2022.07.07
ブランド作りの天才、成功までの試行錯誤とM&A【弁才天・大野淳平代表】|Vol.687-689
2019年創業、コロナ禍に2年半で77店舗を展開した驚異の和菓子ブランド『弁才天』。生みの親に会いに行ってきました。
ゲスト■株式会社弁才天 大野 淳平 代表取締役社長
1988年生まれ。明治大学卒。広告会社などを経て、PR戦略コンサルタントに。2019年に「覚王山フルーツ大福弁才天」出店。現在65店を展開。
聞き手■島袋 直樹 連続起業家・M&A BANK株式会社 取締役会長
全米600店舗展開中の世界最大ピラティスチェーン「Club pilates」の日本とシンガポール法人の代表。上場企業への2度のM&Aによる億単位の売却実績を持つ。M&Aに特化したyoutubeチャンネル「M&A BANK」のメインMCのほか、薬用育毛剤「REDEN 」を販売するD2Cメーカー株式会社美元の代表を務める。2019年からシンガポール在住。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。 Twitter
【異色】フルーツ大福ブームを起こしたブランドの裏側
フルーツ大福弁才天 誕生秘話
2年半で77店舗に、和菓子ブランド『弁財天』誕生のきっかけは…
時間のある母と弟に仕事を作ろうと思っていた頃、好きな芋菓子屋さんの隣の物件が空いているのを見て突如構想が降ってきた
売上目標150万が〇〇〇〇万円に!?
目標150万/月 が 1,500万に!!
創業当初はフルーツ大福に懐疑的な反応が多かったが、いざ開業すると目標の10倍,1,500万を売り上げた
シドヴィシャスからジョンレノンへ
遠方から来て買えずに帰っていくお客さんを見て店舗拡大を検討
ブランドを維持しながらマスに広げることを決意
FCではなく“暖簾分け”で店舗拡大
“フランチャイズ”ではなく“暖簾分け”
商業的なFC展開を避けるため、FCではなく“暖簾分け”というネーミングに
加盟のハードルを上げることで熱意のある加盟者を募った
売却を考えたのは2号店を出す前!?
M&Aは1店舗目がはやったときから考え始めた
1号店目が繁盛してきたときから考えていた
M&Aを見据え弁才天をShepherdから切り離した
コロナが後押しした店舗拡大
コロナで本業に影響を受けた社長さん達が加盟し出店
水平分業型の拡大で模倣店が出る前にスピード拡大
好調なのにM&Aを考えたのはなぜ?
ブランドをカルチャーにしていく気持ちはあったが、自分よりも得意な人がいたら引き継ぐのがいいと考えていた
ブームであると仮定し、右肩上がりのタイミングで売却することを決めた
買い手はファンドにと決めていた
すでにカルチャーのある事業会社の下に入ると自分が作ってきたものが変わってしまうと思っていた
良くも悪くも色がないファンドに売るのがブランドのためだと考えた
▶動画はこちら◀
【ファンド泣かせ】異色の社長が追及したM&Aのギリギリのバランス
“3つのナシ”とは?
ファンドに求めた3つのナシ
「電話・会議・売り上げ目標ナシ」をファンドに要望
得意なゼロイチを創ることに注力するため売却を検討
“売上目標なし”その真意は!?
売上目標のために中途半端な状況で出店するのではなく、想いや世界観に共感した方に暖簾分けしたい
ファンドとの関係性
ファンドへの売却は世界進出を見据えて
全店舗を回ってくれた担当者の熱意を感じて売却先を決定
EXITではなく世界進出に向かうため、ファンドと協力体制に
株の放出をする理由
ただ管理業務を外注したいのではなく、自分事として経営に参画してもらいたい
身銭を切って関わってくれるファンドが適任と考えた
攻守分業体制に
プロダクトや広告戦略は自身が中心になって進め、守り(管理業務)はファンドに任せる
経済合理性のために拡大したり新商品を出したりはしない
大事なのは株の割合ではない
大事なのは株の保有割合ではなく実権をどこが握るか
過半数はファンドが持っても、ブランドを作る力があるのは自分だから問題ないと思えた
▶動画はこちら◀
【入社早々朝礼で…】破天荒社長、成功までの試行錯誤
大野社長のルーツに迫る!!
1社目は友人の父親の会社に就職
明治大学に進学し不遇の時代を経験するも卒業後地元に戻る
就活も上手くいかず友人の父親の会社に就職
権威に抗いたくなる気質で「社会不適合者」扱いされ、1年ほどで退職
カフェオーナーになるために広告業界へ
将来的にカフェオーナーとして独立したい一方で、修行は嫌だった
カフェオーナーと接点が多い広告業界へ転職
自身のカフェ経営への興味がオーナーに刺さり、オーナーとの関係構築に成功し成績もNo. 1に
退職後は個人で広告業務を受託
公私混同にも見える経費の使い方を問題視され、退職意向を伝えたところ新規事業部へ異動
異動の挨拶に行ったところ個人で広告業の依頼を受け、副業の形でビジネスが始まる
クライアントワークに限界を感じる
ビジネスへのかかわり方に限界があり、中途半端に感じるように
自分でお店を運営する人がブランドを作り上げているのに比べ、何も積みあがっていかない
自分でもプロダクトを作ろうと決意
その後の事業で得た学び
初めての売却はスペインバル
独立後、自身のプロダクトとしてスペインバルを開業
出だしは好調だったが競合が増え売却を決意
古着屋は今が一番いい状態
マーケティングは考えず自身の好みで作った古着屋
共感してくれるファンが少しずつ“積み上がっている”
飲食での失敗経験
新たに飲食店を開業するもシェフと対立し半年で閉店
属人性の高いビジネスモデルはリスクであると考えるきっかけに
▶動画はこちら◀
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