2018.07.17
今後のM&A戦略は……?|Vol.055
タイでのビジネスは要注意
島袋
今回もメディカルネット社長の平川さんに来ていただきました!
前回はタイでのM&Aについて伺いました。
やっぱり国境を越えての買収ということで、国内のM&Aとは違うところがあったんじゃないかと思いますので、M&Aの前後で「ちょっとここは苦労したな」「これは注意すべき」ということがあれば教えてください。
平川
タイの場合は、1番は資本制限がかかっていることですね。日本の会社の資本100%ではビジネスができないんです。
BOI(タイ国投資委員会)配下の企業になっているとまた別なんですが、現地の人や現地の法人に51%の株を持たせなきゃいけないんです。
ここが1番リスキーなところで、課題だったところですね。
島袋
51%ですか!そこはどうされたんですか?
平川
なんとか知り合いをつたっていって信頼できる人を見つけて、その方にご出資いただいて、51%持っていただきました。
そこは特に面白い話はないです。(笑)
島袋
(笑)大丈夫です、みなさん真剣に見てますから。
いま興味があるのはどんな企業?
島袋
いま、多くの上場企業がIRの成長戦略の中でM&Aを(方針として)出されていますよね。
収録前に平川さんも、事業シナジーを生めるのであれば、0-100じゃなくても、5%でも10%でも15%でも資本を入れるとおっしゃっていました。
御社の今後のM&A戦略について、さらに詳しく教えていただけますか?
平川
結構クローズドな話になってしまうんですけど、歯科医療業界に特化してビジネスをやってるので、その業界の企業ですね。
僕らは社内で歯科医療領域のバリュー・チェーンを作っていこうと、メーカーの機能を持ったり、商社の機能を持ったり、歯科医院の機能を持ったり、技工所という、人工のセラミックの歯を作る機能を持ったりしています。
そういう企業を傘下に収めて全領域をおさえていこうという戦略でやっているので、その領域にアプローチ(できるような企業を買収)していきたい。それが基本の考えですね。
プラスで言うと、「IT × 歯科医療」のビジネスをやっているので、ITのコアテクノリジーに強い会社とか、レガシーなサービスでもいいですね。
僕らはそういったところでアセットがある会社を組み合わせてビジネスをやってきたので、そっち側の領域の会社でも(いいです)。エンジニアリングの領域で少しリソースが足りてないところもありますので、そういう会社も一応視野に入れています。
島袋
それは制作会社や開発会社も入りますか?
平川
アリですね。
Webの制作も病院からたくさん請け負ってますし、ポータルサイトもそうですし。
先ほどお話した、医療機関と歯科医師と医療関連のメーカーを繋ぐサービスは、ITプラットフォームでやっていて、その裏側でシステムが動いてるので。
島袋
そうでしたね、なるほど。
制作会社、開発会社は規模に関わらず、ということですよね?
平川
そうですね。
ただやっぱり、当たり前ですけど何か強み・武器が欲しいです。できればなにかの領域でトップの会社がいいですね。どんなにニッチでもいいんですけど。
島袋
なるほど。
ベンチャー経営者に向けて
島袋
では最後に、ベンチャー経営者に向けてなにか一言お願いできますか?特にないですか?(笑)
平川
ベンチャー経営者に向けて……そうですね。ベンチャー企業だからこそできることってたくさんあると思います。
ただ、財務基盤や人的リソース、資本的なところなど、いろいろ体力が足りないところもあると思います。でも、そこをうまく工夫してビジネスをやるのがベンチャー企業だと思うので、そこについてはインクルーシブ、巻き込み型でいろんな会社とタッグを組む、アライアンスを組む。
そうすることでシナジー効果が出る会社や領域があると思うので、そういうところを見つけて、なにか特化した領域で一生懸命、ブレイクスルーしていただきたいなと思います。
島袋
ありがとうございます。なにかあったら平川さんに相談は全然アリですよね?
平川
お待ちしております。逆にいろいろと教えてください。(笑)
島袋
(笑)サッカーの誘いもOKですかね?
平川
サッカーも大丈夫です。戦力になれるようにトレーニングしておきます。(笑)
島袋
ありがとうございます!
初の上場企業の代表、メディカルネットの平川さんでした。どうもありがとうございました!
■平川大:株式会社メディカルネット-代表取締役会長CEO
1973年生まれ。メーカーを経て、2003年、タイでIT×ゴルフ事業を立ち上げ。05年に日本メディカルネットコミュニケーションズ株式会社(現 株式会社メディカルネット)入社し、ソリューションセールス事業部ゼネラルマネージャーに就任。取締役、代表取締役、社長を経て、16年8月、代表取締役会長CEOとなる。
■島袋直樹:Idealink株式会社-代表取締役
2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。尊敬するじげん社に倣い、「事業家集団Idealink」を目指す。
【株式会社メディカルネットのM&A概要】
上場後に3件のM&Aを行い、経営支援事業の強化、会員統合によるプラットフォームの拡大(業界最大)を実現。加えて、海外での日本レベルの歯科医療の提供や患者マーケティングにも取り組む。
【YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCbxAeKe2f9WZGbKy1jHV0Dw
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