あの退職騒動の真相、教えてください｜Vol.099 | M&A BANK

あの件も、お聞きしていいでしょうか？

島袋
長谷川さんとは、お会いしてからゴルフも一緒に行かせてもらったりして、ものすごくいい人だなと思っています。仕事もちゃんとやっていただいて、本当にありがとうございます。
でも、長谷川さんのことをネットで調べたら、フジを辞めたときにいろいろ書かれているじゃないですか。

長谷川
フジを辞めたとき。懐かしいですね、6年前ぐらいですかね。

島袋
あの辺、実のところどうなんでしょうか。聞いちゃっていいですか？

長谷川
僕のブログでもフルオープンにしているので、聞いちゃっていいですよ。問題ないです。

実は、マスコミ業界のよくない慣習で…

長谷川
あれはですね、完全に僕が悪いんですよ。どう考えても僕が悪いですね。
というか、テレビ業界だけじゃなくマスコミ業界全体の風習なんですが、領収書の改ざんってみんなむちゃくちゃやっているんです。特に若手だったので1番やらされてきたクチなわけですね。

それこそプロ野球選手や政治家でもそうなんですけど、そういう方って直接喋るとわかると思うんですが、みなさんが思っていらっしゃるより「おいおい」とツッコミを入れたくなる人って少なくないんです。そして、そういう人に独占でインタビューを取らないとこっちも視聴率を取れない。
普通のキャバクラにはみんな連れて行っているので、そのくらいじゃ喋ってくれないんです。そうなると一段階進んで、具体的に言うと裸にならないといけないようなところとかに連れて行かないといけないんですよ。喜ばして喜ばして裸の付き合いをやって、やっと取れるインタビューがあるわけです。

現実的にそういう世界なんです。マスメディアみんな（同じようなことを）やってます。
でも、一発46万円、72万円なんて、そんな領収証落ちるわけないじゃないですか。

島袋
確かに…（笑）

長谷川
なので、それっぽい名前をつけた領収証18枚に分けたりして、日程を分けたり別の人を連れて行きましたみたいな話にして申請をするんです。こういうのを全部やらされてきたクチでして、これはみんなやってることなんです。

そういうふうにマスコミの会社員って、領収証や経理計算というものについてまぁみんな酷いことをやっているんですよ。僕もフリーになって「あーこれは余程酷かったんだな」とわかったんですが。

あんまり厳しく指摘されたので、つい

長谷川
とはいえやっぱり当時は、ニューヨークに駐在用に渡された仮払金も、そういう風に超適当にやっていたんです。当時の人事局の人はツーカーだったので、「はーい それでOK」「この領収書はこんな感じで」とメールでやりとりをしていました。
でも2011年に3.11が起きまして、その人事局の人がもともと報道のエース記者だったので、人事部から引き抜かれて現地に飛ばされたんです。それで引き継ぎゼロの状態で後任が来ました。その人が見てみたら、おかしなことになっているわけですよ。それで僕に注意にきたんです。
その人に対して僕が一言目にちゃんと「いい加減なことをして、本当に申し訳なかったです」と謝ればよかったのに、「こんなの横領と言われても仕方ない」みたいなことを言われたもんだから、若さもあって「ふざけんな」と…

「そもそも担当者とやりとりをして話は終わってんだ」「悪いことしたのはむしろ前任の担当者だろ、おかしいだろ」と、しかもここでとても言えないような罵詈雑言もみんなの見てる前で言いまくったんです。

それで「長谷川反省の色なし」と判断されて、処分をされたということなんです。そういうことで処分をされたまでは、フジテレビはまったく悪くないんです。

なんと、「横領」として情報を流した内通者がいた

長谷川
ところがそこからよくなかったのが、「毎朝テレビに出てた長谷川アナウンサーに何が起きたんですか？」と世間の人や週刊誌のみなさんが聞くようになったときの対応です。

実はフジテレビ内部に、週刊誌に情報を流したり、女子アナの携帯番号を１本〇万円で売ってる奴がいたことが（後から）わかったんですが、そいつが情報を握る立ち位置にいて、「あーあいつね、もう横領みたいなもんだから横領と書いていいよ」と言ったらしいんです。
これ、全部裏を取ってわかったことなんですよ。どの店でどういうコメントを言ったのを全部裏を取りました。本当にこれが許せなくて。

横領ではないんです。お金を盗ろうとはしてないわけですから。確かに費目のところはむちゃくちゃ適当に書いてますよ。
でもこれでは、子どもたちの名誉の問題になってきます。
「長谷川の父ちゃんがすげー適当に書類処分してた」というのと、「長谷川の父ちゃんが横領したらしいぞ」というのでは、話が桁違いじゃないですか。

これを週刊誌に流しやがったバカがいたので、「全部喋るからな！」と言って辞める意思をフジテレビの上層部に伝えたんです。そうしたら今度はフジテレビの上層部がてんやわんやです。

本来僕が「会社を辞めます」と言って退職届を出せば翌日辞められるんですが、5箇所たらい回しにあいまして、フジテレビを辞めるまで3ヶ月かかりました。圧力も散々かけられました。

その後、誤解も解けて

長谷川
でも、僕のブログが1ヶ月で3300万PVを記録しまして、300万人以上の人に読んでいただきました。それでやっと誤解が解けたんです。

そういうこともあったので、それならまぁということで、フジテレビ退社から1年後に帯番組の司会について、2年後にはニュースキャスターもやっていました。法務的には問題ないと（判断いただいたような）、そういう状態です。

ただ、前提としてあれは僕が悪いですからね。みなさん、経理計算はちゃんとやったほうがいいですよ。

島袋
長谷川さん、これはなんだかYouTuberに転身のニオイがしますね。これはスゴイことになりそうだな。

長谷川
いやいや（笑）
でも、あの時ブログを多くの人に読んでいただいて、本当に救われましたよ。よかったです。
またなんでも聞いてくださいね、僕はNG1つもない人間なので。

島袋
ありがとうございます！では、次回もぜひよろしくお願いします。