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一度は取り消しされた上場の経緯とは。|Vol.224 | M&A BANK

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2019.10.24

一度は取り消しされた上場の経緯とは。|Vol.224

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 目次 

1.  2017年、アイモバイルへの「男気M&A」
2.  あの「一度取り消しされたIPO」について…
3.  JASDAQへの市場替え、そして2部・1部へ

 

2017年、アイモバイルへの「男気M&A」

島袋
今回もですね、株式会社ネットマーケティングの宮本社長に来ていただいております。
宮本さんは熊本のご出身とのことでしたが、熊本弁話せますか?
ちょっと東京に染まっている感じがしますが。笑

宮本
最近熊本の人と話すとエセ熊本弁だって言われます。
東京に来て25年くらい経っているので、熊本弁を話せと言われてもなかなか難しいんですよ。
魂は売ってないんですけどね。

島袋
じゃあ、魂を売った宮本社長にお聞きしたいんですが(笑)

2017年にメディア事業のSwitchを売却してますよね。
あとは、たしか今年の撤退されたサービスもあるんですよね。

宮本
はい、2月にQooN(クーン)というサービスで。

島袋
SwitchのM&Aの方の経緯はどういったものでしょうか?

宮本
新規事業を過去に13回やって2勝11敗したというお話を少ししましたが、その11敗というのは普通に事業やサービスを終了したんですね。
そういうものだろうと思ってました。
でも、Switchという事業に関してはその事業をやっていた責任者が手を挙げて、「愛情を持って作って育てたサービスなので、たとえ終了することがあるとしてもしっかりDNAを残したい」と話をしてきて、彼が自分で売り先を探してきたんです。

島袋
へぇー、ガッツありますね。

宮本
こちらからお願いしたわけではなくて、自分で。
少しでも撤退費用も抑えられるなら、責任の取り方としてもぜひそうしたい、と。

島袋
カッコいい!男気M&Aですね。

宮本
そうですね。そういう経緯でアイ・モバイルさんに事業譲渡させていただきました。
その責任者は実際にアイモバイルさんに数か月間出向して、しっかり引き継ぎもして帰ってきました。

島袋
めちゃめちゃ優秀なスタッフですね。
行って帰ってきたときにやる仕事はあったんですか?

宮本
相当話しましたね。
会社としても、チャレンジして、結果的に失敗した人を冷遇するようなことはしたくないので、積極的にチャレンジした人を次に活かしたいなという気持ちはけっこうありました。
それで、今もある広告事業の1事業部門の責任者として、もう1回頑張ってくれということで頑張ってもらいました。
そうしたら、その半年後か1年後ぐらいの社員総会で彼がすごい結果を出して、全社MVPにもなったんです。

島袋
すごい。

宮本
新規事業で失敗したときに「自分は何が足りなかったのか」と考えたり、会社のお金をたくさん使ってしまって少し迷惑をかけたところもあり、何とか恩返しというか、気持ちを返したいみたいなところがあったんだと思います。
そういう経験をしている人間はちょっと強くなっていきますよね。

島袋
Omiaiアプリでの活動も会社運営も、打席に立つということですよね。
…ちょっと強引でした?

宮本
だいぶ強引でしたね(笑)頭の中で繋がらなくて。ついていけなかったですね。

島袋
すみません。(笑)

ともかく、いいときだけじゃなく悪いときも共にしているわけですし、その方への信頼もあるでしょうし、今後が楽しみですね。

宮本
そうですね、会社を作って14~15年になりますが、10年以上働いている人間が10人近くいるんですよ。

島袋
へぇー!10年選手が。

宮本
やっぱりそういう人たちは会社に対してもロイヤルティーもありますし、自分が結果を出したいという気持ちが溢れているメンバーなので、新規事業の責任者を任せるときにも信頼して任せられるな人材になりつつあります。

 

あの「一度取り消しされたIPO」について…

島袋
IPOの話になりますが、2017年に東証マザーズで承認がおりたあと、取り消しされたじゃないですか。
このこと聞いちゃっていいですか?

宮本
大丈夫ですよ。
事業自体はちゃんと成長していたんですけど、外部環境、我々の取引先様の事業環境に変化が起きてしまって、我々が上場した直後に売り上げとか利益に大きな影響を与えうるリスクを抱えてしまったんです。

突っ走れば突っ走れた、上場できたのかもしれないですが、いきなり下方修正となると東証の信頼も揺るぎますし、主幹事証券の信頼も揺るぎますし、僕らの中でもキレイな体で上場したいなというのもありましたので、悔しいけどここはしゃがんでもう1回頑張ろうということにしました。

島袋
そこから実際に上場をされたじゃないですか。すごいなあ
その意思決定をしたときの社内の空気感ってどんな感じだったんですか?

宮本
けっこう泣く役員とかもいて、悔しくてね。
というのも、2013年から上場準備はしていたので、2年間ずっとその緊張感のある毎日を過ごしていたわけです。なのにようやく承認もおりて、目の前に掴みかけた上場が、もろくも目の前で崩れていって。

僕自身も上場という旗を振ってみんなを引っ張っていましたので、やっぱりちょっとした絶望感もありました。
上場承認が取り下げになったあと上場できた会社はあまりなかったこともあって、みんなが一時不安になりました。

 

JASDAQへの市場替え、そして2部・1部へ

島袋
絶対そうなりますよ。僕だったら経営者として立ち直れないくらいヘコむと思うんですけど、どうやって回復したんですか?

宮本
既存の広告事業・メディア事業がずっと伸び続けていたんです。来年も再来年もそういうトレンドでいけるだろうと思えるところがありました。
当時はは外部環境に問題がありましたが、自社の環境は非常によかったので、「時間が解決してくれる」と事業に対する自信があったことが1番大きかったかもしれないですね。

島袋
これはカッコいい。

宮本
なるべく早く上場までいきたかったので、マザーズではなくJASDAQで上場しました。1年半後ですね。

島袋
そう、JASDAQなんですよね。

宮本
そうなんです。マザーズだと急成長しなきゃいけないんですけど、事業環境が変化する中でクライアントの入れ替えもけっこう進んで、一時期売り上げが伸びない時期もありました。急成長ではないけどある程度の売り上げはあったので、JASDAQ市場であれば上場できそうだということで市場替えをしたんです。

1回ダメになったあと東証さんに相談をしに行って「こういう事業計画なんだけど、マザーズで上場できますか?」と聞いたら、「売り上げの規模の大きさからするとJASDAQの方がよろしいんじゃないですか?」とアドバイスをいただいたので、こちらでの証券審査を進めたいということになりました。

島袋
そういう理由だったんですね。
承認がおりたときの社内の雰囲気はどんな感じだったんですか?

宮本
もう本当にホッとした感じですね。
最初に上場承認がおりたときは会社全体がすごく盛り上がりましたが、JASDAQのときは、盛り上がったというよりもみんな胸なで下ろしてホッとした感じで、前々雰囲気が違いました。

島袋
2度承認がおりてるわけですもんね。

宮本
2度承認がおりていますし、そのあと(東証)2部も1部でもおりたので、4回コンプリートしてます。

島袋
そうですよね!失礼しました。
東証の鐘を鳴らすときってどういう気分なんですか?

宮本
そうですね、鐘を鳴らすところにけっこう僕の気持ちもいっていたんですが、実は東証で「今日から承認します」と賞状を渡されるセレモニーがその前にあって、そのときが1番ウルっときました。
賞状を渡されるときが1番厳粛なムードなんですよ。

鐘を叩くセレモニーは和気あいあい・意気揚々と臨んでいくところなので、そこは涙が出るような雰囲気ではなくて。

島袋
そうなんですね。すごいなあ、それは当事者じゃないとわからないですね。
今回も貴重なお話ありがとうございます!

今回はこのあたりでお別れです。またM&A BANKでお会いしましょう!

【出演者情報】
■宮本 邦久:株式会社ネットマーケティング -代表取締役社長兼CEO
新卒で日商岩井(現:双日)株式会社に入社。のちにITX株式会社に転籍し、ネット事業に携わって培ったノウハウを生かし2004年7月に株式会社ネットマーケティングを設立。企業のWebプロモーション支援サービスを開始。2012年より恋愛マッチングアプリ「Omiai」を運営。2017年3月東証JASDAQ市場上場、2018年5月に東証二部へ市場変更、2019年4月に東証一部銘柄に指定。

■島袋直樹:M&A BANK株式会社-取締役会長
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡し、2018年3月よりM&A BANKの運営を開始。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。

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