系・オープン系の開発者・インフラのエンジニアがいて、それぞれの給料のギャップとスキルのギャップが違うときにそれをどう説明するか、どう納得させるか、というところですね。
島袋
どう説明するんですか?
志賀野
それはこれからですね。個別で対応していくしかないかなと思っています。
ただ、うちは今までにないSESの企業を目指したいなと思っていて。そもそもSESって呼びたくないんですよね。
ITエンジニアを抱える企業としてやっていく上では、それなりの評価軸、給料体系やレンジがあって、スキルに合わせて給料も上がるという形を示したいと思っています。
人によるギャップをみるのに多少時間がかかるケースもあると思いますが、ある程度の指標を作って、そこに無理やり入れていこうかと。
ただ、この3月4月とか夏に向けて、他にも会社を買うか、人をまとめて採用しようと考えているので…
島袋
またローボール投げるんですか?!
志賀野
そんなにローボールばかり打ってくれる会社はないとは思うので、そこはうまくやっていきたいですね。(笑)
なので、それまでに基礎的な指標を固めて準備しなきゃなと思っています。
今後はエリアを広げて
島袋
今後のイメージとかはどうですか?
志賀野
エンジニアを抱えてやっていくビジネスはどこの世界でもどの地域にもあるんですが、やっぱり国内では現状東京が断トツで数が多くて、地方はまだ手が回っていなかったり、大企業に集約されていることが多いんですね。
あとフリーでやっている人たちのこぢんまりした集まりがいくつかあるくらいだと思います。
なので、地方のエンジニアのマーケットを集約する組織みたいなものを作って、そこに投資をするのか、子会社として作ってから集めるのかはまだわからないですが、そういう輪を地方にも広げたいなと思っています。
まだ具体的にどことは決めていないんですが。
島袋
なるほど。
ということは、地方で開発会社をやられていて「経営をどうしようかな」とか、社員のマネジメントに苦労されている経営者がいたら、いいかもしれませんね。
グループに入って仕事することによって、いろいろな保証があったり、免除されたりするのはいいですよね。
そろそろお時間が来てしまいました。いや~志賀野さん、面白かったです。
これからもぜひ、引き続きよろしくお願いします。
どうもありがとうございました!
■志賀野 寛彦:ZEIN株式会社-代表取締役CEO
外資系コンサルティングファームに勤務後、5年ほどで独立しフリーランスに。2017年にZEIN(株)を設立し、ITを中心としたコンサルティングサービスやAI・FinTechなどのプロダクト開発を行う。コンサルティングとエンジニアスキルの両面を持ち合わせたマルチスキルな人材育成を掲げる。
【ZEIN株式会社のM&A概要】
IT人材確保のために、SEを抱える企業の子会社化を検討。SAVVY社のシステム開発・運用力とZEIN社のITコンサルティング、システム導入・運用支援のノウハウの相乗効果を見込み、2018年12月28日に株式会社SAVVYの全株式を取得。ZEINの100%完全子会社とし、社名を株式会社Carryzに変更。
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
26歳だった2008年にインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2014年にIPO準備に取り掛かるも、のちに断念。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。「事業は創って売る」がモットー。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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