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もう繰り返したくない、過去の経営の反省点|Vol.214 | M&A BANK

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2019.09.17

もう繰り返したくない、過去の経営の反省点|Vol.214

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 目次 

1.  IPOもM&Aもしにくい経営をしていた
2.  ヘタな拡大より、「株の放出」で攻めるべきだった
3.  「単一法人・複数事業」は避けるべきだった
4.  「コングロマリット状態でM&A」のメリデメ

 

IPOもM&Aもしにくい経営をしていた

島袋
今回も質問・回答編ですが、やや番外編になるかもしれません。
実は、僕が5月22日にFacebookでこんなポストをしたところ、意外に「どういうこと?」とけっこう反応をいただいたので、今回はこのあたりのお話をしていこうと思います。

ポストした内容は、
「創業時からM&Aの知識があれば資本政策や事業展開で悩むことはなかったし、企業価値にヒットしない拡大や同一法人下での新規事業はしなかったとつくづく思う。」
です。実際そうだと思っています。


まず、創業時にM&Aの知識がある人って実際少ないですよね。

冨岡
2周目の経営者じゃない限り、なかなかいないと思います。

島袋
資本政策もわからないから、株の比率の重要性についても無知で、僕は1回失敗しました。
IPOもそんなに知らないくせに目指していたので、右肩上がりを善として、売り上げのトップラインが右肩上がりになることだけを考えていました。
事業によっては従業員の人数が資産になる場合もあると思いますが、そんなことも全然知らなかった。

しかも、同一法人下で全く業態の違う事業をいくつかやっていたので、M&AもIPOも向いていない組織になっていました。

もし僕が創業した26歳の頃にその知識があれば、全然違うことになっていたと思うんです。

冨岡
M&Aを経験したあとの事業は、けっこうM&Aを意識した建てつけになっていますよね。

 

ヘタな拡大より、「株の放出」で攻めるべきだった

島袋
エクイティでの調達というのもよくわからなくて、あまり株も渡さなかったんですが、結局はM&Aで株式を売却することにもなりえるわけですよね。
何%か希薄化(ダイリューション)させてでも現金を調達して事業を伸ばす方が、成長スピードを短縮できる。そうするべきだったなと今では思います。

企業価値にヒットしない拡大っていろいろありますよね、HR系のこととか、イベントとか。
そう言うと怒られちゃいそうですが、基本的にする必要はなかったなと思います。

冨岡
事業の運営でも、IdeaLink本体とは別の箱で、外部のその道のプロの方に出資してもらって一緒にやっているものもありますよね。ヘルスケア系のECで。

島袋
合弁という感じで、目標もM&Aにおいて、ちゃんと期限を切って一緒にやらさせてもらっています。

冨岡
そうですね。やっぱり外部のプロの知見や、その人のコミットも必要だったということですよね。
50%とか大きな比率を渡しても、十分価値がある。

島袋
海外から持ってきて今度展開するピラティスのブランドに関しても、エンジェル投資家さんから調達させてもらって、我々経営陣で残りを持つ形で展開する形を取りますもんね。

冨岡
一方で、社内で1から作った事業もありますよね。
不動産メディアの事業はWebマーケティングが中心なので自分たちの知見でできるし、金銭的にも最初にそんなに大きな負担もなかった。

事業によってベストな資本政策や組むべき座組みは違ってきます。

 

「単一法人・複数事業」は避けるべきだった

島袋
今IdeaLinkにある事業はどんどん切り出して分社化していこうとしていますが、企業価値がある程度大きい場合は税務リスクもかなりあるんですよね。最初から単一法人・単一事業で作っておけばよかったなとつくづく思います。

でも、日本ではある事業で利益が年間1億出ていて役員報酬を数千万取れていたとしても、個人で新規事業を作るって難しいんですよね。
だから節税の意味も含めて、この利益の中でできるよう、グループ内や子会社としてやるというのがよくあるパターンだと思います。
でも、M&Aを見据える場合は、親子関係より兄弟というか、経営者(同じ株主)からの出資、もしくは小さい箱を作って会社からの貸付で事業を立ち上げるというのもいいんじゃないかと思います。

冨岡
逆に、同一法人内で複数の事業を持った方がいいパターンってそんなにないと思います。
たとえば1つの事業が成長中で、IPOを目指している場合。IPO後のさらなる成長の起爆剤になる、本業とのシナジーがある事業が必要で、それを社内で立ち上げるというのはありだと思います。

島袋
日本の金融機関が追いついてきていないのかなと思いますね。
ある会社で利益が出ていても、子会社じゃなく兄弟会社を作った場合は、銀行に融資の申し込みをしても、なかなか借入れできないんですよ。
儲かっている会社のオーナーであるにも関わらず、新規事業への融資は難しいから、儲かっているところの利益を使った方が早いよね、となってしまう。

冨岡
金融機関はどうしても新しいものには慎重になりますからね。

島袋
なるほど。
なんか響いてなくないですか?熱くなってるの俺だけ?

冨岡
いえいえ、さっき僕珍しく熱くなったので、ちょっとクールダウンしてます。疲れちゃった。

島袋
ううわ!まだ収録中ですよ。まだ続きますからね。

 

「コングロマリット状態でM&A」のメリデメ

島袋
複数の事業をやっている会社が事業を売却する場合、欲しがられている事業だけを事業譲渡することになる。
そうなると、買い手に対しても消費税がかかるらしいですね。いつもコメントをくださる田中弁護士に教わったんですけども。田中さん、いつもありがとうございます。

冨岡
基本はそうですね。

島袋
売る側にも消費税はかかりますから、たとえば2月決算で、もし事業譲渡が1月に完了してしまったら、譲渡益を1ヶ月でどうにかしないといけないということになるので、時期の問題もあります。

同一法人下でコングロマリットで展開している場合は事業譲渡のM&Aになるでしょうから、DDする側もきっと大変ですよね。

冨岡
でも、事業譲渡だと勘定明細を提出するとなっても「勘定明細売掛金と未払金しかない」みたいにすごくシンプルになることもあります。
株式譲渡だったらそうはいかないですから。

島袋
そういえば、やる気がない冨岡くんを見ながらDDの話をしていて思い出しましたけど、この間女の子から「DD」って言われてましたね。
みなさん知ってます?夜のDD。「誰でも大好き」のDDです。

冨岡
いや、なんでここでその話が出てくるんですか。(笑)

島袋
やる気ないからですよ。「誰でも大好き」のDDね。

つまり、同一法人下で複数の事業を展開するのは、M&Aを考えると基本的に避けるべき、一事業1法人がいいんじゃないかという意見でした。
ハイブリッド式もありますけど、もう全然興味なさそうですね。

冨岡
もう、なんでもいいですよ。

島袋
ということでした。(笑)

次回は久しぶりにゲストが登場しますよ!
またすごい方に来ていただけることになったので、どうぞお楽しみに!

【出演者情報】
■島袋直樹:M&A BANK株式会社-取締役会長
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡し、2018年3月よりM&A BANKの運営を開始。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。

■冨岡 大悟:M&A BANK株式会社-代表取締役/公認会計士
KPMG/あずさ監査法人のIPO部、フロンティア・マネジメント株式会社でのM&Aアドバイザー業務を経て、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後にTOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IdeaLink株式会社のCFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員も務める。

順次更新、島袋・冨岡の出演動画 一気見はこちらから
(M&A BANK YouTubeチャンネル)

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