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さらに大きくイグジットするためのイグジット|Vol.183 | M&A BANK

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2019.06.18

さらに大きくイグジットするためのイグジット|Vol.183

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 目次 

1.  M&A業界のイチロー、実績に迫ります
2.  ややこしいスキーム、なぜ実現できた?
3.  信用できる人の見分け方
4.  当初はIPOを目指していたのに、どうしてこの方針に?

 

M&A業界のイチロー、実績に迫ります

島袋
ご自身でもたくさんM&Aを経験されていると思いますので、今回はそのあたりのお話を伺いたいと思います。

恵島
そうですね、ROIという今年商25億から30億くらいの覆面調査の会社を13年間経営していて、2年前に売却しました。

島袋
おいくらくらいでですか?

恵島
おいくら(笑)

島袋
ダメですか?(笑)

恵島
言っていいのかわからないんですけど、○○億で売却をしています。
売却をしているんですけど、No.2からNo.4の役員の人達に経営権を譲って僕は引退して、売却したお金で新しいファンドを作って、そのファンドが買い戻したんですよ。

島袋
ちょっと特殊なスキームですね。

恵島
そうですね、LBOローンで銀行からお金を借りてきて、その原資で一回現金を作って、また株を買い戻すという形を取っていますので。
○○億円で売却をしているんですが、実質僕が90%近くの株をファンド経由で持っているんです。

島袋
こういうケースって今後増えてくると思うんですが、要は会社を買収する為に金融機関でローンを組むってことですよね。

 

ややこしいスキーム、なぜ実現できた?

島袋
LBOローンってどこの銀行がやってくれるんですか?

恵島
一般的には都銀ですし、昔からりそなが強い傾向がありました。
LBOローンは個人でやるとかなり金額が大きいビジネスローンになってしまうので、1対1で僕がその銀行さんにやりたいなんて言っても全くテーブルにのらないんです。
ただ、LBOローンを何度か経験しているアドバイザーの人を間に入れると、その人の信用でできるようになるんです。

その人は500億円くらいのLBOローンを5社くらいやっているんですが、我々のLBOで失敗するとその先その人の信用がなくなるわけです。

島袋
その人は連帯保証に入るんですか?

恵島
連帯保証は入らないですが、その人の今までの実績があるので、レピュテーションを守るためにしっかりやってくれるだろうと信用できるということです。それと、我々の会社の価値の両方を見てもらって実行してもらったんだと思います。
実際僕が一人で行った時は「なにしに来られたんですか」みたいな感じで、受付突破すらできなかったですから。

 

信用できる人の見分け方

島袋
言える範囲で結構なんですけども、恵島さんから見て、アドバイザーの方を通してLBOローンを組むのに重要なポイントは何だと思いますか?

恵島
実は、LBOローンのコンサルをやりたいって方が3人いたんですが、銀行の人に銀行から見たときに誰が一番信用があるか、ちょっと遠回しに聞いてそれで判断したんです。
銀行からして、その3人の中で誰が一番必死にやってくれるか 、今までやってきた実績を壊したらいけない人なのかを聞いて、それで決めました。

いろんな人脈を使ってどんな人か徹底的に調べましたよ。すでにLBOをされている社長とも話して、実際どういう人ですかと聞いたりしました。

 

当初はIPOを目指していたのに、どうしてこの方針に?

恵島
ROI社については株式公開をしたかったんですが、リーマンショックがあったりして時期がずれて、その間に僕がデュアルライフを始めてしまったんですよ。
それに、私よりもナンバー2以下の経営陣の方が本体のことをマネジメントできるようになっていたので、そのタイミングでLBOという形でM&Aをしました。


そこは3年間かけて計画的にやったんですが、創業当初から計画的にやったM&Aではなかったんですね。

今は自分のやっている会社―先月売った2社を含めて―全て売却を前提とした組織作りや資本政策、経営戦略でやっています。時期も決めて。

島袋
ROI社を売却して、その資金で作ったファンドでまた株を90%持っているということは、実質的な支配者は変わっていないんじゃないかと思ったんですけど、そうではないんですか?

恵島
90%持ってるんですけど、GP(ゼネラル・パートナー)の方にもしっかりとした年間フィーを払って、役員として会社に入ってもらっているんです。
LP・GPの関係の中での支配力はあるんですが、経営に関しては一切関与していないんです。

島袋
売却して個人で(売却益を)取得して、ファンドを作ってまた投資した形ですよね。
売却益を得るだけでよかったんじゃないかと思うんですが、このスキームをとるとどういうメリットがあったんですか?

恵島
最初の売却で○○億円くらいのキャピタルゲインを得て、数億円を手元に置きつつ再投資していくので、もっとバリューアップできると予想しているんですよ。自分の会社なので。
たぶん5倍くらいの金額(になるだろうと見込ん)で。

島袋
そういうことか。

恵島
1回目で小さくイグジットして、10年間暮らしていけるくらいの現金を得て、10年以内にもっと大きいエグジットを。

島袋
マザーズで上がって、1部でも上がる、みたいな感じですね。
なるほど、面白いなぁ

恵島
実は3割くらい高い(額を提示した)会社もけっこうあったんですよ。
1番低い金額で売った形になりますが、10年スパンで見れば(最終的なエグジットが)1番高くなるだろうなと思ったので、そういう選択をしたんです。

島袋
いやあ、イチローさん、本当に勉強になります。
そろそろお時間でバッターボックスに呼ばれてるみたいですので、今回はここまでですね。
続きはまた次回お送りします。

 

【出演者情報】
■恵島良太郎:個人投資家、スタートアップスクエア株式会社-代表取締役
2004年株式会社ROI設立、『ファンくる』をリリースし、主力事業へ。2017年に代表取締役を退任し、マレーシアを中心としたグローバル事業へ集中する。3年間で5社のイグジットを経験。現在代表取締役を務めるスタートアップスクエア株式会社では、エンジェル投資およびイグジットに向けた支援を行っている。

島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。

【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw

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