価格だけじゃない。売手を落とす時はこれが大事。｜Vol.005 | M&A BANK

買い手企業の反応

島袋
前回は「M&Aの案件情報を上場企業の社長さんに送るタイミングは、土日がよい」とのお話をいただきました。では、実際にうちの案件をお見せしたときの反応はどんな感じでしたか？

金
僕は8社の上場企業の経営者にその資料をお送りしたんですが、どこから最初に返信があったと思いますか？

島袋
やっぱり買い手のシェアリングテクノロジー社？

金
正解です！そうなんですよ。送った8社のうち5社から、1時間も経たないうちに「興味あります」「話聞きたいです」と返信がありました。今回最終的に買い手となったシェアリングテクノロジーの引字さんは、もう10分後くらいに、メッセンジャーを見た瞬間に僕に電話をかけてきて。

島袋
はいはいはいはい…10分後？！

金
10分後ぐらいですね。もう1人目きたか！と驚きましたよ。

それで電話に出たら、「金さん、これすごく興味あるので、すぐ日程調整してください！」と引字さんがおっしゃいました。土曜日だったんですが、「すぐ東京行きますんで、できれば火曜日か水曜日で、ぜひ調整してください！」と言われまして、「わかりました、なんとかします」と引字さんに伝えて電話を切りました。そのあと島袋さんと電話でご相談して、水曜日に会うことになりました。

島袋
はい、早かったですよね。依頼してから本当にすぐのことだったので、たぶんその1日前に打ち合わせしましたよね。

売り手の心を動かしたもの

島袋
売り手の気持ちとして、やっぱり熱意を持って来てくれるのって嬉しいんですよね。実際その引字社長は、うちの本社がある東京まで名古屋本社からわざわざ来てくださいました。目黒駅のうちのオフィスの会議室で、目の前に上場企業の社長がばっちりスーツをきめて、僕の目を見て「ぜひお願いします」って言われるわけです。かっこいいんですよ。そう言われて、嫌な思いはしないですよね。

金
まあはっきりと告白されてるみたいなものですからね。

島袋
ほんとそうなんですよ。なので、より高い金額をつけてくれた会社さんは他にもあったんですが、やっぱりその後の過程でも引字社長の印象が頭の中にあって、結果的にそこに大事な我が子を……事業をお渡ししたいと思いましたね。そういう理由でシェアテクさんに決めさせていただきました。

金
完全に恋してますね。それはもう。

島袋
（笑）でも確かに、大事な事業を渡すので、恋するとか、そういう感覚に似てるかもしれないですね。

M&Aは会社の売買ですからドライなイメージがありますけど、けっこうウェットな部分もありますよね。大事なものを渡すので、やっぱりちゃんと育ててくれるところを選びたい、というのが売り手の気持ちです。

金
そうですね、実際感情的なところは大きいです。

島袋
はい。では、金さんにはまたちょくちょくM&A BANKに出演していただこうと思います。根掘り葉掘り、言えること、言えないこと、教えてください！