2019.02.26
チャレンジングな買収をする社長のマインド|Vol.141
伝統的組織の中の革命家、の味方
島袋
今回も、ふるさとチョイス運営のトラストバンク社を買収された、株式会社チェンジの福留社長に来ていただいています。
やっぱり気になるところなので、官公庁や大企業と取引をする秘訣をさらに詳しく教えて欲しいんですが…
福留
秘訣はですね、
やっぱり官公庁や大企業の中にも意思決定をちゃんとする人がいるんですよ。
ほとんどの人は調整するのが面倒くさい。「ここで投資をする」とか「こういう新しいことをする」というのを組織の中で通すのが面倒くさいんですよ。
でも、「俺はやる」という意志を持った人がたまにいるんです。
我々はそういう人たちをお客様にしていて、お客様は本当に同志なんです。
「いっしょにこの企画をやろう」「一緒にこのビジネスを立ち上げよう」「一緒に今の仕事のやり方を変えよう」という人を、これもご縁なのか、うまく見つけて一緒になって一生懸命変革をやる。
そうやっているうちに1個実績ができる。
1個実績ができると、日本ってみんな横並びなので「あの会社でやっているあの仕組みをやりたい」って言ってくるんです。
なので、ひとつ一生懸命やって形にすることができれば、あとは芋づる式です。
島袋
なるほどなあ~
倍の規模だからこそ、買う
島袋
トラストバンクさんは買収当時、60億ぐらいの売り上げ、営業利益8億ぐらい、未上場でしたよね。
社内に(買収の話を)持ち帰ってきたときはどういう話になったんですか?
福留
社内に持ち帰って投資の意思決定をするときは、まぁまぁ入念に説明しましたね。
当然まず、「デカくない?」って話じゃないですか。
島袋
そうですよね。(笑)
福留
「自分たちの倍の規模のビジネスをしている会社をM&Aするの?」という不安がありますよね。
でも私にとってみたら、「いやいやいやいや、倍あるからこそM&Aするんでしょ」と。
島袋
いやー、上場企業だ!
福留
そうあるべきですよね。オーガニックグロースって難しいんですよ。
なんだかんだ言っても我々みたいなビジネスモデルでも、人をいっぱい採用してコツコツ商品を作って、一生懸命営業をして、というオーガニックグロースだと地道に1歩1歩進めていくしかないんですよね。
当然ヒット商品が出たりして一気にギューっと上がるときはありますし、そこは常に狙っていますが、やっぱり計算された成長ってM&Aしかないです。
また名言ですよ。2つ目。
島袋
名言勝手に決めないでくださいよ。(笑)
福留
「計算された成長はM&Aしかない」と。
株主からあだ名で呼ばれてる
島袋
みなさんぜひ調べてほしいんですが、福留さんは過去にラジオにも出演されているんですよ。
そこで、「福留さんの初恋の人は誰ですか?」「お父さんは何されていますか?」「好きな経営者は誰ですか?」なんて言う質問もされていました。
そういうのに出演されていると、外から見てもどういう人柄かがわかりますよね。
そういうのは重要ですよ。社長のPRというか。
福留
ありがとうございます。株主だけには自分を晒していますので。
島袋
そういえば、掲示板で「セミナーおやじ」って言われているんでしたっけ。
福留
そうなんですよ、「セミナーおやじ」。(笑)
この動画も個人株主が見てくれると思います。僕は(株主との)距離が近いんですよ。
島袋
絶対にチェックするんですよね。
福留
そうです、Yahoo掲示板を必ずチェックして。
そうするとみんな、エールを送ってくれるんですよ。「社長、そろそろリリース出してね」みたいな。
そう言われると「出しちゃおっかな」と思っちゃうじゃないですか。
島袋
へー!
福留
忙しいとさすがに待っててくださいという感じですが、ネタがいっぱいあって、ちょっと時間を作れて、リリースをいろいろ棚卸して今やっている取り組みをマーケットに知らしめないとなというタイミングがあるんです。
特に株主のニーズが多いときはそれにお答えして、リリース強化月間という感じでいっぱい情報を開示します。
島袋
上場企業の社長向けにそういうコンサルもできそうですね。
福留
いやいや、それは流石にできないと思います。本当に我流ですけど。
島袋
そこはぜひIRTVのキムさんと組んでいただいて、ですね。
そろそろお時間ですね。またM&A BANKでお会いしましょう!
■福留 大士:株式会社チェンジ-代表取締役兼執行役員社長
アンダーセンコンサルティング(現 アクセンチュア)にて約3年勤務したのち、独立。2003年に当社を設立する。eビジネス戦略立案、経営計画立案、海外法人設立、BPR等のプロジェクトを公共領域などで豊富に経験。現在は新しいIT技術を活かし、日本企業の変革を促す事業を主に手掛ける。
【株式会社チェンジのM&A概要】
2018年11月、もともと取引先だった、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」等の運営・企画を行う株式会社トラストバンクの株式を取得(子会社化)。地域の地場産業における支援、パブリテック事業を通じた地域の課題解決に取り組む方針を進める。
■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
26歳だった2008年にインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2014年にIPO準備に取り掛かるも、のちに断念。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。「事業は創って売る」がモットー。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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